訪問看護ステーションは、自由度が高く様々な働き方が可能です。
そのうちの一つが、直行直帰という働き方です。
今回は、直行直帰によるメリット、デメリットを詳しく解説していきます。
職員の働き方を考える経営者、管理者の皆様にはぜひ読んでいただきたい内容です。
また、現在勤務しているステーションの働き方が、自身の生活に合っていないと悩む訪問看護師さんや病院にお勤めの看護師さんも、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
- 訪問看護の直行直帰が可能な理由
- 訪問看護の直行直帰のメリット、デメリット
- 訪問看護の直行直帰の勤務時間
目次
訪問看護の仕事が直行直帰でも可能な理由
訪問看護では、自転車や車を使って利用者さんの居住に訪問します。
サービスの提供に必要な物品準備が整っていて、予定した時間に到着することができれば訪問業務に支障はありません。
電子カルテを導入していてタブレットやPCを貸与していれば、情報収集も自宅で行うことができ、より直行直帰での勤務がしやすいです。
また、訪問看護は看護師やセラピストが訪問に行き、看護やリハビリを提供することで事業としての収益が出ます。
そのため、事務所へ出勤し、朝礼や終礼で職員を集めても、事業所として利益が出るわけではありません。
- 準備ができていれば自宅から出発でも事業所から出発でも訪問業務はできる
- 朝礼や終礼を行わなくても事業所としての収益は変わらない
私の勤める事業所でも実際に直行直帰を行っており、自宅から利用者さん宅へ向かって業務を開始し、最後のご利用者さんの訪問が終わればそのまま帰宅します。
直行直帰での訪問看護では、メリットも大きいですがデメリットもあります。
訪問看護の直行直帰でのメリット
プライベートの時間を長く持てる
直行直帰の勤務で一番感じたのは、プライベートの時間を長く持てるようになったことです。
朝礼や終礼を行う以前の勤務体制と比較し、家のことに使える時間が増えました。
子育て中の忙しい朝に、余裕を持って過ごせるのは嬉しいですよね。
また、業務後も事務所に戻らず直帰しますが、最後の訪問を自宅方面に設定しているのでとても助かっています。
プライベートの時間が充実すると、次の日の仕事にもリフレッシュして臨めます。
感染リスクを最小限にできる
平成29年の厚生労働省の調査では、訪問看護は5人以下の看護師で運営している事業所がほとんどです。
そのため、感染症による出勤停止は事業所にとって大ダメージとなります。
新型コロナウィルスの蔓延により、感染予防のために直行直帰での勤務を始めた事業所も多くあります。
令和5年5月8日より新型コロナウィルスは5類感染症に位置付けられました。
しかし、他の感染症を含め感染リスクは続いており、事業所内での感染拡大は予防していく必要があります。
直行直帰での勤務では、職員同士での接触が少なくできるのでコロナウィルスだけでなく、その他感染症についても職員間の感染予防ができます。
ガソリン代の節約になる
これは車移動の場合ですが、事業所への移動がない分、ガソリン代の節約にもなっています。
自宅近くの訪問から開始するルートが組めると、より経費削減になることが多いです。
車を使用する事業所であれば、ガソリン代も大きな経費となります。
給油する頻度が減ることは、職員にとってもタイムロスにならず効率的と言えます。
訪問看護の直行直帰でのデメリット
看護の方向性を相談しにくい
直行直帰を行っていると、他の職員との顔を合わせてのコミュニケーションは減ります。
そのため、利用者さんに提供する看護の方向性について話し合う機会が減ってしまうこともあります。
電話やメールで相談することはできますが、遠慮して自分から発信しないでいると問題が埋もれてしまうことも考えられます。
対策として、昼休みには事務所に戻って短時間でもカンファレンスをする、オンラインでカンファレンスをする時間を設けるなど、利用者さんへの介入の進捗状況について管理者や職員間で情報共有できる機会を持つことをお勧めします。
個人によっては不安やストレスを溜めてしまう可能性がある
職員同士のコミュニケーションはストレスを発散したり、チーム力を高めることにもつながっています。
直行直帰をしていると、職員同士で顔を合わせることが減り、日々の些細なコミュニケーションをとることはとても少なくなりました。
他の人と顔を合わせないことでストレスが軽減することもあれば、人によっては不安に思うことが蓄積してストレスになってしまうこともあり得ます。
直行直帰を行う場合には、管理者は特に職員の様子をまめに気にかけていく必要があります。
物品の補充を忘れると大変
直行直帰の勤務を始めてから、訪問バッグの物品補充を十分に行うよう気をつけています。
ステーションに戻った際に補充する物品をメモしておくなど、定期的な自己管理や早め早めの行動が必要です。
また、利用者さんに配布する書類についてもステーションに戻った際に確認するように心がけています。
訪問看護の直行直帰は勤務時間に含まれる?
訪問看護の直行直帰を行う場合、利用者さん宅へ向かう時間や利用者さん宅から帰宅する時間は勤務時間に含まれるのでしょうか?
