このような不安を解決する記事です。
訪問看護に興味があっても、「しんどかったらどうしよう」という不安がある方は多いと思います。
経験のない分野へのチャレンジは不安も大きいですよね。
当記事では、訪問看護がしんどい理由を現役訪問看護師が9つ解説します。
訪問看護では、しんどいことも少なからずあります。
とは言え、続けていくことで必ず成長でき、大きなやりがいを得られるのも訪問看護です。
訪問看護師として働く上で、これから紹介する内容を理解しておくことは大切なことだと思います。
訪問看護に興味があるけど、一歩踏み出せずにいるあなたは、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
訪問看護がしんどい理由9選
訪問看護がしんどい主な理由は以下の9つです。
- 責任の大きさ
- 幅広い疾患・対象者への対応
- オンコール
- 利用者さん宅までの移動
- 利用者さんのフィールドでのケア
- 家族が近くで見ている中でのケア
- 利用者さん宅の環境
- 営業
- 毎月の書類作成
順番に解説します。
責任の大きさ
1つ目は、責任の大きさです。
訪問看護師として働く中では、責任が大きいと感じるさまざまな場面があります。
- 予想外の急変やトラブルがあったときの対応
- 状態変化があったときの判断や行動
- 家族からの質問への対応
- 報告・連絡・相談の判断 など
訪問看護は1人で訪問しているので、現場の状況について判断し、対応するのは自分です。
現場でのことを、どこまで報告・連絡・相談すべきか、判断するのも自分です。
実際に、訪問時に利用者さんが心肺停止していたことや、応答がなく解錠したら転倒し動けなくなっていたことなど、緊急性の高いできごとが起きたこともあります。
あとで「これは管理者や先輩に報告や相談をすべきだった」「他職種にも情報共有すべきだった」と気づくこともあります。
1人で訪問するからこそ、利用者さんの看護に対する責任はやはり大きいです。
責任は大きいですが、まずは訪問前に事前準備をしっかり行い、訪問に臨めば大丈夫です。緊急時や判断にどうしても迷うときは、管理者や先輩にすぐ電話で相談もできます。経験を積んでいく中で必ず乗り越えていけます!
幅広い疾患・対象者への対応
2つ目は、幅広い疾患・対象者への対応です。
訪問看護では、実に幅広い疾患・対象者の看護を行います。
年齢層で言うと高齢の方が多いですが、その中でも「要支援」で生活が自立に近い方から、「要介護」で寝たきりの方まで、さまざまな方がいます。
抱える疾患も多岐にわたり、複数の疾患をあわせ持つ方もたくさんいらっしゃいます。
また、以下のような方も、訪問看護の対象者です。
- 重度の疾患を抱えている方
- 難病の方
- 終末期にある方
- 小児科領域
- 精神科領域
日頃から勉強して、知識を積み上げる努力は必要です。
日々の勉強は大変ですが、利用者さんのためと思うと、楽しく前向きに頑張れたりもします。事業所内で勉強会を行ったり、外部研修の伝達講習を行うこともおすすめです。
オンコール
3つ目は、オンコールです。
オンコールとは、24時間365日、利用者さんの緊急時に備える仕組みです。
オンコールは基本的に当番制で、その日の担当者が専用の電話を持ち、待機します。
担当者は、以下のようなしんどさがあります。
- 緊張して夜寝れない
- 休日でも気が休まらない
- 気楽に遊びに行けない
もし夜間にオンコールがあり、電話対応をしたり、臨時訪問を実施した場合も、翌日仕事であることが多いです。
あまりに忙しいと睡眠不足が懸念されます。
体が休まらず、体力的にも精神的にもしんどいと感じることがあります。
オンコールがしんどいという訪問看護師の声はよく聞きます。とは言え、オンコール対応をすることで、イレギュラーに対応する経験を積んでいくことができ、訪問看護師として確実に成長できる良さもありますよ。困っている利用者さんの力になれたときは、大きなやりがいも感じます。
オンコールにおける困難や対処法については、下記の記事でも紹介していますので参考にしてください。
利用者さん宅までの移動
4つ目は、利用者さん宅までの移動です。
訪問看護は、看護師が利用者さんのご自宅を訪ねて看護を行うサービスなので、ご自宅までの移動が必ずあります。
主な移動手段は以下です。
