【訪問看護のオンコール対応】判断基準について解説します!

 

新人訪問看護師

訪問看護師です。今度オンコールデビューします。初めてですごく緊張するのですが、いちばんの不安は電話が来た時の判断です。ちゃんとできるかな…。

 

このような不安を解決する記事です。

訪問看護でオンコールを担当するときはとても緊張しますよね。

かかってきた電話に対し、自分ひとりで判断し対応するわけなので、緊張するのは当然だと思います。

電話が来たときに「このように判断する」という基準が少しでもあると安心ですよね。

当記事では訪問看護におけるオンコール対応時の判断基準を解説します。

最後まで読めば、オンコール時の判断基準のパターンのひとつを自分の中に持つことができます。

オンコールの不安を少しでも減らすために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ではさっそく解説します。

 

訪問看護のオンコール対応における判断基準

 

訪問看護のオンコール対応は、各々の利用者さんが抱える疾患や状況が誠に千差万別であるため、それぞれのケースに応じて個別的な判断が求められます

とは言え、訪問看護におけるオンコール対応で、まず判断しなければならないのは以下の3つと言えます。

 

オンコール対応でまず判断すること
  • 電話での対応で終了してよいか
  • 臨時訪問するか
  • すぐに救急要請するか

 

今回はこれらについて具体的に解説します。

 

電話での対応で終了する場合

電話での対応で終了する場合は、主に以下のようなときがあります。

 

  • 電話口で問題が解決したとき
  • 介護者が自身で対応できるとき
  • 臨時訪問は最低限にしたい希望があるとき

 

  • 「電話口での対応でその後も安全に過ごせそうか」
  • 「利用者さんやご家族の不安は解消(軽減)されたか」

 

上記がクリアできれば、電話での対応で終了して問題ないと言えます。

 

電話口で問題が解決する具体例

癌性疼痛が強いと相談の電話が来て、痛みの程度や鎮痛剤の使用状況を聞き、まずは鎮痛剤を使用してみましょうと話した。

 

介護者が自分で対応される具体例

膀胱留置カテーテル挿入中の方が尿もれしていると相談があり、カテーテルが屈曲していないか確認してもらったところ屈曲があったため、介護者に解除してもらった。

 

臨時訪問は最低限にしたい利用者さんの具体例
  • 介護保険の限度額に余裕がないケース
  • 介護にかかる費用をなるべく抑えたい希望があるケース

 

どのような場合も、電話口で対応したあとフォローをしっかり行うことが大切です。

 

  • 電話対応の最後に「状況がよくならなかったり悪化した場合はまたすぐに連絡ください」とお伝えする
  • 翌朝フォローの電話をしてみる
  • 医師と情報共有する(治療方針や指示薬変更の場合がある)
  • ケアマネジャーと情報共有する(サービス内容や介護度の見直し等を相談することもある)
  • 担当看護師と情報共有し、今後の看護につなげる

 

オンコール当番としての仕事は、電話口での対応のみで終わるわけではありません。

その後のフォローや、担当看護師につなげること等も忘れず行っていきましょう。

 

臨時訪問する場合

臨時訪問をする場合は、主に以下のようなときがあります。

 

  • 直接現場で判断した方が安心安全なとき
  • 直接現場での対応が必要なとき
  • 利用者さんやご家族が訪問を希望されるとき

 

  • 「電話口での対応では安全と言い切れない」
  • 「不安があり臨時訪問を希望されている」

 

上記がポイントとなります。

 

直接現場で判断した方が安心安全な場合の具体例

「転倒してしまった」と相談があり、ベッドには戻れたが体動にて腰のあたりが痛いようだと。動けないわけではないが…とのことで、骨折の有無や対応方法を直接現場で判断したほうがよいと思われ臨時訪問。

 

直接現場での対応が必要な場合の具体例

膀胱留置カテーテル挿入中の方で「尿がバッグ内に出てきていない」と相談があり、カテーテルの屈曲はなさそうで閉塞が疑われ、対応が必要と判断し臨時訪問。

 

利用者さんやご家族が訪問を希望される場合の具体例

退院して間もない利用者さんご家族から「苦しそうにしている」と相談があり、指示薬はあるがご家族の不安も強く、一度様子を見に行こうと判断し臨時訪問。

 

実際のオンコールではさまざまな状況がありますが、電話口での対応では安全と言い切れない場合や、不安があり臨時訪問を希望されている場合は臨時訪問し、直接見て関わって、しっかり判断・対応したほうがよいと言えます。

 

すぐに救急要請する場合

すぐに救急要請が必要な場合は、主に以下のようなときです。

 

  • 意識や呼吸がない、または急激な悪化が見られる
  • 急な麻痺の出現等があり、脳卒中が疑われる

 

上記のようなすぐに医療機関での検査や処置が必要と思われる場合は、ご家族に救急要請を依頼します。

がん終末期の方でご自宅でお看取りの希望がある方は、上記のような状態変化があってもまずは主治医に連絡します。

しかし、そうではない急な状態変化の場合は救急要請が望ましいでしょう。

利用者さんの主治医(訪問看護指示書を発行している医師)は外来医師のこともあれば、訪問診療医のこともあります。

訪問診療が入っている場合、まず相談するのは訪問診療医となりますが、万が一急な状態変化があった際には救急要請すべきか確認しておくとスムーズなこともあります。

 

 

訪問看護のオンコールにおける具体的マニュアル

 

訪問看護のオンコールでは、判断基準の他にもさまざまな不安があると思います。

 

新人訪問看護師
  • 電話がきたときまずはどんなことを確認すべき?
  • 訪問したことのない利用者さんからも電話ってあるよね…
  • 自分だけで判断できなかったとき、どうしよう…
  • オンコールの日はみんなどんな感じで過ごしているの?

 

オンコール当番をする際はたくさんの不安があると思いますが、それらに対し「よし大丈夫!」と思える準備をしておくことは非常に重要です。

上記のような不安は、以下の記事でも解決できると思いますので、ぜひ下記の記事も読んでみてくださいね。

 

 

しっかり準備して落ち着いてオンコールに臨めば大丈夫!

 

訪問看護のオンコールは誰もが緊張するものだと思います。

最初の頃はなおさらです。

しかし、できる準備をして臨めば不安は必ず和らぎます

困っている利用者さんの力にきっとなれます。

ビジケアマガジンの記事をぜひ参考にしていただき、落ち着いてオンコール対応に臨めるよう準備してみてくださいね!

 

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シュガー看護師/ライター
看護師|総合病院で9年勤務後訪問看護の道へ。訪問看護師歴は11年目。2児の母でもあり現在は訪問看護パート勤務で仕事も家庭も奮闘している。隙間時間を活用し訪問看護転職を応援する「ママさん訪問看護師のブログ」を運営中。最近ハマっている食べ物はそば。