このように訪問看護に不安をかかえている看護師はいませんか?
いきなり訪問看護に就職するのは抵抗があるから、できれば見学してみたいと考える看護師は多いのではないでしょうか。
訪問看護の見学は、今はどこの事業所も受け入れているところが多くなってきています。
就職する前に訪問看護を見学することは、看護師にとっても事業所側にとっても「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぐことにもなります。
そんなミスマッチを起こさないために今回は、訪問看護の見学で見ておくとよいポイントを8つ紹介したいと思います!
これから訪問看護を見学する予定のある看護師や、訪問看護を見学してみたいなと思っている看護師は是非参考にしていただけると幸いです。
目次
訪問看護の見学で見ておこう!8つのポイントとは?
訪問看護の見学では、訪問看護の仕事内容や労働条件の説明を聞くことができたり、実際に同行して利用者さんのご自宅に訪問し、現場を見学することもできます。
同行訪問では現場を実感することができ、実際に訪問看護師が在宅でどんなことをしていて、現場ではどんなスキルが必要なのかを知るきっかけになります。
それでは、訪問看護の見学で見ておくとよいポイントを8つ紹介します!
- 1日の訪問件数
- 対象の利用者さん
- 移動手段
- 必要なスキル
- 記録方法
- 休憩の取り方
- 事業所の規模
- 事業所の雰囲気
では、ひとつひとつみていきましょう!
①1日の訪問件数
訪問看護の訪問件数は、1日5~6件というところが多いです。
中には1日7~8件、10件以上訪問しているという事業所もあります。
訪問する件数により業務の忙しさは変わってきますので、見学する際には1日の訪問件数がどのくらいなのかを見ておくとよいでしょう。
②対象の利用者さん
その事業所がどのような利用者さんを対象としているのかは、見学の時に聞くことができます。
事業所によって対象の利用者さんは違います。
小児から精神科まで幅広く受け入れている事業所もあれば、小児専門や精神科特化など受け入れている利用者さんを限定している事業所もあります。
見学することで、ご自身が得意とする分野の利用者さんを受け入れている事業所なのか見極めることもできます。
③移動手段
訪問看護の移動手段は、車・バイク・自転車・徒歩などがあります。
都市部では駐車場の確保の問題から自転車での移動も多いようですが、地方では車での移動が主となります。
車の運転は苦手という方や自転車は体力的に厳しいという方もおられると思いますので、見学の際に移動手段が自分に合うのか確認しておくことも大事です。
また、移動手段が車であっても、事業所によって社用車を使用しているところもあれば、自分の車で訪問するところもあるので、そこも見学の時に見ておきましょう。
④必要なスキル
訪問看護に必要なスキルは次のようなものがあります。
- コミュニケーション能力
- 観察力
- アセスメント能力
- 判断力
- 体力
- 接遇マナー
- 看護スキル
訪問看護に必要なスキルの中でも、利用者さんやご家族との良好な関係を作れるコミュニケーションはとても大事であり、医師やケアマネジャーなどの他職種との連携も訪問看護では必須となります。
他職種との連携を円滑におこなうためにも、訪問看護においてコミュニケーション能力は重要なスキルといえます。
訪問看護に必要なスキルが自分に備わっているのか、見学しながら確認しておくといいかもしれません。
また、訪問看護に必要な看護スキルについては、下の表を見ても分かるように病院と比べると医療行為はそんなに多くはありません。
訪問看護に必要なスキルについては、下の関連記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
⑤記録方法
訪問看護の記録は、紙媒体に記入し記録する方法とスマートフォンやiPad、パソコンを使用して電子記録する方法があります。
記録方法も事業所によって違いますが、現在は電子記録する事業所が多くなっています。
電子記録はとても簡単に記録できるように工夫されていますので、そこまで苦手意識を持つ必要はないと思います。
見学の際にどんな記録方法をしているのか見ておくとよいでしょう。
スマートフォンの場合、事業所でスマートフォンを貸し出しているところもあれば、記録ソフトをインストールして自分のスマートフォンを使用するところもあります。
自分のスマートフォンを使用する場合、気軽に使えるメリットはありますが、外ではWi-Fiが使えないところが多いためギガ数が足らずプランを見直さないといけなくなる可能性もあります。
自分のスマートフォンは使いたくないという方は、見学の時に記録する媒体は何を使っているのか見ておくとよいと思います。
⑥昼休憩の取り方
訪問看護の昼休憩は、事業所に戻ってきて取る場合と移動の合間に外で取る場合があります。
昼休憩の時間は大体1時間取る事業所が多いと思いますが、休憩時間がきちんと確保できているのかは見学の際に見ておきましょう。
事業所の中には、訪問件数が多いがために昼休憩をきちんと取れずに訪問しているところもありますので、見学で確認しておくことが大事です。
⑦事業所の規模
訪問看護の事業所は、小規模から大規模までたくさんあります。
訪問看護の小規模、大規模のメリット・デメリットは次のようなものがあります。
小規模
- アットホームな雰囲気で働ける
- 個人の意見が通りやすい
- マネジメントにも携わることができる
- オンコールの回数が多くなる
- 急な休みが取りにくい
- ワークライフバランスが崩れやすい
大規模
- オンコールの回数が少なくなる
- 休日取得の融通が利く
- 経営が安定
- 個人の意見が通りにくい
- 人が増えると人間関係のトラブルも増える
- オンコールの対象人数が多くなる
訪問看護は小規模の事業所がまだまだ多いですが、下図を見て分かるように看護師が5人以上の事業所も増えてきています。
小規模にも大規模にもそれぞれメリット・デメリットがありますので、自分が働きやすい規模がどれくらいなのかを考えながら見学しましょう。
引用)中医協R3.10.27
⑧事業所の雰囲気
事業所の雰囲気は、見学の際に感じることができると思います。
スタッフ同士の会話の内容や楽しそうな雰囲気というのは、実際に事業所の見学で見てみないと分からないものです。
スタッフの文句や愚痴が多い事業所というのは働きにくい環境だと言えますので、見学の際には事業所の雰囲気もしっかり見ておきましょう。
また、事業所内の掃除や整理整頓ができているかを見学の際に見ておくのもポイントです。
物が煩雑に散らばっている事業所は、掃除する時間もないほど忙しい可能性があります。
まとめ
今回は、訪問看護の見学で見ておくとよいポイントを8つ紹介しました。
ポイントの8つとは、1日の訪問件数、対象の利用者さん、移動手段、必要なスキル、記録方法、休憩の取り方、事業所の規模、事業所の雰囲気でした。
訪問看護に興味はあるけれど、何となく在宅は不安でなかなか踏み出せないという看護師は多いでしょう。
実際の訪問看護の現場を見学してみることで、一歩踏み出せるよい機会になると思います。
訪問看護の事業所では、ホームページから気軽に見学の申し込みができるところもありますので、気になる事業所があればぜひ見学してみることをおすすめします!