2021年度介護報酬改定の訪問看護の具体的対応案が発表【介護給付費分科会R2.12.9】

Ns上妻

令和2年12月9日に第196回介護給付費分科会があり、令和3年度介護報酬改定について検討されました。

今回は、訪問看護の具体的対応(案)についてまとめました。

 

2021年度介護報酬改定の訪問看護の具体的対応案

Ns上妻

訪問看護では8つの項目についての改定案が出ています。

 

認知症に係る取組の情報公表の推進

介護サービス事業者の認知症対応力の向上と利用者の介護サービスの選択に資する観点から、全ての介護サービス事業者を対象に、研修の受講状況等、認知症に係る事業者の取組状況について、介護サービス情報公表制度において公表することを求めることとする。

 

POINT

訪問看護に限らず全ての介護サービス事業者に義務付けられている介護サービス情報公表制度において、認知症に係る取組の情報公表(研修の受講状況等)が求められるようになります。

 

退院当日の訪問看護

利用者のニーズに対応し在宅での療養環境を早期に整える観点から、退院・退所当日の訪問看護について、現行の特別管理加算の対象に該当する者に加えて、診療報酬上の取扱いと同様に、主治の医師が必要と認める場合は算定を可能とする

 

POINT

現行では、下記記事のように介護保険における訪問看護では、特別管理加算の対象者のみ退院・退所当日の訪問看護が認められていました。

しかし、主治の医師が必要と認める場合は算定を可能としてはどうか?ということが検討されています。

 

看護体制強化加算の見直し

訪問看護の看護体制強化加算について、医療ニーズのある要介護者等の在宅療養を支える環境を整える観点や訪問看護の機能強化を図る観点から、以下の見直しを行う。

ア:利用者の実態等も踏まえて、「特別管理加算を算定した割合30%以上」の要件を、「20%以上」に見直す。この際、当該要件緩和や、介護予防訪問看護についてはターミナルケア加算の要件が含まれていないことを踏まえて、訪問看護の看護体制強化加算(I)及び(II)並びに介護予防訪問看護の看護体制強化加算の評価の見直しを行う

イ:サービスの継続性に配慮しつつ、指定(介護予防)訪問看護の提供に当たる従業員に占める看護職員の割合を6割以上とする要件を新たに設ける。その際、2年の経過措置期間を設けることとする。

 

POINT
現行の看護体制強化加算を算定できる要件が下記のように変更することを検討されています。

・要件である特別管理加算を算定した割合を「30%以上」→「20%以上」
・介護予防訪問看護を含めた要件の見直し
・看護師の割合を6割以上

 

特例居宅介護サービス費による地域の実情に応じたサービス提供の確保

中山間地域等において、地域の実情に応じた柔軟なサービス提供をより可能とする観点から、令和2年の地方分権改革に関する提案募集における提案(訪問看護ステーションごとに置くべき看護師等の員数を「従うべき基準」から「参酌すべき基準」とする)も踏まえ、特例居宅介護サービス費等の対象地域と特別地域加算の対象地域について、自治体からの申請を踏まえて、それぞれについて分けて指定を行う等の対応を行う

 

サービス提供体制強化加算の見直し

サービス提供体制強化加算について、サービスの質の向上や職員のキャリアアップを一層推進する観点から、財政中立を念頭に、以下の見直しを行う。

訪問看護及び訪問リハビリテーションについて、現行の勤続年数要件の区分に加えて、より長い勤続年数で設定した要件による新たな区分を設ける。

 

POINT

現行のサービス提供体制強化加算の算定要件の一つに「勤続年数3年以上の職員を30%以上配置」というものがあります。

より長い「◯年以上で◯単位加算」などの新たな区分が設けられると思います。

 

 

テクノロジーの活用によるサービスの質の向上や業務効率化の推進

介護事業者によるテクノロジーの活用によるサービスの質の向上、業務効率化及び職員の負担軽減の取組を評価する観点から、以下の見直しを行う。

 

イ:サービス提供体制強化加算について、新たに設ける区分の算定に当たり、施設系サービス及び居住系サービスに一つ以上の実施を求めるサービスの質の向上につながる取組の事項の一つにテクノロジーの活用を盛り込む。(※(1)3再掲)

 

POINT

サービス提供体制強化加算の新たな区分に、テクノロジーの活用という条件も加わることが検討されています。

 

訪問看護の機能強化

訪問看護の機能強化を図る観点から、理学療法士等によるサービス提供の状況や他の介護サービス等との役割分担も踏まえて、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が行う訪問看護及び介護予防訪問看護について、評価や提供回数等の見直しを行う

 

POINT
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が行う訪問看護と介護予防訪問看護の評価や提供回数の見直しが検討されています。

 

サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供の確保

サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供を確保する観点から、以下の対応を行う。

ア:訪問系サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護を除く)、通所系サービス(地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護を除く)及び福祉用具貸与について、事業所と同一の建物に居住する利用者に対してサービス提供を行う場合には、当該建物に居住する利用者以外に対してもサービス提供を行うよう努めることとする。また、事業所を市町村等が指定する際に、例えば、当該事業所の利用者のうち一定割合以上を当該事業所に併設する集合住宅以外の利用者とするよう努める、あるいはしなければならない等の条件を付することは差し支えないことを明確化する。

イ:同一のサービス付き高齢者向け住宅等に居住する者のケアプランについて、区分支給限度基準額の利用割合が高い者が多い場合に、併設事業所の特定を行いつつ、当該ケアプランを作成する居宅介護支援事業者を事業所単位で抽出するなどの点検・検証を行うとともに、サービス付き高齢者向け住宅等における家賃の確認や利用者のケアプランの確認を行うことなどを通じて、介護保険サービスが入居者の自立支援等につながっているかの観点も考慮しながら、指導監督権限を持つ自治体による更なる指導の徹底を図る。居宅介護支援事業所を事業所単位で抽出するなどの点検・検証については、効率的な点検・検証の仕組みの周知期間の確保等のため、10 月から施行する。

 

POINT

訪問看護に限らず、事業所と同じ建物に居住する利用者等に偏ったサービス提供している事業所には指導が入るようになりそうです。

 

Ns上妻

今回紹介させていただいたのは令和2年12月9日時点の令和3年度介護報酬改定の案です。

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