- 車
- 自転車
- バイク など
車の運転に不慣れな場合は、移動自体に大きなストレスを感じる可能性があります。
道が狭かったり、ご自宅の駐車スペースがかなり狭いお宅もあります。
自転車移動の場合も、かなり体力が必要。
悪天候の日や、真夏の炎天下、寒い冬などは、移動だけで本当にしんどいと感じることがあります。
移動に関しては、運転の得手不得手や、天気・季節に、かなりしんどさが左右されます。とは言え、春は桜を横目に見ながら癒されたり、秋は紅葉を感じたり、良い面もたくさんありますよ。
利用者さんのフィールドでのケア
5つ目は、利用者さんのフィールドでケアを行うことです。
利用者さんのご自宅でケアを行うため、病院で働く以上に、細やかなマナーに気を配る必要があります。
さらに、生活そのものに介入させていただくため、利用者さんが変化をなかなか受け入れられないことがあります。
例えば、食事指導、内服方法、住環境の調整など、今までのやり方にこだわりを持っている方も多いです。
悩む場面もあり、しんどさや葛藤を感じることがあります。
看護の方向性や関わりに迷ったときは、「しんどい」「難しい」と感じることもありますが、利用者さんの思いや生活を最大限に想像しながら寄り添い、対話を繰り返しながら進めていきましょう!
家族が近くで見ている中でのケア
6つ目は、家族が近くで見ている中でケアを行うことです。
訪問看護では、病院とは違い、家族が近くでケアを見ていることがあります。
ひとつひとつの動きを見られていて、普段通りに行っていても、プレッシャーを感じることがあります。
利用者さんだけでなく、ご家族ともコミュニケーションをとりながら、安心してもらえる関わりをしていく必要があります。
利用者さん宅の環境
7つ目は、利用者さん宅の環境です。
訪問先は、看護を行う環境が整っているお宅ばかりではありません。
衛生面もさまざまであり、暑い時期には、害虫などがでる場合もあります。
虫が苦手な人にとっては、しんどいかもしれません。
空調の整っている病棟や施設とは違い、利用者さんのご自宅は、夏は暑く、冬は寒い環境のことも多いです。
そのような環境でケアを行うため、夏は汗だくになり、冬は足元から底冷えすることもあります。
暑さや寒さ、虫…。正直しんどいこともあります。自身の体調管理やメンテナンスはとても大事。また、どうしても利用者さん宅の環境がしんどい場合は、ひとりで悩まず相談してみても良いと思います。
営業
8つ目は、営業です。
病院とは違い、訪問看護では、自社を利用していただくための営業活動を行うこともあります。
主な営業先は以下です。
- 居宅介護支援事業所
- 地域包括支援センター
- 地域医療連携室 など
営業を経験したことがない看護師は多いです。
苦手意識があり、しんどいと感じるかもしれません。
最初は慣れない営業に、疑問やしんどさを感じるかもしれません。とは言え、訪問看護において、他職種との関わりはとても大切なこと。良いコミュニケーションの機会ととらえ、少しずつ慣れていけると良いと思います。
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
毎月の書類作成
最後は、毎月の書類作成です。
訪問看護では、毎月の書類作成があります。
- 訪問看護報告書
- 訪問看護計画書 など
訪問スケジュールがつまってしまうと、書類作成まで手がまわらず、しんどいと感じてしまいます。
文章を書いたり、まとめたりすることが苦手な方にとっては特にしんどいかもしれません。最近ではタブレット端末が貸与される訪問看護ステーションも多く、タブレット端末を使用し、空き時間を上手に活用して効率的に作業できると良いですよ。
訪問看護はしんどいこともあるけどやりがいも大きい!
訪問看護では、しんどいと感じる場面が多々あります。
慣れないうちは、特にそうかもしれません。
しかし、乗り越えた先には、必ず大きなやりがいや、自身の成長があります。
訪問看護は、長い時間を通して利用者さんの人生に関わらせていただき、たくさんのことを学ばせていただける素晴らしい仕事です。
訪問看護でのしんどさを乗り越え、ぜひ皆さんで訪問看護を盛り上げていくことができたら嬉しいです。
訪問看護ってしんどいですか?訪問看護に興味があるんですけど、少し不安です。