予防訪問看護12月超減算とは?単位数と令和6年改定を解説【介護保険】

「予防訪問看護12月超減算」という名前を聞いたことはあっても、「令和6年度の改定でルールが変わったらしいけど、結局いくら引かれるのか分からない」という管理者の方は多いのではないでしょうか。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(以下、リハビリ職)による介護予防訪問看護を長く続けている利用者がいる事業所ほど、影響が大きいテーマです。

この記事では、介護保険における予防訪問看護12月超減算の基本的な仕組みと単位数を整理したうえで、令和6年度介護報酬改定で新設された「訪問回数超過等減算」との関係まで、現時点で分かっている範囲を整理して解説します。運営指導で必ず確認される起算日の考え方や、リセットされるケース・されないケースも取り上げます。

この記事でわかること
  • 予防訪問看護12月超減算(-5単位)の基本的な仕組みと単位数
  • 令和6年度改定で新設された「訪問回数超過等減算」(-8単位)との関係
  • 12月の起算日の考え方、リセットされるケース・されないケース
  • 運営指導で確認されるポイントとよくある疑問

予防訪問看護12月超減算とは?基本の仕組み

予防訪問看護12月超減算とは、訪問看護ステーションから介護予防訪問看護を行う場合、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による介護予防訪問看護が、開始日の属する月から起算して12月(当該事業所のサービスを利用した月を合計したもの)を超えて行われるときに減算されるというものです。令和3年度介護報酬改定で新設され、起算日が令和3年4月に統一されたため、実質的には令和4年4月から減算対象者が発生する仕組みになっています。

看護師 上妻
看護師 上妻

簡単に言うと、要支援の方への訪問看護Ⅰ5(リハビリ職による訪問)を1年以上続けると、料金が少し安くなるというルールです。ずっとリハビリ職だけが訪問し続けている利用者がいないか、一度確認してみてください。

予防訪問看護12月超減算の単位数

予防訪問看護12月超減算の単位数は、次の通りです。

訪問回数減算単位数
1回(20分)-5単位
2回(40分)-10単位
3回(60分)-15単位

1回(20分)あたり-5単位で、訪問回数分そのまま積み上がる仕組みです。まずはこの基本ルールを押さえたうえで、次に令和6年度改定で追加された新しい減算との関係を見ていきましょう。

令和6年度改定で新設された「訪問回数超過等減算」との関係

令和6年度介護報酬改定(令和6年6月1日施行)で、リハビリ職による訪問看護・介護予防訪問看護に対して「訪問回数超過等減算」(-8単位/回)という新しい減算が設けられました。これは12月超減算とは別の仕組みで、次のいずれかに該当する場合に適用されます。

  • 前年度における、当該事業所のリハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)による訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えていること
  • 上記に該当しなくても、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれも算定していないこと

逆にいえば、看護職員の訪問回数がリハビリ職以上で、かつ3つの加算のいずれかを算定していれば、この8単位減算の対象外になります。

介護予防訪問看護限定の追加15単位減算

介護予防訪問看護(要支援の方への訪問看護)に限り、上記の訪問回数超過等減算(-8単位)の対象になったうえで、さらにリハビリ職による訪問が12月を超えて提供されると、追加でさらに-15単位が減算されるとされています。整理すると、次のようなパターンになります。

状態減算の内容(目安)
看護職員の訪問回数≧リハビリ職/3加算のいずれか算定あり12月超のときのみ、従来通り -5単位(1回あたり)
看護職員の訪問回数<リハビリ職/または3加算いずれも未算定-8単位(訪問回数超過等減算)。さらに12月を超えていると追加で-15単位
POINT

従来の「12月超減算-5単位」自体が廃止されたわけではなく、3加算のいずれかを算定し看護職員の訪問比率を保てている事業所では、引き続き-5単位のみで済む可能性がある、という位置づけで理解しておくとよさそうです(この点も上記の確度中の注意点に含まれます)。

12月の起算日・リセットの考え方

運営指導でよく確認される、起算日とリセットの考え方を整理します。

  • 起算日は、当該サービスを利用開始した日が属する月。当該事業所のサービスを利用した月を合計したものが利用期間になる
  • 入院による中断があり、かつ医師の指示内容に変更がある場合は、新たに利用が開始されたものとする(起算リセット)
  • 同一の訪問看護ステーションで「要介護1〜5」の利用者が「要支援1・2」へ変更になった場合は、要支援認定の効力が生じた日以降で、リハビリ職による介護予防訪問看護の利用を開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとする(起算リセット)
  • 要支援1から要支援2への変更(またはその逆)の場合は、サービスの利用が継続されているものとみなす(起算リセットなし)
看護師 上妻
看護師 上妻

