
前回、敗血症性ショックを診断する3STEPのSTEP1を説明しました。
目次
STEP2|SOFAを用いての臓器評価と敗血症の診断
STEP2では、SOFAで臓器評価を行い、敗血症の診断を行います。
SOFAがベースラインから2点以上上昇していれば敗血症と診断されます。
呼吸はPaO2/FiO2、凝固は血小板数、肝臓はビリルビン値、心血管系は低血圧、中枢神経系はGCS、腎臓はCreあるいは尿量で点数をつけ評価します。
呼吸【P/Fratio】
前回のおさらいですがP/Fratioは、酸素分圧を酸素濃度で割った値になります。
PaO2÷FiO2で求められます。
ルームエアでのPaO2の値なのか、人工呼吸器を使用した上での値なのかなどで酸素化できているか異なるため、この計算式を用います。
呼吸器がついている状態で200以下の場合は3点、100以下で4点ですが、300以下でも呼吸器がついていなければ2点と評価します。
心血管系
平均動脈圧は臓器灌流を表しており、70以上であれば1点となります。
70以下の場合、カテコラミン、ドパミン、ドブタミン、ボスミン、アドレナリン、ノルアドレナリンを使っているかどうかで点数が変わってきます。
事例

ここからは事例で考えてみましょう。
以下の事例の患者さんは、敗血症でしょうか?
75歳男性。
意識障害にて搬送。救急車両で嘔吐あり。高度意識障害あり。
気管挿管施行。頭部CTで脳出血の診断でICU入室。
BP:140/80(100)mmHg。HR:100回/min。
RR:20回/min。BT:37.8℃。P/F比:320。気管吸引で吐物が引ける。
GCS:E2VtM4(計7点)。Cre:1.0。尿量:1100ml/日。
WBC:8000/mm3。CRP:2.5mg/dl。血小板数:28万。T-bil:0.9。
以上の情報をSOFAに照らし合わせるとこのようになります。
入院日(初期評価)でのSOFAは4点となります。
BP:138/78(98)mmHg。HR:110回/min。
RR:24回/min。BT:38.5℃。P/F比:170。黄色粘稠痰多量を認める。
胸部レントゲンで右浸潤影を認める。
GCS:E2VtM4(計7点)。Cre:1.1。尿量:800ml/日。
WBC:14000/mm3。CRP:18.2mg/dl。血小板数:20万。T-bil:0.9。
翌日の状態のSOFAは6点となり、初期評価より2点増加しています。
また、黄色粘稠痰やレントゲンで右肺の浸潤影を認められることから肺炎が疑われます。
このことから、事例の患者が敗血症であると診断されます。
STEP3|敗血症性ショックの評価
敗血症で、十分な輸液負荷にも関わらず、以下の2つを満たす場合は敗血症性ショックと診断されます。
- 平均血圧≧65mmHgの維持に循環作動薬が必要
- 血清乳酸値>2mmol/L(18mg/dl)
敗血症性ショックである場合、院内死亡率は42.3%にもなります。
このような状態になったら、ノルアドレナリンを投与し末梢血管を収縮させ、1時間に2リットル程の細胞外液の大量輸液を行い、原因疾患の治療を行います。

次回はDICについて解説します。
動画で勉強する
























前回に続き『敗血症』について、解説していきます。