
目次
下痢について
下痢とは
下痢とは24時間以内に3回以上、水分の多い泥状、もしくは液状の排便を繰り返すことです。
高齢者は成人に比べ50%と体内水分が少なく、脱水になりやすい特徴があります。
高齢者の方は口渇中枢が成人に比べ鈍くなっており、脱水になっても気付きにくいため、下痢によりショック状態に陥りやすいです。
大腸の働き
水分は大腸で95%程吸収されます。
便の中には100mlくらい含まれますが、下痢では200ml以上含まれています。
下痢の原因
下痢には様々な原因があります。
消化器疾患以外の原因を見逃さないことが重要になります。
異形肺炎や心筋梗塞、甲状腺クリーゼなどの疾患で下痢が生じることがあります。
薬剤性の下痢もあるので、どのような既往でどんな薬を内服しているかも確認しましょう。
季節性の感染症もあります。
ノロウィルスなどの感染性腸炎や細菌性食中毒、病原性大腸菌などの感染も下痢の原因となります。
小腸型か大腸型かの区別も大切です。
- 血便なし
- 軽度の発熱
- 強い嘔気
- ウィルス性が多い
- 血便あり
- 発熱あり
- 細菌性が多い
救急対応の流れ
下痢がある場合、便の性状や回数、量を確認するのは勿論ですが、脱水によりショック状態になって居るときは、意識レベルの低下や、血圧低下、脈拍上昇、呼吸回数の増加がみられます。
そのような状態のときは、迷わず救急要請しましょう。
嘔吐や発熱、腹痛、水分摂取ができているかを確認し、状態により受診勧奨、救急要請を検討しましょう。
問診
まず、急性か慢性かの判別をします。
急性発症の場合は緊急を要する可能性が高いです。
感染の有無を確認するため、発熱の有無を確認しましょう。
食中毒の可能性を考慮し、食べ物の内容を確認します。
腹痛や悪心・嘔吐、便の性状、下痢の頻度と脱水の程度を観察します。
海外渡航歴があれば、海外でしか感染することがないウィルスや細菌の感染の可能性があります。
デイサービスなどで周囲に同様の症状の人がいれば集団感染の可能性もあります。
薬剤や嗜好品の影響も考慮し、確認をしましょう。
- 急性か慢性か
- 発熱の有無(感染の有無)
- 食物との関係(生もの)
- 食欲、食事摂取量
- 腹痛の有無と悪心・嘔吐の合併の有無
- 便の性状
- 下痢の頻度と脱水の程度
- 海外渡航歴
- 周囲に同様の症状の人の有無
- 薬剤・嗜好品の服用歴(特に抗菌薬)
急性腸炎の対応
脱水の改善、電解質補正
まず、脱水の改善、電解質補正を行います。
経口補水液はスポーツ飲料よりはOS1のほうが良いでしょう。
経口補水が難しく、高度の脱水や意識障害、電解質異常がある場合、トイレの回数やおむつ交換の回数などの自尿を目安にして補液しましょう。
下痢に対して
下痢に対しては基本的に止痢剤を使いますが、感性性腸炎に関しては原則用いません。
体の反応としてウィルスを出そうとして下痢になることもあるためです。
抗菌薬の投与が長期に及ぶ場合は、耐性乳酸菌製剤を使用します。
下痢がひどく機能性の下痢の場合、腸運動抑制薬を使うことがります。
その他
腹痛がある場合は、鎮痛薬のブスコパン®を使ったり、嘔気にはプリンペラン®といった制吐薬を使うことがあります。
生活指導をする際は、水分摂取や腹部の保温、消化の良い食事や経腸栄養などを勧めます。
抗菌薬を使うこともありますが、軽症のときは使うことはあまりありません。
まとめ
- 高齢者の下痢は、脱水によるショックバイタルを見逃さない
- 食中毒や感染性の下痢の場合は、敗血症から重症化することがあるため、発熱、嘔吐、血便などの随伴症状も併せて注意する
- 症状が下痢のみ、バイタルサインが安定していても食事をすることで状態が悪化することがあるため、本人、家族に変化があったときは受診や緊急コールの必要性を伝える
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今回は下痢について解説していきます。
緊急対応につなげることができるようにしましょう。