訪問看護の運営における就業規則とは?

あなたは自身が労働者として勤めていた際に、就業規則」の内容を十分に理解していたでしょうか?

経営者になると、会社のルールとなる就業規則の内容は把握している必要があります。

訪問看護事業が初めての経営者としての経験となる方も少なくないと思います。

今回は、訪問看護の運営における就業規則について解説します。

ぜひ参考にしてください!

 

 

この記事でわかること

 

  • 就業規則とは?
  • 就業規則に記載する事項
  • 絶対的必要記載事項とは
  • 相対的必要記載事項とは
  • 就業規則の作成義務とは?
  • 就業規則を変更するには?
  • 就業規則変更の流れ

 

 

 

就業規則とは?

就業規則とは、労働者の賃金や労働時間などの労働条件に関すること、職場内の規律などについて定めた職場における規則集です。

職場でのルールを定め、労働者と事業主の双方がそれを守ることで労働者が安心して働くことができます。

また、就業規則を下回る労働条件を定める労働契約は無効となり、就業規則で定めた水準まで引き上げられます。

就業規則は、労働者と事業主との無用のトラブルを防ぐことができるため、適切な内容で作成しておくことが重要です。

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就業規則に記載する事項

就業規則に記載する内容には、必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、当該事業場で定めをする場合に記載しなければならない事項 (相対的必要記載事項)があります。

 

絶対的必要記載事項とは?

 

就業規則に必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項は以下の通りです。

 

  • 始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
  • 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払時期並びに昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

 

相対的必要記載事項とは?

 

就業規則に当該事業場で定めをする場合に記載しなければならない相対的必要記載事項は以下の通りです。

 

  • 退職手当に関する事項
  • 臨時の賃金(賞与)、最低賃金に関する事項
  • 食費、作業用品などの負担に関する事項
  • 安全衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰、制裁に関する事項
  • その他全労働者に適応される事項

 

就業規則の作成義務とは?

 

就業規則は、すべての企業に作成義務があるわけではありません

労働基準法第89条では、常時従業員を10人以上使用する企業に対して、就業規則の作成が義務付けられています。

もし、作成義務のある企業が就業規則を作成しない場合、30万円以下の罰金が科せられます。

 

労働基準法第89条で定められる内容

常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成する

作成した就業規則を行政官庁に届け出なければならない

 

行政官庁とは、所轄の労働基準監督署を指します。

就業規則の作成を行った際は、労働基準監督署へ届け出る必要があります。

就業規則の変更を行った場合にも労働基準監督署への届出が義務付けられています。

また、雇用する労働者の中に正社員と非正規社員(パート職員)のように、異なる労働条件で就労する職員がいる場合、それぞれ労働条件の違いを反映させた就業規則の作成が必要となります。

 

厚生労働省のホームページにも、テンプレートが作成されていますので参考にしてください。

厚生労働省「モデル就業規則規定例

 

就業規則を変更するには?

労働関連の法令が改正された時や、経営状況が変わった時には就業規則を変更することがあります。

就業規則の改定に伴って、労働者に対して一方的に不利益となる労働条件の変更を行うことは原則として出来ません

ただし、その変更の内容が合理的なものである場合には、変更が認められることがあります。

就業規則の変更は、労働契約法10条に規定される条件を満たす必要があります。

 

 

  • 変更後の就業規則を労働者に周知させる
  • 就業規則の変更が合理的なものである

 

※合理性の判断は、以下のようなものが考慮されます。

  • 従業員の受ける不利益の程度
  • 労働組合などとの交渉の状況
  • 変更内容の相当性
  • そのほかの事情

 

 

就業規則変更の流れ

 

就業規則の変更は、以下のような流れで行います。

 

 

  1. 就業規則の変更案の作成
  2. 就業規則変更届の作成
  3. 労働者の意見書の作成
  4. 労働基準監督署へ提出
  5. 労働者への周知

 

 

労働基準監督署には、①就業規則変更届、②労働者の意見書、③変更後の就業規則を提出します。

書式については東京労働局ホームページからダウンロードすることが出来ます。

 

まとめ

 

今回は、訪問看護の運営における就業規則について解説しました。

就業規則は、事業主と労働者の間で何らかのトラブルが起きたときに、速やかに対処するために欠かせないものです。

社労士や弁護士のサポートを受けて就業規則を作成することが多いと思いますが、事業主も内容を十分に理解しておきましょう。

 

参考
  • 「厚生労働省リーフレット:就業規則を作成しましょう」

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-4.pdf

  • 「厚生労働省:労働契約法のあらまし」

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/leaf.pdf

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ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