外来リハビリと訪問看護のリハビリの違いを6つ紹介します

外来リハビリと訪問看護リハビリ、どちらも生活期に分類されます。

生活のメインは在宅になりますが、リハビリを行う場所は病院と自宅と違います。

リハビリをする場所が違う以外、異なることは他にもあります。

今回は、外来リハビリと訪問看護リハビリの違いをお伝えしたいと思います。

今、外来リハビリに携わっている方で訪問看護に興味がある方は是非参考にしてください。

 

何が違う?

訪問看護リハビリでも外来リハビリと同じように年齢の制限はなく、主治医が訪問を必要とされた方が対象となります。

基本的にリハビリをする内容は利用者さんや患者さんに合わせるために、場所の違いで大きく異なることはありません。

 

外来リハビリと訪問看護リハビリの6つの違い

訪問看護リハビリだからこうしなきゃいけないなどはありませんが、メリットやデメリットの違いがあります。

セラピスト側のメリット、デメリットを中心に違いを以下の6つピックアップしました。

 

外来・訪問でのリハビリの働く側での違い
  1. リハビリ時の緊急対応
  2. リハビリ環境
  3. 医療情報の確認
  4. リハビリ日時などスケジュール管理
  5. 移動方法
  6. 活動量

以上の6つについて、紹介していきたいと思います。

 

リハビリ時の急変時対応

外来リハビリと訪問看護リハビリの緊急時の違いは以下の2つです。

 

  • 病院では医師や看護師が近くにいる
  • 蘇生に必要な設備環境が在宅では少ない

 

外来など病院や診療所ではリハビリしているすぐ近くに医師やスタッフがいます。

医師や看護師が近いことで急変時の対応は心強いですね。

また、AEDやストレッチャーなど対応できる設備も整っているため安心感はさらに強いです。

在宅でも十分に急変は起こることが考えられます。

そのため、訪問看護リハビリは自宅で行っているために、外来に比べて急変時のデメリットが多いでしょう。

事業所でしっかりと急変時対応を話し合っておき、医療機関との連携を行うようにしましょう。

必ず一人で解決しようとせず、まずは家族でもいいので人を呼ぶ、連絡を取ることは忘れずに!

 

リハビリ環境

外来リハビリではベッドはもちろん、平行棒、エルゴメーター、重錘など様々な器具が揃っています。

また、様々な杖や歩行器もあるため、実際の導入に至るまでデモが行えます。

外来リハビリでは訪問看護リハビリよりも安全かつ、行いやすい環境になっています。

在宅では器具が少ないことはデメリットですが、生活場面の様子はどうでしょうか?

訪問看護リハビリでは実際生活している様子はすぐに確認できますね。

そのため、その場の環境で練習ができることが大きなメリットといえます。

また、外来リハビリは一人での来院が多くなり、家族情報が得られにくいことになりますが、訪問看護では自宅に伺うことが多いため、家族と会う機会が多くなります。

在宅のメリットとして、家族からの情報も得やすいことがありますね。

 

 

③医療情報の確認

訪問看護リハビリでは利用者さんの情報は退院前にカンファレンスや主治医意見書、サマリーなどで事前に情報を得ます。

病院で院内カルテから得る内容と比較して、医療情報に乏しいと感じることも多々あります。

外来リハビリは主治医からの情報も直接確認できることやカルテがあります。

カルテを見ることで以下の重要な医療情報が得られます。

 

  • 診察記事
  • 画像情報

 

病院などでは電子カルテが多く、上記の重要な医療情報も直接確認できます。

また、外来先によっては関連病院で入院しているときのカルテも見れるため、入院中の生活様子も確認しやすいこともあるでしょう。

訪問などの在宅では医療側の情報量は外来診療より少ない為、こういった医療情報が確認しにくいことがデメリットとなります。

事業所の看護師さんやケアマネなど周囲のスタッフと連携をとり、情報交換を心がけましょう。

 

④リハビリ日時などスケジュール管理

スケジュール管理に対しては、この2つが違うと感じています。

 

  • 外来リハビリと訪問看護リハビリのスケジュール調整の違い
  • 在宅ではキャンセル忘れが少ない

 

