
目次
腸閉塞とは
腸閉塞の概要
腸閉塞とは、なんらかの原因で腸管内容物の肛門方向への輸送が障害されることによって起こる疾患です。
腹痛や嘔吐があれば常に腸閉塞を疑わなければいけません。
急性腹症による入院の20%を占めると言われています。
見極める時に、過去に手術の既往があれば癒着の可能性があるため、腹部の手術痕の有無を確認します。
また、鼠径ヘルニアは腸が飛び出ている状況のため閉塞しやすいです。
腸閉塞の種類
腸閉塞は原因により緊急性の違いがあります。
closed loop obstruction(複雑性腸閉塞)
より重症度が高いのが、この腸閉塞になります。
血流障害があり、虚血した部分が腐敗し破れ内容物が腹膜に流れ感染を起こします。
腹膜炎から敗血症になり、死に至る危険性があります。
近接する2点で腸管のループが閉塞し手術を要します。
simple obstruction(単純性腸閉塞)
こちらは、血流障害がなく、閉塞している部位も1箇所のため保存的加療が基本となります。
腸閉塞とイレウスの違い
2015年に消化器外科学会や救急医学会により、腸閉塞、イレウスについて整理をされました。
イレウスは明らかな閉塞点がない、つまり機械的に閉塞していないものを言います。
昔の機能的イレウスと言われていたものがイレウスで、機械的イレウスと言われていたものが腸閉塞となっています。
腸閉塞の問診と身体所見
問診
嘔気、嘔吐に加え腹部膨満、排ガス、排便の停止の確認をします。
強い自発痛を訴える場合、絞扼による虚血を示唆しています。
腹部手術の既往がある場合、小腸閉塞が原因であることが多いです。
手術歴のない腸閉塞は、異常裂孔への腸管嵌入、腫瘍性病変による閉塞が考えられ、手術適応になることが多いです。
- 嘔気・嘔吐の有無
- 排便の状況
- 排ガスの有無
- 腹痛の有無と程度
- 既往歴
身体所見
水分は腸管から99%吸収されます。
腸閉塞になると水分が吸収されなくなるため、脱水になり頻脈、血圧低下となり、皮膚粘膜乾燥もみられます。
絞扼、腹膜炎により敗血症になることから、ショックが起こり発熱や低体温になることがあります。
ショックの兆候も見逃さないようにしましょう。
嘔吐物の誤嚥により、SpO2の低下、高熱がみられることがありますので、呼吸音の確認もしましょう。
手術痕や鼠径ヘルニアの有無を観察しましょう。
腹部膨満がある場合、大腸レベルのガス貯留が考えられます。
腹部の聴診(腸蠕動音)では、麻痺性のイレウスでは金属音(高低)が聴かれ、さらに麻痺性イレウスが進むと腸が動かなくなるので腸蠕動音は低下します。
打診では、ガスが貯まってる場合は鼓音が確認できます。

腹部のフィジカルアセスメントは、視診→聴診→触診→打診の順に行いましょう。
腸閉塞の対応
検査
血液検査では、虚血や炎症が起こっていないか確認するため、WBCやCRPの上昇を確認します。
また、脱水の場合はBUNやCreが上昇します。
腸管壊死がある場合は、乳酸値が上昇します。
画像検査では、腹部XP、腹部CTをおこないます。
腸管ガスが貯まっている場合、ニボー像が確認されます。
閉塞部位を同定する場合は、腹部CTを行います。
腹部エコーで、腸管血流の評価ができます。
治療
複雑性腸閉塞(closed loop obstruction)の場合、緊急手術になります。
単純性腸閉塞(simple obstruction)の場合、保存的治療を行います。
保存的治療では、胃管チューブやイレウス管挿入による減圧、絶飲食、補液(2500〜3000ml/日)を行います。
循環が維持できているかは、尿量が1ml/kg/hを確保できているかで確認します。
症状に応じて鎮痛薬や制吐薬、抗菌薬の投与をおこないます。
イレウスの場合、腸管の動きが低下しているので、抗コリン作用のある鎮痛薬のブスコパンを使用すると麻痺を増強するため、禁忌となっています。
腸閉塞の場合、腸管促進薬のメトクロプラミドが禁忌となっています。
まとめ
- 腹痛、嘔吐は腸閉塞を疑う
- 腸閉塞の原因と緊急性の違いを理解する
- ショックバイタルは、腸管壊死を疑い、緊急コール
動画で勉強する























今回は腸閉塞、イレウスについて解説していきます。