このような疑問を解決する記事です。
訪問看護に興味があっても臨床経験が少ない(またはない)ために、務まるかどうか不安に思う方は多くいらっしゃいます。
結論から言うと、訪問看護師になるのに必ずしも臨床経験が必要ということはありません。
ただ、ある程度臨床経験があった方が良いことも事実です。
当記事では以下のことを解説します。
- 訪問看護師に臨床経験が必須ではない理由
- 必須ではないが臨床経験があった方が良い理由
- 臨床経験が少ない(またはない)方へのアドバイス
臨床経験が少ない方や、新卒で訪問看護師を目指している方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
訪問看護師になるのに臨床経験は必須ではない
当記事の結論は、「訪問看護師になるのに臨床経験は必須ではない」です。
その主な理由は以下の3つです。
- 病棟看護と在宅看護では特徴が違うから
- 働きながら学んでいけるから
- 経験より訪問看護をやりたいという思いが大切だから
順番に解説します。
病棟看護と在宅看護では特徴が違うから
多くの場合、臨床経験と言うと病棟での経験が多いかと思います。
病棟での経験が訪問看護において活かされることはもちろんたくさんあります。
しかし、病棟看護は「治療」が中心になるのに対し、在宅看護は「生活」が中心になるという特徴があります。
病棟経験があったとしても、在宅看護を行う上での知識や看護展開は一から学んでいく必要があり、利用者さんの個別性に合わせて柔軟に対応していく力も必要となります。
また訪問看護では、病棟と比べると接遇やコミュニケーション能力といったこともより求められる傾向があり、これらについても努力していく必要があります。
臨床経験があってもなくても、「在宅」という現場での経験を積んでいく必要があるため、臨床経験は必須ではありません。
働きながら学んでいけるから
臨床経験が浅くても働きながら学んでいけば良いということも臨床経験が必須ではない理由のひとつです。
2023年現在、全国には約14,000ヶ所もの訪問看護ステーションがありますが、その中には教育体制をしっかり整え、新卒看護師を積極的に採用している訪問看護ステーションも存在します。
そのような訪問看護ステーションでは、新卒でも、臨床経験が浅くても、訪問看護に必要な知識や技術をしっかり学んでいくことができます。
このような訪問看護ステーションでは、臨床経験は必須ではないと言えます。
経験より訪問看護をやりたいという思いが大切だから
臨床経験よりも「訪問看護がやりたい!」という強い思いが大切ということも理由のひとつです。
さまざまな臨床経験は訪問看護の現場においても強い武器となります。
しかし、「訪問看護がやりたい!」という動機の部分が浅いと、困難にぶつかった時に挫折しやすく、訪問看護の道を離れてしまう方も中にはいらっしゃいます。
在宅の分野は病棟とはまた違う分野なので、合わないと感じる方もいるのが現実です。
「訪問看護をやってみたい!」という強い思いを持っている方の場合は、困難にぶつかったとしてもくじけず踏ん張り、踏ん張った先にある大きなやりがいにたどり着くことができる印象があります。
「なぜ自分は訪問看護師になりたいと思ったのか?」
訪問看護師を志した思いは、経験に勝るとも劣らない強いパワーになると思います。
訪問看護師に臨床経験があった方が良い理由3選
繰り返しますが、訪問看護師になるのに臨床経験は必須ではありません。
とは言え、臨床経験があった方が良い面も少なからずあります。
訪問看護師になるに当たり、臨床経験があると良い理由は以下の3つです。
- 経験した医療・看護技術は在宅でも活かせるから
- 即戦力になりやすいから
- 自信が持てるから
順番に解説します。
経験した医療・看護技術は在宅でも活かせるから
臨床で経験した医療・看護技術は在宅でも活かせます。
訪問看護で実施することのある主な医療・看護技術としては以下があります。
- バイタルサイン測定、アセスメント
- 排泄ケア(摘便、排便コントロール)
- 清潔ケア
- 導尿
- 膀胱留置カテーテル管理・交換
- ストマケア
- 吸引
- 点滴
- 中心静脈輸液管理
- 人工呼吸器管理
- 酸素管理
- 胃ろう管理
- 褥瘡処置
- 服薬管理
- リハビリテーション
- 医師との連携
ひとつでも多くの医療・看護技術経験がある方が、現場での戸惑いが少なくスムーズにケアを実施することができるでしょう。
即戦力になりやすいから
経験がある分、即戦力になりやすいということもあります。
新卒や臨床経験が浅い場合は、責任持ってケア(訪問)が行えるまで、先輩と一緒に同行訪問をすることが多いです。
臨床経験がある場合は同行訪問の期間が短く済むことがあり、その意味では即戦力にもなり得ます。
自信が持てるから
ある程度臨床を経験していたほうが、看護師として自信を持って訪問できることも考えられます。
もちろん、どんなに臨床経験がある看護師でも最初の訪問は緊張します。
しかし、臨床で経験してきたことは看護師としての自信に繋がっていることも多いです。
訪問看護は看護師ひとりでの訪問となるため、ひとりでその場での判断や対応をしなければならないプレッシャーを少なからず感じることがあります。
臨床経験があれば、これまでの経験が自信となり、落ち着いて冷静に訪問できる要素となるかもしれません。
臨床経験がない(浅い)場合はサポート体制がある訪問看護ステーションで働こう
訪問看護師として働く中で、臨床経験があったほうが自信を持って業務に当たれることはあります。
しかし、どんなに臨床経験を積んだ看護師でも在宅では新たに出会う疾患や技術が必ずあり、それぞれの利用者さんが必要としている関わりも型にはまるものばかりではありません。
何より大切なのは、利用者さんの看護に責任を持つために、わからないことはしっかり勉強し、利用者さんにとって必要な看護を考え抜く力です。
- わからないことはその都度調べる
- 訪問看護師に必要な知識をコツコツ勉強する
- 外部研修に参加する
- 他者の意見を聞きながら最善を考える
- 他職種と協働する
このようなことが大切であり、この大切な姿勢を持つ方は素晴らしい訪問看護師になれるでしょう。
サポート体制がしっかり整っており、新卒看護師や臨床経験の浅い看護師を積極的に採用している訪問看護ステーションをぜひ探してみましょう。
正しく、良い経験をしながら着実に成長していけるはずです。
興味のある方は「訪看みっけ」も合わせてのぞいてみてください。
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