訪問看護は1人での訪問が基本です。特に訪問件数が多い方で、直行直帰をすると1日で誰も職員と会わないこともありえます。
そんななかでみなさんはどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?
ぜひおすすめしたいのが、zoomの導入です。
zoomの導入によるメリットがたくさんあるので、ご紹介いたします。
目次
訪問看護でzoomを利用する意義とは?
zoomの基本的な機能と利用するメリットと注意点を説明します。
そもそもzoomとは?
zoomとはオンライン会議システムです。スマートフォンならアプリをダウンロードしてアカウント作成をすることで使用ができます。パソコンでも利用することができます。
基本的な機能としては、ビデオ通話ができます。顔を出したくない時にはビデオオフ、声を出したくない時にはミュート(音声オフ機能)をすることができます。
さらに画面共有ができ、自分の画面に映っているものを共有することができます。写真やウェブサイト・作成したスライドなどを表示することができます。
会員には無料会員・有料会員があり、有料会員ならすべての機能が使えます。
無料会員ですと「1度の会議が40分までの利用制限がある」というところが大きい制約となります。
有料会員のメリットは、①会議の時間が無制限になる、②会議の内容を録画してクラウドに保存ができる、③投票機能が使える、④ブレイクアウトルーム(小グループに分かれての会議)ができるということです。
時折セールは行っていますが、有料会員だとそれなりの月額がします。けれども、会議の幅がだいぶ広がるため、各事業所の方針に合わせて導入を検討いただくといいと思います。
zoomを使うときの注意点とは?
これから導入を検討される方もいらっしゃるかと思います。
その中で注意することがあります。
1つ目は、通信環境を整える必要があるということです。電話と比べて画面での情報伝達となるため、より大きい通信量が必要となります。
モバイル通信ですとあっという間に通信制限になってしまった…ということにもなりかねません。
事務所にWi-Fiを設置するなど工夫する必要があります。
2つ目は、1つのアカウントに複数人が同時アクセスしないようにすることです。他の人がログインしているときに別の人がログインすると、先にログインした人が勝手にログアウトされてしまいます。
必ず1人1つアカウントを持ってアクセスしましょう。
また40分以上使う場合に、有料アカウントを持っている人がミーティングを作成すれば、そこに参加する人は無料アカウントでも大丈夫です。
3つ目は、同じ空間に複数人使用することによって、ハウリング(イベント会場などでよく起こる「キーン」や「ボーン」という音)が起きやすくなります。
もしそのような状況になる場合、全員がイヤホンをして、喋る人のみミュートを解除するようにすることで防ぐことができます。
なぜzoomがいいのか?
コミュニケーションはどのようにしてとるのが効果的なんでしょうか?
メラビアンの法則というものがあります。
関連資料
人が第一印象から得られるものは、視覚情報が55%・聴覚情報が38%・言語情報が7%であるといわれています。
よく、自分が他人からどう見られているのか、ということを説明するのに利用されている法則ですが、コミュニケーションにも応用することができます。
例えば、手紙やファックスでのコミュニケーションだと、”言語情報”のみなので伝えたいことの7%しか伝わらないということになります。
事業所間でのやりとりでよく用いられる電話は、”聴覚情報+言語情報”なので38+7=45%ということになります。電話でさえも、伝えたいことの半分も伝わらないということになります。
そこでおすすめするのがzoomです。zoomですとお互いの顔をみることができるので、喋っているひとの表情を見ることができます。
通信環境によってラグがあったり声のトーンが若干変わることもあるので完璧とはいえませんが、”視覚情報+聴覚情報+言語情報”なので100%に近くなると言っていいでしょう。
例えば職員間のやりとりなら、利用者に対してポジティブな思いでケアをしているのか・ネガティブな思いでケアをしているのか、表情から読みとることができます。電話だけでコミュニケーションをとるよりも、伝わるものが多いですよね。
また、画面越しに資料や写真を提示することもできるので、実際の状況をより鮮明に伝えることができます。
このようなメリットがあり、会議にzoomを取り入れている事業所も多くなりました。
zoomの活用方法をご紹介します!
では、具体的にどのようなシーンでzoomが使えるのか紹介していきます!
カンファレンス
特に事例検討で使うにはぴったりです。
利用者の状態をスライドにまとめて、それを表示しながら現時点での問題点をディスカッションできます。
そこに訪問で撮った写真を載せれば、具体的な解決方法もより明確になっていきます。
勉強会
作ったスライドを表示させながら、説明していくことができます。
有料会員でしたら録画をしておくことで、その時参加できなかった職員や参加していた職員で内容を見返したい方、さらにこれから入ってくる職員が録画をみることができます。
参加者全員の表情ややりとりも録画されているので、その時挙がった質問などもみることができます。
職員会議
同じステーションにたくさんの人数が集まることを懸念している事業所も多いかと思います。
そのときに、集まる職員を分散させるために、オンラインを活用する方法があります。
また、サテライトの職員も参加でき、「全国の職員が同時に社長の話を聞く」なんてことができます。
オンラインナースステーション
zoomは話し合うだけじゃない?!ただ繋げておくだけ?!そんな活用方法もあります。
部屋の端にzoomを起動させたパソコンを固定させておけば、職員が記録している様子をみて自分も記録がはかどるし、画面越しに申し送りをしたい職員が映ったら、呼び出せば来てくれるかも?!
病院のナースステーションみたいなことも、オンラインでできちゃいます!
懇親会
懇親会もオンラインでやってしまおう!
飲食店に固まってマスクなしで会話するのも、この職業だと控えたいところです。
また、パートで働いている職員は定時までには帰ってしまうこともあり、なかなか全員が揃って飲み会するのは難しい。
だからこそ、オンラインなら子守りをしながら、なんならお子さんがスタッフと交流も?!することができます。
食べるものも飲むものも各々好きなものを用意すればOK。
「懇親会だから会社の経費として飲食費を出したい」というなら、あらかじめ各家庭に配送したり、事業所に飲み物を注文しておいて帰宅するまえに各々持ち帰ってもらえば、オンラインでも同じものを食べることもできます。
案外オンライン懇親会のほうが自由にできちゃうかも?!
サービス担当者会議
令和3年4月の介護報酬改定により、オンラインを用いてのサービス担当者会議がひらけるようになりました。
参考文献)厚生労働省HP
実際はケアマネジャーでもメディアリテラシーを持っている人は多くなく活用はほとんどなく、狭い室内に密になって会議をやる様子がいまでもあります。
いずれ浸透してくれば、密の”オフ”での会議もなくなるかもしれません。
オンライン訪問
もはや訪問そのものもオンラインでやってしまおう?!
令和2年の退院時共同指導料の改定により、オンラインでの訪問看護も必要な場合にはOKとなりました。
もちろん、オンラインですと直接利用者さんの体に触れることができないため、フィジカルアセスメントができません。
なので、比較的安定している利用者さんで、訪問による感染症感染が気になる方には活用していけます。
事業所により、またケースバイケースで直接訪問したほうがいいこともあるため、しっかりとしたコミュニケーションが必須となってくるでしょう。
まとめ
このようにzoomを利用することで、活用の幅が広がっていきます。
zoomを利用するために、利用する人がある程度のメディアリテラシーが必要となりますが、そこを乗り越えれば、とても便利なツールだと言えます。
この機会に、導入してみるのはいかがでしょうか。