訪問看護における栄養管理について3つ紹介します

利用者さんの栄養管理はできていますか?
病院とはちがって在宅では栄養サポートについて、家族やケアマネジャーから質問を受けることもありますよね。
いまさら聞けない訪問看護における栄養管理について解説します。

 

訪問看護における栄養管理の実際

栄養管理で「体重」は最も信頼できる情報、測定値に嘘はありません。

そのため、体重を測かってその値、短期・長期的変化、理想体重に対する割合など多方面から評価し、栄養状態の判断に用います。

 

栄養管理での「体重」の使い方

1 必要エネルギーを計算する

必要エネルギー=体重kgあたり30kcal

実測体重や理想体重(身長[m] × 身長[m] × 22で算出)をめやすに計算します。

必要エネルギーで重要なのはその後の評価で適切か見極めることにありますのでざっくりでかまいません。

 

2  体重変化率をみる

栄養評価においての体重は、変化率(一定期間でどれだけ増減したのか)を評価します。

体重変化率は「(通常体重[kg]-現体重[kg])/通常体重(kg)×100」で計算します。

体重変化率
①1週間で2%以上
②1カ月で5%以上
③3か月で7.5%以上
④6か月で10%以上の場合
栄養障害の可能性があると判断し、栄養管理を見直す必要があります。

 

3 体重評価で注意が必要な場合

「体内の水分量が変化すると、体重も増減する」ということがあります。

水分量の変化は体重変化に直結しますから、水分の増減を伴う疾患や症状、体重増減をもたらす薬剤(利尿剤や下剤、抗生物質・副腎皮質ホルモンなど)使用時などには、注意が必要です。

また低栄養やその他、心不全や腎不全の増悪時には、体液の貯留が心臓や肺だけでなく体全体に及びます。

このような時も注意が必要です。

 

4 寝たきりのため体重測定ができない場合

「測定できる体重計がない」という理由で体重評価をしない理由にはなりません。

上腕やふくらはぎの周囲長、上腕背部や肩甲骨下部の皮下脂肪厚、膝高から推測できる式を用いて計算しましょう。

Grantの式を用いると、寝たきりであっても体重評価は必須です。

 

参考書籍:「ナースのためにナースが書いた ココが知りたい栄養ケア 単行本」– 2016/2/19
矢吹 浩子 (編集), 山中 英治(P2参照)

 

5 必要水分量の計算

体重kgあたり30mlから40ml/日の水分量

体液量は年齢によって違うのですが、高齢者は加齢による機能低下や利尿剤などの影響で脱水・溢水を起こしやすいので必要水分量を観察する必要があります。

脱水は見逃さず、必要水分量が摂取できるようにする工夫が必要です。

 

6 必要たんぱく質量の計算

必要たんぱく量は 体重kgあたりたんぱく1gで計算します。

血清中のたんぱく量(濃度)は低栄養状態を反映します。

血清アルブミン値で栄養障害を評価します。

血清アルブミン値で栄養障害を評価
①3.0から3.5g/dL は軽度
②2.5から3.0 g/dLは中等度
③2.5 g/dL未満は高度
栄養障害と診断されます。

たんぱく質は身体を構成する主成分です。たんぱく質が不足すると腹水や浮腫につながり、栄養失調で死に至ることにもなります。

有効活用できる最大限のたんぱくを摂取できるように配慮する必要があります。

経口栄養剤(処方薬)などをおすすめしたりします。

体重測定の目的を常に念頭におきましょう。

 

栄養スクーリングについて

栄養スクーリングツールの推奨対象には以下のものがあります。

 

SGA 主観的包括的評価(subjective global assessment;SGA) : 小児を除く全般

MUST:成人で入院・療養所・外来の全般で使用

NRS-2002:入院患者(高齢者は注意)

MNA:65歳以上の高齢者

 

在宅ではSGAまたはMNAツールを用いて定期的に評価することもおすすめします。

 

 

高齢者の特徴を捉えて介入

老化のスピードには個人差があります。

また高齢者の特徴として、データーだけを見て慢性腎不全の制限をされてしまう場合もあり、塩分やたんぱく質、リンやカリウム制限が食べれるものがなくなってしまうことにもなりかねません。

高齢者でもっとも注意しておきたい脱水は、水分摂取量の減少と水分喪失量の増加が同時におこると進行が速くなるといわれています。

高齢者は喉の渇きを感じにくく、頻尿に対する恐れから水分補給を控えることがあります。

また、寒がりから暖房を使用することも多く、下痢や嘔吐など病的に水分喪失量が増加しやすいと言えます。

高齢者の特徴を捉えて、個人差を考慮しながら、制限だけではない介入が必要になります。

そして高齢者の脱水の回避こそ全ての始まりといえると考えます。

 

サルコペニアの問題

サルコペニアは筋力低下が引き起こす諸問題があり、転倒が増えたり、食事摂取量の減少、血糖コントロールが悪くなったりします。

サルコペニアのリハビリは、消耗ばかりで筋力は一切つきません。

動かすだけ消耗し逆効果となることもあります。

これらのことをふまえて、サルコペニアの栄養管理は必要量だけでは不十分であり蓄積量を含めて栄養管理を行いながら、最大限のたんぱく質を摂取できるような援助が必要です。

また高齢者の口腔環境に注意し、オーラルフレイルも見逃さないようにします。

食べ続けるための重要なポイントと言えます。

 

まとめ

訪問看護における栄養管理について3つ紹介しました。

  • 体重測定が最も重要
  • 高齢者の特徴を捉えて介入
  • サルコペニアを理解して栄養管理していく

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後の業務に生かしていただけるとうれしいです。

今回は経腸栄養や静脈栄養以外の栄養管理についてのみを解説しました。

また機会があれば、経腸栄養や静脈栄養についての記事を作成したいと思っています。

ビジケア公式LINEに登録すると、訪問看護に関する最新情報(診療報酬や介護報酬改定を中心とした内容)が月に2回無料で配信されます。

最新セミナー情報やお得なご案内も配信していますので、よろしければ登録をお願いします。

友だち追加