
目次
免疫系
侵襲を受けると、血小板・肥満細胞がヒスタミンを放出します。
ヒスタミンは、毛細血管を拡張し、血液充填・うっ血を起こします。
そのため、発赤・熱感が生じます。
血小板・肥満細胞がヒスタミンを放出
↓
毛細血管拡張
↓
血液充填・うっ血
↓
発赤・熱感
また、アラキドン酸からプロスタグランジンが放出され、痛みの物質であるブラジキニンと共に疼痛を自覚させます。
アラキドン酸からプロスタグランジンを放出
↓
ブラジキニンと共に疼痛をもたらす
↓
疼痛を自覚
そして、肥満細胞がブラジキニンや血管内皮増殖因子を放出します。
それらの因子が、血管内皮細胞の細胞間を開大し、血管透過性が亢進します。
結果、腫脹が起こり、動きが制限されることにより機能障害が生じます。
肥満細胞がブラジキニン、血管内皮増殖因子を放出
↓
血管内皮細胞の細胞間が開大
↓
血管透過性亢進
↓
腫脹
↓
機能障害
ここまで話を聞かれると、免疫系は悪いことばかり起こすように感じられるかもしれません。
しかし、免疫系にはプラスの働きもあります。
血管透過性が亢進することにより、好中球などが細胞間から血管外へ抜け出し異物の元へ移動できます。
そして、ウィルスや細菌などの異物を排除してくれます。
また、疼痛は体の異常を知られる警告としての働きもあります。
好中球の特徴
先ほど出てきた好中球について詳しく説明します。
好中球には3つの特徴があります。
1つ目は、増えることです。
感染症などの侵襲時に増えて、異物を貪食します。
血液検査データを確認する際は、白血球だけでなく好中球の値も確認するようにしてください。
2つ目は、武器があることです。
エスタラーゼなどの分解酵素で異物を排除します。
3つ目は、周りに迷惑をかけることがあることです。
炎症が強い時や新たに侵襲が加わった際に、エスタラーゼなどが周辺の臓器にも有害反応を起こし、炎症を引き起こします。
抗菌薬の投与や原因の除去など、早期の対処が重要です。
- 増える
- 武器がある
- 周囲の臓器に有害反応を起こすことがある
免疫系が作用する部位
侵襲が起こると、サイトカインなどの因子が様々な臓器に作用します。
循環器系では、心拍出量の増加、心拍数の増加、末梢血管抵抗の低下(血管が開く)といった作用が生じます。
下垂体・副腎では、内分泌や代謝の変動を起こします。
肝臓では、急性相タンパクが増加します。
血液検査データはCRPの上昇として確認されます。
感染によるものか、それ以外のものか気を付ける必要があります。
骨髄では、白血球の上昇、抗体産生が活発になります。
血管内皮では、接着因子が発現し、DICの原因となります。
高サイトカイン血症
感染などの侵襲を受けてサイトカインがたくさん血中に出た状態を、高サイトカイン血症と言います。
一昔前は、全身性炎症反応症候群(SIRS)と呼ばれていました。
SIRSの定義は以下の表のようになっています。
体温が36℃以下の場合コールドショック、38℃以上の場合はウォームショックが考えられます。
白血球が4000/µL以下になった際は、炎症が続き白血球の産生が止まり破綻した状態になっていることが考えられます。
まとめ
ここまで侵襲に対する生体反応の流れを、3つの系からみてきました。
生体防御・組織修復の役割がある反面、臓器障害や病態の悪化というデメリットをもたらすことがあることがわかりました。
デメリットに対処するため、適切な処置が必要です。

次回から、ここで学んだ知識を元に具体的にどのように介入していくかを解説していきます。
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今回は恒常性の免疫系について、詳しく説明をしていきます。