外来リハビリは患者さんとこちら側のお互いのスケジュール合わせて、通院時などに予約を取ります。

予約時間は施設によって違いもあるかもしれませんが、時間帯や曜日などバラバラになることが多いと思われます。

現在の予約患者さんから次の予約患者さんまでの時間がタイトになることも多いです。

訪問看護リハビリでは基本的には毎週月曜日9時~など、曜日や時間が決められています。

曜日や時間が定期的なため、キャンセルも訪問では連絡が取りやすい傾向と思われます。

外来リハビリでは日時や時間もバラバラになることが多く、患者さんも予約時間を忘れてしまいやすいため、連絡無くキャンセルすることも少なくありません。

訪問看護リハビリはこちらから向かうため、利用者さんが忘れてキャンセルになることは外来リハビリに比べて少なくなるでしょう。

訪問看護リハビリの場合は、交通状態なども含めた移動時間もしっかり計算してスケジュール管理を行いましょう。

 

⑤移動方法

外来リハビリと訪問看護リハビリとでは患者さん(利用者さん)・セラピストにとって、リハビリを実施するまでのお互いの移動方法が大きく違います。

今回はセラピストの移動を中心に以下に示します。

 

セラピスト移動

外来:リハビリ室で患者さんが来院するのを待つ。

訪問:利用者さん宅に行く

 

外来リハビリは患者さんが来院するため、セラピスト側は基本的にはリハビリ室で待つ形になります。

同じ空間にずっといるため、辛く感じることも正直あります。

訪問看護リハビリでは移動は車など外に一旦外出しての移動となります。

移動時間は一人になる機会が多く、一人時間が好きな方には気分転換になります。

天候が良いと、景色を見ながらリラックスもでき癒されます。

また、移動時間中に次の利用者さんのプログラムなど考えの整理の時間にも使えます。

こうした気分転換や整理時間ができることはメリットとなります。

反対に悪天候であればストレスは溜まりますよね。

特に冬場の雪国は別の危険が隣り合わせになり、よりストレスを感じるでしょう。

移動のために屋外に行くので、どうしても天候に気持ちが左右されることもありますね。

 

⑥活動量

患者さん、利用者さんは外来リハビリより訪問看護リハビリは移動が少ないです。

セラピスト側も当然、移動方法が違うために活動量の違いが出てきます。

活動量の違いから以下について注意して欲しいと思います。

 

  • 体重管理
  • 腰痛などの運動時痛

訪問看護の移動が自転車であれば、そう感じないかもしれませんが、地方での訪問看護の移動は車が多いと思います。

外来リハビリは患者さんを待つ形ではありますが、リハビリ室内で意外と動くことが多いです。

活動量が少ないと消費カロリーも少なくなくなるために、当然自身も太りやすくなります。

日々の活動は、何気に行っていることですが、大きな運動量の差につながってきます。

また、移動が車であれば運転も長くなり、同じ姿勢が長時間続くことがあります。

長時間の不活動から腰痛になることも多いですね。

このように、活動量の違いから体重管理や腰痛など運動不足のデメリットは大きく増えます。

セラピストは利用者さんなど他人のことはほとんどよく見えますが、自分の体になると見えていないことが多くあります。

訪問看護リハビリに携わることになれば、自分の健康管理も要注意です!

 

まとめ

患者さん、利用者さん側の違いやリハビリをするセラピスト側での違いがありますが、リハビリをするスタンス自体、変わりはありません。

外来リハビリと訪問看護では大きくリハビリ環境が違っても、リハビリ対象者の活動や生活範囲を広げるような目的も変わりありません。

訪問看護を考えているリハビリ職の方は是非参考にしてみて、一緒に訪問看護を盛り上げていきましょう!

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ABOUT US
稲葉 長彦理学療法士
石川県在住/PT/介護士として8年経験し、PTを目指し夜間学校に通い資格取得。千葉県の総合病院病棟で2年、診療所にて7年(整形外科外来)を経験。現在は訪問看護ステーションに勤務し、田舎での地域医療に貢献出来るよう 訪問でのリハビリを勉強中。