訪問看護の仕事をしていて、日々感じることがあります。
それは、「訪問看護は、とてもやりがいのある仕事である!」ということです。
訪問看護の仕事は簡単なものではありませんが、利用者さんとの関わりから学びは深く看護師としてのスキルアップができる素晴らしい仕事です。
今回は、訪問看護の仕事でやりがいを感じた3つのエピソードをお伝えします。
訪問看護に興味のある看護師さんや、訪問看護への転職を考えている看護師さんには、ぜひ読んでいただきたい記事です。
目次
訪問看護でやりがいを感じることとは?
訪問看護は病院での看護と異なり、利用者さんのご自宅に看護師が伺って看護を提供するサービスです。
もちろん医師の指示のもとで看護を提供する点は病院と同じです。
しかし、病院との大きな違いは、在宅では利用者さんが「生活している」というところです。
治療は生活の中のほんの一部に過ぎず、時として優先順位は最上位と限らないのが在宅療養です。
訪問看護では、利用者さんが自宅で生きていくための生活、すなわち人生を支援する仕事とも言えます。
そして、訪問看護の仕事を長く続けるためには、利用者さんを支援することに「やりがい」を感じることが重要です。
では、利用者さんの生活を支える訪問看護のやりがいとは、具体的にどのようなものでしょうか。
訪問看護のやりがいは、以下の3つが挙げられます。
- 利用者さんの生活が看護の力で改善する
- 地域で頼られる存在になる
- 「家で死にたい」を叶えられる
この3つを具体的なエピソードとともに解説します。
利用者さんの生活が看護の力で改善する
訪問看護では、このエピソードのように訪問看護師が介入することで利用者さんの生活が目に見えて改善されることがあります。
在宅での症状のコントロールは、訪問看護師と主治医の連携がとても重要です。
訪問看護師として自身が観察し、主治医とともに生活の改善に向けた助言をすることで、いい結果が得られた時には「利用者さんの役に立てた!」と大変やりがいを感じます。
地域で頼られる存在になる
Bさんは慢性心不全で服薬治療を行っている男性です。
入退院を繰り返しており、ケアマネジャーの紹介で訪問看護師の介入が開始されました。
Bさんは無口な方で、自覚症状があっても我慢してしまう傾向がありました。
訪問看護師は定期的に自宅を訪れ、身体面の観察を行いながらBさんの希望する生活や病気への向き合い方、どんな人生を送ってきたのかを少しずつ聴取して行きました。
Bさんは「なるべく入院しないで自宅で静かに暮らしたい。」と話しました。
訪問開始から数ヶ月後、徐々に体重の増加が見られ、バイタルサインにも変化が現れました。
訪問看護師は主治医に報告し、予定より早く受診させていただけるようケアマネジャーと一緒に調整を図りました。
受診の結果、やはり心不全の悪化を認めましたが、今回は早期に受診ができたため入院には至らず服薬を調整しながら自宅療養となりました。
また、Bさんの生活状況から心不全症状の悪化をきたす傾向が見えてきたため、Bさんと相談して生活面の修正を看護計画に組み込み実践していくことにしました。
受診同行をしたケアマネジャーからは、「看護師さんのおかげで症状に早く気付くことが出来て、Bさんもとても喜んでいました。先生からも、看護師さんにこれからも宜しくって伝言をいただきましたよ!」とご連絡がありました。
訪問看護の仕事の一つは、医療者の視点で利用者さんの生活を支えることです。
訪問看護師の細やかな観察と気付きで、利用者さんの希望を叶えることにつながることもあります。
このエピソードのように、訪問看護師は利用者さんだけでなく地域のケアマネジャーや医師からも頼られる存在でもあります。
上記のようなお言葉をいただくと、訪問看護師としての役割を全う出来たことに大きな達成感を得ることが出来ます。
「家で死にたい」を叶えられる
Cさんはがん末期と診断を受け、緩和的治療を継続して自宅に退院された男性です。
Cさんの望みは「家で死にたい」というものでした。
しかし、妻は在宅での看取りに不安が強く、「最期まではむずかしいかも。」と話します。
訪問看護師は連日の訪問で、現状で必要な介護を妻とともに実施しました。
元々真面目な性格の妻は、訪問看護師の介護方法の説明を受け、数週間後には十分な介護技術を身につけていました。
Cさんの状態が変わり、介護量が増えることが予測された時に、改めて今後の療養場所について話し合いを行いました。
Cさんは訪問看護の介入開始時と変わらず「家で死にたい」と話しました。
隣で聞いていた妻も「看護師さんがついていてくださるなら、私も頑張りたい。夫の望みを一緒に叶えてほしい。」と言いました。
それから数日後、Cさんは望み通りに自分が暮らした家で、大切な家族に囲まれて亡くなりました。
ともにエンゼルケアを行いながら、妻は「これでよかった。看護師さんがいてくれたから、勇気が出たわ。」と涙を溜めながらも悔いのない笑顔で言いました。
厚生労働省の調査では、在宅での看取りが困難な理由として以下の2つが多く聞かれています。
- 介護してくれる家族に負担がかかる
- 症状が急変したときの対応に不安がある
このエピソードでは、この2つの困難を訪問看護の介入により解消できたと考えられます。
在宅での看取りの看護は、訪問看護のやりがいを強く感じさせるものです。
その方の人生の最期が、よりその方らしくあるために訪問看護師の関わりはとても重要です。
見送った家族が「これでよかった」と思える看取りができたときには、訪問看護師として一つ成長したように感じられます。
まとめ
今回は、訪問看護のやりがいについて解説しました。
訪問看護のやりがいは、以下の点で強く感じることができます。
- 利用者さんの生活が看護の力で改善する
- 地域で頼られる存在になる
- 「家で死にたい」を叶えられる
訪問看護の現場には、この3つのエピソード以外にも描き切れないほど、個性あふれるエピソードがたくさんあります。
利用者さんの数だけ人生があり、それぞれ大切にすることは異なります。
そんな個別性の高い看護を提供したいと考える看護師さんは、訪問看護の仕事にたくさいんのやりがいを感じられることでしょう。
訪問看護に興味を持たれた看護師さんは、ぜひ訪問看護の見学や体験に足を運んでみてください。
あなたが持つ看護の力を、たくさんの方がお待ちになっていますよ!
Aさんは、パーキンソン病を抱えて在宅生活を送る女性です。
症状の悪化に伴い、生活への支障が生じたため訪問看護が導入されることになりました。
訪問看護師がAさんの生活状況を確認し、服薬が継続できているかモニタリングします。
すると、服薬時間のばらつきや排便コントロールの不良があることがわかりました。
訪問看護師は定期的な服薬ができるよう内服薬の自己管理を支援し、処方された服薬を行った上での身体評価を行いました。
在宅で過ごす様子を主治医へ報告し、薬剤の調整も行われました。
また、排便コントロールと合わせて栄養指導やリハビリテーションを取り入れ生活リズムが整うよう介入しました。
その結果、Aさんは訪問看護師の介入前と比較してパーキンソン病の症状が安定しました。
そして、「体が動きやすくなったから、やりたいことをやれるようになったの。看護師さんに来てもらうようになって本当によかった!」とお話しくださいました。