「みんなで決める」の落とし穴

皆さん、こんにちは!

リアクション公認心理士の岡本雅佳(まどか)です。

今回は集団浅慮と呼ばれる「みんなで決めるの落とし穴」について、お話したいと思います。

発生したトラブルや今後のこと、話し合って決定していくことは大切ですが、落とし穴が潜んでいます。

みんなで決めたから大丈夫!ではない、集団浅慮について学んでいきましょう。

集団浅慮って何?

集団浅慮とは、以下のように定義されています。

 

集団で意思決定をする場合において、個人の意思決定よりも非合理的な意思決定が容認されること

 

「集団思考」や「グループシンク」とも呼ばれています。

 

 

通常、集団で考えることによって、一人で考える時よりも優れたアイデアや結論が出ることが期待されます。

しかしながら、それが起こらないどころか「一人で考えた方がマシ!」のような状態が集団浅慮です。

集団浅慮が起きやすい条件として、4つ挙げられます。

 

  1. 集団凝集性が高い
  2. 外部情報が入らず、閉鎖的で孤立している
  3. 特定の人の権力が強い
  4. 高いストレス状況にある

 

簡単にご説明します。

 

集団凝集性が高い

集団としてのまとまりの良さです。

似た者同士がまとまっていると一見良さそうですが、集団浅慮のリスクとなります。

集団の輪を乱さないように、自分の意見を言いづらいといったことにつながっていきます。

 

外部情報が入らず、閉鎖的で孤立している

個人情報や周囲に公表しづらい話題を扱っている場合、特に起こりやすくなります。

また、自分がいる集団以外の情報を入れなくなる、すなわち「都合の悪いことは聞きたくない!」というような状況でも起こります。

 

特定の人の権力が強い

反対意見が言いづらい状態となります。

「とりあえず、あの人の言うことに従っておこう!」という状況です。

 

高いストレス状況にある

高いストレス状況に置かれていると、そのストレスから逃れることを最優先してしまいます。

 

次にスペースシャトル爆発事故についてお話していきます。

 

スペースシャトルの爆発事故

1986年1月28日、NASA(アメリカ航空宇宙局)が打ち上げたスペースシャトル・チャレンジャー号が、打ち上げから73秒後に空中分解してしまいました。

引用)Wikipedia

打ち上げ当日の天候、気温、部品の欠陥などを考慮した結果、打ち上げを延期するべきだとの意見が挙がっていました。

にもかかわらず、NASAは打ち上げを決行し、7名の宇宙飛行士が犠牲となりました。

事故後の調査で、打ち上げについての会議や意思決定の場において、今回のテーマである集団浅慮が起きていたことが明らかになりました。

 

では、この事例を集団浅慮が発生しやすい条件に照らし合わせて考えていきましょう。

 

爆発事故から集団浅慮を考察

①集団凝集性が高い

団結力・結束力が高いとも言えます。

一方で、多様性が低いとも言い換えることができます。

爆発事故では、打ち上げの決定を行う会議の場に現場の技術者や搭乗する宇宙飛行士は参加していませんでした。

経営に関わる上層部のみで話し合いがなされていました。

また、スペースシャトルの部品を納品する関係会社にも同様のことが起こっていました。

 

 

②外部情報が入らず、閉鎖的で孤立している

現場の技術者から「部品の不具合や当日の気温を考慮すると、打ち上げは大変危険であり、延期しましょう」という意見が出されていました。

しかし、その情報が関係者に共有されることなく、黙殺される結果となっていました。

現場からの情報を、意図的かつ無意識的に遮断してしまっていました。

 

 

③特定の人の権力が強い

現場の技術者から、「気温が氷点下では危険性が上がる」「12℃になるまで待つべきだ」との意見が挙がっていました。

それに対しNASAは、声を荒げて反対したといわれています。

その勢いに押されて、現場の技術者は何も言えなくなっていました。

また、スペースシャトルの部品を納品する関係会社も、顧客であるNASAに配慮して、打ち上げを推奨していたことも分かっています。

特定の人や組織に権力が集中していると、意思決定が誤っていたとしても誰も指摘できなくなる状態になってしまいます。

 

 

④高いストレス状況にある

当時のNASAは、チャレンジャー号の打ち上げが何度も延期され、スケジュールが大幅に遅れていることを気にしていました。

それが予算の縮小や打ち上げそのものの見直しにつながる可能性が高く、かなり高いストレス状況に置かれていたようです。

その結果、安全を含めた合理的な判断よりも、打ち上げ決行という成果を優先してしまいました。

 

 

集団浅慮は、一つだけの要因で発生するものではなく、条件が重なった時に発生してしまいます。

一つ一つは小さくても、重なってしまうと悲劇を生む可能性があります。

 

ここまで集団浅慮が起きやすい条件を、チャレンジャー号爆発事故に照らし合わせてご紹介しました。

 

まとめ

  1. 集団浅慮とは、集団で意思決定をする場合において、個人の意思決定よりも非合理的な意思決定が容認されること
  2. 集団浅慮が起こりやすい4つの条件がある
  3. 一つの要因だけでなく、条件が重なった時に発生する

 

以上、「みんなで決める落とし穴」についてのお話でした。

人命を扱う点では、私たちもNASAも共通点を持っています。

同じ轍を踏まないように、対策を考えていきましょう。

ありがとうございました。

ぜひ、動画の方もご覧ください。

 

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