「要支援1⇔2の変更」と「要介護から要支援への変更」で扱いが違う点は間違えやすいポイントです。前者はリセットされず継続扱い、後者は要支援認定の効力発生日基準で新たに起算し直す、と覚えておきましょう。

運営指導で見られるポイント

運営指導(旧・実地指導)では、この減算の適用有無について必ずチェックされます。次の点を管理できているか確認しておきましょう。

  • 要支援者に対するリハビリ職の訪問が、いつから始まったか(起算日)を事業所ごとに記録・把握できているか
  • 看護職員とリハビリ職、それぞれの訪問回数を月ごとに集計できているか
  • 緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算の算定状況を把握できているか
  • 要介護⇔要支援の区分変更があった利用者について、起算日の考え方を正しく適用できているか
POINT

特にリハビリ職中心の訪問看護ステーションほど影響が大きい改定です。要支援者の訪問記録を月次で棚卸しし、12月超に近づいている利用者を早めにリストアップしておくと安心です。

予防訪問看護12月超減算のQ&A

12月以上継続した場合の減算起算の開始時点と、12月の計算方法を教えてください。

当該サービスを利用開始した日が属する月が起算開始時点です。12月の計算は、当該事業所のサービスを利用された月を合計したものを利用期間とします。

当該事業所でサービスを継続しているが、要介護認定から要支援認定へ変更となった場合、12月の起算はどう扱われますか?

要支援認定の効力が生じた日以降で、リハビリ職による当該サービスを利用開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとします。ただし、要支援の区分が変更された場合(要支援1から要支援2への変更、及び要支援2から要支援1への変更)は、サービスの利用が継続されているものとみなします。

要支援1から要支援2(またはその逆)に区分変更になった場合も、起算はリセットされますか?

リセットされません。要支援1⇔2の区分変更は「サービスの利用が継続されているもの」とみなされるため、変更前からの利用期間がそのまま引き継がれます。

令和6年度改定の「訪問回数超過等減算」(8単位)は、予防訪問看護12月超減算(5単位)に代わるものですか?

複数の専門メディアの解説によると、両者は別の減算として整理されており、従来の12月超減算(-5単位)自体が廃止されたわけではないとされています。看護職員の訪問比率や加算の算定状況によって、どちらの減算(または両方)が適用されるかが変わる仕組みのようです。ただし、本記事作成時点で告示原文への直接照合はできていないため、実際の適用は必ず最新の一次情報でご確認ください。

緊急時訪問看護加算などの3加算を1つでも算定していれば、必ず減算を回避できますか?

複数の専門メディアの解説では、3加算(緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算)のいずれかを算定していても、看護職員の訪問回数がリハビリ職の訪問回数を下回っている場合は、訪問回数超過等減算(8単位)の対象になるとされています。加算の算定状況だけでなく、訪問回数の比率もあわせて確認する必要があります。

出典・参考(公的機関)

※ 令和6年度改定で新設された「訪問回数超過等減算」(8単位)・介護予防訪問看護限定の追加15単位減算については、複数の専門メディアの解説記事で内容が一致していることを確認していますが、本記事作成時点で厚生労働省の告示・Q&A原文そのものへの直接照合はできていません(PDFがテキスト抽出できない形式のため)。実際の算定判断は、必ず最新のサービスコード表・告示でご確認ください。

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そもそも訪問看護Ⅰ5(リハビリ職による訪問)の回数ルール自体を確認したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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まとめ|12月超減算は「起算日」と「訪問比率」の両方を管理する

予防訪問看護12月超減算は、リハビリ職による介護予防訪問看護が12月を超えて続くと1回あたり-5単位が減算される仕組みです。令和6年度改定では、これとは別に看護職員の訪問比率や加算の算定状況に応じた「訪問回数超過等減算」(-8単位)が新設されており、両方の観点から管理する必要があります。

この記事のまとめ
  • 予防訪問看護12月超減算は、リハビリ職による訪問が12月を超えると1回(20分)あたり-5単位
  • 令和6年度改定で「訪問回数超過等減算」(-8単位)が新設。看護職員の訪問比率や3加算の算定状況で適用有無が変わる(複数メディアで一致するが一次情報未照合・要最終確認)
  • 入院中断や要介護⇔要支援の区分変更で、起算日がリセットされる場合とされない場合がある
  • 運営指導では起算日の記録・訪問回数の集計・加算の算定状況がセットで確認される

要支援者へのリハビリ職訪問が長期化している利用者がいないか、この機会に棚卸ししておきましょう。

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