訪問看護(リハビリ)における家族指導内容5パターン紹介します

リハビリの対象者はもちろん利用者本人になりますね。

しかし、利用者さんが一人で自宅での生活ができず、家族に支えられている方も多くいます。

家族の介護力があっての在宅生活になるため、訪問看護では家族との関わりが重要になります。

今回は、訪問看護のリハビリが行う家族に向けた指導内容を紹介したいと思います。

 

そもそもリハビリの仕事内容は?

リハビリってどんな仕事なの?

リハビリは病気やケガをした利用者さんに対して、できるだけ元の生活に近づけるようにしていきます。

リハビリの一般的なイメージを下記に示します。

 

  • 関節運動や筋力強化などの機能訓練
  • 起居動作などの日常生活動作練習
  • 歩行訓練
  • バランス練習 

 

上記以外にもこれらの内容もリハビリの仕事に含まれます。

 

  • 福祉道具の選定
  • サービスの提案
  • 復職支援
  • 自主トレーニング指導…などなど

 

これらの内容は病院、在宅問わず行われることです。

そして、説明する場面も多いため、相手に理解してもらえるようなスキルも必要です。

 

訪問看護リハビリにおける家族指導内容おすすめ5つ

訪問看護リハビリでは利用者さんを介護している家族が「腰が痛い」「着替えさせるのが大変」などの声もよく聞きます。

少しでも家族の負担が減るような家族指導もとても重要な仕事となってきます。

今回、ベッド上生活の方に対しておすすめ、また必要な家族指導5パターンを以下に示します。

 

  1. 背臥位から側臥位介助
  2. 頭側移動介助
  3. 褥瘡管理
  4. ポジショニング
  5. 腰痛対策

 

①背臥位からの側臥位介助

ベッドでの寝たきりレベルの方の更衣介助やオムツ交換など様々な場面で側臥位方向への介助をすることは多いですよね。

あまり自分の力を使わずにスムーズに背臥位から側臥位への介助をする方法があります。

 

背臥位から側臥位への介助方法
  1. 下肢を曲げて、膝を立てる状態を作ります
  2. 下肢を寝返る方向に倒します
  3. 寝返る方向と反対の手は胸などの体に乗せます
  4. 頚部は寝返る方向に向いてもらうようにします
  5. 肩甲骨と骨盤を持って寝返る方向へ側臥位に誘導し、介助します

 

下肢の重みを利用し、体の捻じれを利用した介助方法です。

大きな体格の介助にも、そんなに力がいらずできるため、とても行いやすいと思います。

 

頭側移動介助

よくオムツ交換後やギャッジアップをした後、利用者さんがベッドの下のほうへ移動してしまっていることがありますよね。

体格の大きな方をベッド頭側に移動させるのは医療者側も大変なことがあります。

そこでおすすめの頭側への移動介助方法をお伝えします。

 

頭側への移動介助方法
  1. 側臥位からスタート
  2. 側臥位の上側(天井側)の肩(肩甲骨)、腰(骨盤)を頭側に動かす
  3. 反対方向へ寝返り、反対の側臥位になる
  4. 同じように肩、腰を頭側に動かす
  5. 目的の位置に行くまで①~④を繰り返す

※側臥位は半側臥位でも構いません

 

摩擦がないため、仙骨など背部の褥瘡悪化予防にもつながります。

寝返る動作を繰り返すため、めまいが起こりやすい利用者さんには注意してください。

スライドシート代わりにゴミ袋を活用した方法もベッド上の移動に有効ですよ。

 

褥瘡管理

 

ベッドでの寝たきりの人に多く、よく自宅で褥瘡ができてしまうことがあります。

病院であれば専門的な知識を持った看護師さんや介護力もあるため、予防することができます。

在宅生活ではどうしたら褥瘡ができるかなど専門的な知識を持たない家族がケアを実施するためにどうしても発生しやすくなる環境だと思います。

そこで褥瘡発生予防や悪化予防の3つポイントを伝えます。

 