訪問看護の直行直帰は、職員の自宅から利用者さん宅への移動になります。
使用者の指揮がない移動を行い利用者さん宅へ直行する場合には、訪問看護サービスを提供する時刻を労働開始時刻となるため労働時間にはなりません。
また、訪問終了後に職員が自宅へ帰宅する際にも、その移動中が使用者の指揮のないものである場合には訪問終了とともに退勤となり直帰での移動は労働時間に含まれません。
ただし、利用者さん宅へ直行する際や直帰する際に使用者の指揮により業務を行う必要がある状況であれば労働時間と見なされます。
直行直帰をする際には、その移動中が使用者により拘束された時間であるか否かがポイントになります。
直行直帰を導入しようと考えている経営者さんや管理者さんは、労務管理を行い労働基準法に基づいた社内での取り決めをしてください。
まとめ
今回は、訪問看護の直行直帰での働き方について解説しました。
訪問看護の直行直帰でのメリット、デメリットは以下の通りです。
- プライベートの時間を長く持てる
- 感染リスクを最小限にできる
- ガソリン代の節約になる
- 看護の方向性を相談しにくい
- 個人によっては不安やストレスを溜めてしまう可能性がある
- 物品の補充を忘れると大変
直行直帰には良し悪しがあり、訪問看護業務に慣れている看護師さんにとってはとても効率的な働き方だと思います。
しかし、訪問看護の経験の浅い看護師さんは、顔を合わせて色々な不安を相談したいと考えているかもしれません。
どの職員にとっても安心して働くことのできる環境を整え、ステーションに合った仕組みを作っていってくださいね!
訪問看護ステーションは、自由度が高く様々な働き方が可能です。
そのうちの一つが、直行直帰という働き方です。
今回は、直行直帰によるメリット、デメリットを詳しく解説していきます。
職員の働き方を考える経営者、管理者の皆様にはぜひ読んでいただきたい内容です。
また、現在勤務しているステーションの働き方が、自身の生活に合っていないと悩む訪問看護師さんや病院にお勤めの看護師さんも、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
訪問看護の仕事が直行直帰でも可能な理由
訪問看護では、自転車や車を使って利用者さんの居住に訪問します。
サービスの提供に必要な物品準備が整っていて、予定した時間に到着することができれば訪問業務に支障はありません。
電子カルテを導入していてタブレットやPCを貸与していれば、情報収集も自宅で行うことができ、より直行直帰での勤務がしやすいです。
また、訪問看護は看護師やセラピストが訪問に行き、看護やリハビリを提供することで事業としての収益が出ます。
そのため、事務所へ出勤し、朝礼や終礼で職員を集めても、事業所として利益が出るわけではありません。
- 準備ができていれば自宅から出発でも事業所から出発でも訪問業務はできる
- 朝礼や終礼を行わなくても事業所としての収益は変わらない
私の勤める事業所でも実際に直行直帰を行っており、自宅から利用者さん宅へ向かって業務を開始し、最後のご利用者さんの訪問が終わればそのまま帰宅します。
直行直帰での訪問看護では、メリットも大きいですがデメリットもあります。
訪問看護の直行直帰でのメリット
プライベートの時間を長く持てる
直行直帰の勤務で一番感じたのは、プライベートの時間を長く持てるようになったことです。
朝礼や終礼を行う以前の勤務体制と比較し、家のことに使える時間が増えました。
子育て中の忙しい朝に、余裕を持って過ごせるのは嬉しいですよね。
また、業務後も事務所に戻らず直帰しますが、最後の訪問を自宅方面に設定しているのでとても助かっています。
プライベートの時間が充実すると、次の日の仕事にもリフレッシュして臨めます。
感染リスクを最小限にできる
平成29年の厚生労働省の調査では、訪問看護は5人以下の看護師で運営している事業所がほとんどです。
そのため、感染症による出勤停止は事業所にとって大ダメージとなります。
コロナウィルスの蔓延により、感染予防のために直行直帰での勤務を始めた事業所も多くあります。
直行直帰での勤務では、職員同士での接触が少なくできるのでコロナウィルスだけでなく、その他感染症についても職員間の感染予防ができます。
ガソリン代の節約になる
これは車移動の場合ですが、事業所への移動がない分、ガソリン代の節約にもなっています。
自宅近くの訪問から開始するルートが組めると、より経費削減になりますね。
訪問看護の直行直帰でのデメリット
看護の方向性を相談しにくい
直行直帰を行っていると、他の職員との顔を合わせてのコミュニケーションは減ります。
そのため、利用者さんに提供する看護の方向性について話し合う機会が減ってしまうこともあります。
電話やメールで相談することはできますが、遠慮して自分から発信しないでいると問題が埋もれてしまうことも考えられます。
対策として、昼休みには事務所に戻って短時間でもカンファレンスをする、オンラインでカンファレンスをする時間を設けるなど、利用者さんへの介入の進捗状況について管理者や職員間で情報共有できる機会を持つことをお勧めします。
個人によっては不安やストレスを溜めてしまう可能性がある
職員同士のコミュニケーションはストレスを発散したり、チーム力を高めることにもつながっています。
直行直帰をしていると、職員同士で顔を合わせることが減り、日々の些細なコミュニケーションをとることはとても少なくなりました。
他の人と顔を合わせないことでストレスが軽減することもあれば、人によっては不安に思うことが蓄積してストレスになってしまうこともあり得ます。
直行直帰を行う場合には、管理者は特に職員の様子をまめに気にかけていく必要があります。
物品の補充を忘れると大変
直行直帰の勤務を始めてから、訪問バッグの物品補充を十分に行うよう気をつけています。
ステーションに戻った際に補充する物品をメモしておくなど、定期的な自己管理や早め早めの行動が必要です。
また、利用者さんに配布する書類についてもステーションに戻った際に確認するように心がけています。
まとめ
今回は、訪問看護の直行直帰での働き方について解説しました。
直行直帰には良し悪しがあり、訪問看護業務に慣れている看護師さんにとってはとても効率的な働き方だと思います。
しかし、訪問看護の経験の浅い看護師さんは、顔を合わせて色々な不安を相談したいと考えているかもしれません。
どの職員にとっても安心して働くことのできる環境を整え、ステーションに合った仕組みを作っていってくださいね!