訪問看護に転職して良かったと感じた!〜理学療法士の立場で〜

 

PT松村

今回は訪問看護で理学療法士として働いていて良かったと感じた体験談をいくつかご紹介させて頂きます。

私は新卒で総合病院に入職し4年間勤務後、訪問看護ステーションに転職し、現在勤続4年目です。

病院と訪問看護で働いてみて、そこで感じたギャップや良かったことを中心に書いていますので、訪問看護に興味がある方や転職を考えられている方の参考になれば幸いです。

 

訪問看護で転職して良かったこと

 

僕は理学療法士として新卒から病院で4年間勤務後、訪問看護ステーションに転職しました。

病院と在宅という正反対といってもいいぐらいの現場で様々な経験をさせて頂きました。

その中で訪問看護で働いてみて感じた良かったことを中心に書かせて頂きます。(完全な主観的意見が含まれている場合があります。ご容赦下さい。)

 

①看護師さんと連携がとりやすい

 

訪問看護で働くようになって、まず良かったと感じたことは看護師さんと連携がとりやすいことです。

病院勤務時も看護師さんとはカンファレンスなど意見交換を行うことはありました。しかし、リハビリ室とナースステーションでそれぞれ違う場所にいたこともあり、顔を合わせるのが患者さんのリハビリ送迎時などで病棟に行った際、隙間時間にタイミングが合えば話すぐらいであまりゆっくり話す機会が取れていませんでした。(私は急性期の病院に勤務していたので看護師さんも患者さん対応に追われタイミングが合わせずらいこともありました。)

訪問看護で働くようになってからは看護師さんと利用者さんのことでゆっくりと話せる時間が増えたとすごく感じます。

理由の1つとしては事務所内で毎日のように顔を合わせる機会が増えたからだと思います。

同じ空間にいることが増えるため対面で話すことができ、申し送りなど情報交換がしやすくなりました。

訪問中も社用スマホがあるので訪問の合間などお互いにタイミングを調整し電話で話すことができます。(病院と比べると訪問の方が隙間時間などタイミングは合わせやすいように感じます。)

 

②視野が広がったこと

 

理学療法士の基本的な役割は身体機能や基本動作能力に対して評価や治療をすることです。病院でのリハビリテーションではほとんど身体機能や基本動作能力について注目し患者さんと関わらせて頂いていました。

しかし、訪問看護の現場では理学療法士の視点だけで利用者さんと関わることが不十分なことに段々と気付くようになりました。

なぜかというと、訪問現場では訪問者は私一人だからです。利用者様のご自宅という環境で、40〜60分という限られた時間の中で利用者様のその日の状態を把握するためには身体機能や基本動作能力の情報だけではリスク管理が全然できないと感じたからです。

じゃあどういう視点で利用者様の状態を診るようになったかというと、「ちゃんとご飯は食べられているか」「お薬は忘れずに飲まれているか」「便秘や下痢にならず排泄はできているか」

基本的なことかもしれませんが、入院や施設入所などをせず少しでも長く在宅で生活して頂くためにはこの基本的なことができていないと利用者様は状態が悪化してしまわれ在宅生活が難しくなるということを訪問をする中で何度か経験しました。

正直に言うと…栄養状態や内服状況、排泄状況などの情報は病院勤務の時はほとんど注目したことはありませんでした。(あの頃の自分にもっと視野を広げろ!と言いたい…)

それは看護師さんが把握しておくものと自分の中で勝手に役割分担を決めてしまっていたからです。訪問看護ではリハビリ職は以下のように位置付けが明記されています。

『理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の訪問について』

理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるという位置付けのものである

引用)指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について.P32

ということは、私たちリハビリ職は看護師さんの代わりに訪問し利用者さんにリハビリテーションを行なって頂いているということになります。だから看護師さんの視点も持った上で利用者さんと関わる必要があるということを訪問看護で働くようになってから意識するようになりました。

そのおかげで診る視点が広がり知識の幅も広がりました!この経験を通じてさらに訪問看護のおもしろさに気付き、自分を成長させてくれた体験になりました。

 

③コミュニケーション能力が身に付いたこと

 

訪問看護で働くようになってからは同僚や利用者さん以外の方々ともたくさん関わらせて頂く機会が増えました。

ケアマネジャー、ヘルパー、福祉用具専門相談員、ケアワーカー、利用者さんの担当医、別事業所の看護師…etc

様々な職種の方々と関わらせて頂くようになったことで話の聴き方や伝え方などコミュニケーションをとる方法を相手によって工夫する必要がありました。そうしたことを繰り返していくうちにコミュニケーション能力が身に付いていきました。

病院勤務の時はコミュニケーションをとっていたのはほとんどが病院内のスタッフでした。病院はどちらかというと閉鎖的な空間なので外に出て行って活動するということはほとんどありませんでした。コミュニケーションをとる相手もいわば身内のような感覚だったのでそこまで気を使わずともコミュニケーションはとりやすかったです。(話し方や聴き方を全く工夫しないということはありませんでしたが)

当然だとは思いますが利用者さんの生活をサポートするためには1人の専門職だけでは不可能です。特に地域や在宅での生活となればなおさらですよね。1人の利用者さんをサポートするためには多職種がチームを組んでサポートすることがいかに重要なことかを訪問看護を経験する中で痛感しました。

そのためには様々な職種の方々とコミュニケーションをとって連携を深める必要がありました。そうした体験を通じてコミュニケーション能力が鍛えられていきました。

 

PT松村

今回は私が病院勤務から訪問看護に転職して良かったと感じた体験談を書かせて頂きました!

他にもまだまだ良かったと感じたことはありますし、反対に大変だったなと感じたこともたくさんあります。そう思うと訪問看護は奥が深くやりがいがある仕事だなと思います。

ここまで読んで下さり有難うございました!訪問看護に興味がある、転職を考えているという方の参考になれば幸いです。

 

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ABOUT US
松村 佑貴理学療法士/ライター
理学療法士/総合病院で4年間勤務後、訪問看護ステーションに転職し現在勤務4年目/2年間エリアリーダーとして活動後、現在は仕事と育児の両立のため常勤スタッフとして勤務。/趣味は読書。Instagramで読んだ本の紹介してます!