①体位変換

褥瘡発生要因の一つに持続的な圧迫があります。

当然医療者であれば知っていることですが、家族が知らないことは珍しくありません。

通常2時間以上同じ姿勢を取らないよう、体位変換をするように指導しましょう。

先ほど紹介した「①背臥位からの側臥位介助」も使えますよ。

 

②身体を引きずる

褥瘡は持続的な圧迫で発生しますが、ずれ力でも生じてしまいます。

特に皮膚が弱ったところにずれ力が加わるとどんどん褥瘡が悪化してしまいます。

重度の介助で体位変換などの場面で引きずってしまうことも珍しくないため、引きずらないよう配慮することを指導しましょう。

 

③背抜き、しわ

褥瘡は衣服やシーツのしわなどでも悪化します。

更衣後や体位変換後などはしわができやすいため、しっかりとしわを直しましょう。

またギャッジアップ後など、背中や足などベッドと体が触れている所へ一度手を入れて背抜きを行うことも伝えていきましょう。

 

これらのポイントに加えて日頃の皮膚観察が重要になります。

看護師さんと連携し、リハビリ職も褥瘡管理に対しての意識していきましょう。

 

④ポジショニング

ポジショニングの目的としては以下のような目的があります。

 

  • 褥瘡などの除圧
  • 安楽

 

安楽姿勢をとり、適切なポジショニングを行うことで、過度の筋緊張を抑えることができます。

過度の筋緊張を抑制できれば、関節拘縮予防になります。

また終末期の利用者さんなど安楽姿勢は疼痛軽減にもつながります。

これらのことをしっかりと家族に伝えていきましょう。

ポジショニングは基本的に肩甲帯と骨盤が平行になるよう、体の捻じれを作らないようにします。

また隙間を埋めるようにタオルやクッションを利用して、身体を支えるようにセットしていきます。

ポジショニング方法が分かりにくい場合は、ポジショニングした形の写真など紙面を利用した指導も分かりやすいでしょう。

最近はスマホを持っている方も多い為、家族に写真を撮ってもらうことも有効です。

 

⑤腰痛対策

毎日介助をしていると腰への負担がかかってきますよね。

どうしたら腰痛が起こりやすいか、起こりにくいかなど伝えていくことも重要です。

今回は腰痛対策3つのポイントを説明していきます。

 

①中腰姿勢をさける

ついやってしまう姿勢ですよね。

楽に行えますが、腰への負担は大きくなります。

昇降式のベッドがあれば中腰にならないよう、高くして介助を行うように指導します。

ベッド操作を結構面倒くさがる方も多いと思いますが、毎日行うため重要性を伝えていくようにしましょう。

足を大きく広げて、下肢を曲げて自分の重心を低くする、介助姿勢もポイントです。

 

②体を密着させる

重い物を持つときは体から離して持つと腰に負担がかかりますね。

介助もいっしょで移乗などする際は、必ず相手と体を密着させるように近づくことを伝えていきましょう。

 

③利用者さんの力を利用する

介助する際、無理に自分の力を入れる方を見たことありませんか。

特に力自慢の男性の方に多い印象です。

声掛けをして、できるところは力を本人にしてもらうような指導をしていきましょう。

 

もちろん、リハビリ職の方は自己管理も忘れずに。

予防としてストレッチや体幹運動などもおすすめですよ。

 

まとめ

今回は、訪問看護のリハビリが行う家族に向けた指導内容を紹介しました。

家族指導は自分で行うより、とても難しいですね。

家族にちゃんと伝わり、いい介助につながることが伝われば、本当に感謝されます。

今回は家族指導として紹介しましたが、介助方法や腰痛対策は看護師さんにも伝えてあげるといいと思います。

この記事を読んだ看護師さんも是非試してみてください。

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ABOUT US
稲葉 長彦理学療法士
石川県在住/PT/介護士として8年経験し、PTを目指し夜間学校に通い資格取得。千葉県の総合病院病棟で2年、診療所にて7年(整形外科外来)を経験。現在は訪問看護ステーションに勤務し、田舎での地域医療に貢献出来るよう 訪問でのリハビリを勉強中。