訪問看護ステーションと病院の大きな違いの一つといえば、オンコールです。
「オンコールって、1回でいくらもらえるの?」
「オンコールの全国的な相場は?」
そんな疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、オンコール手当の相場についてご紹介いたします。
オンコール手当の相場を知りたい経営者の方や、自身の働く訪問看護ステーションでのオンコール手当と比較したい看護師の方、または今後訪問看護ステーションで働いてみたいとお考えの看護師の皆様、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
訪問看護のオンコール手当の相場は1000円〜3000円!
全国訪問看護協会研究事業による平成27年度の報告では、1回当たりのオンコール手当が1000円〜2000円未満と答えた事業所が34.2%と最も多いことがわかりました。
ついで多かったのは2000円〜3000円未満の事業所が31.0%、3000円〜4000円未満の事業所が10.1%という結果でした。
4000円以上と回答した事業所も、7.9%ありました。
この研究では、平日の営業時間外(17時〜翌9時)のオンコール手当を調査しています。
そのため、土日祝日など待機時間の長い非営業日の金額設定は、もう少し上乗せされていることが予測されます。
実際わたしの働く訪問看護ステーションでは、平日2000円、土日祝日4000円の待機料金と設定しており、全国的に見ると平均的な金額設定であることがわかります。
また、これは待機料金であり、待機中に緊急訪問が必要となった場合には別途手当が支給される事業所がほとんどです。
オンコールの待機を2人で行っている場合の手当は?
同研究の報告によると、1人でオンコール待機を行う事業所が4割であった一方、2人でオンコール待機をしていると答えた事業所は3割程度ありました。
では、2人目のオンコール待機者の手当はどのように設定している事業所が多いのでしょうか。
1000円未満と答えた事業所が25.0%、1000~2000円未満と答えた事業所が12.9%、2000~3000円未満と答えた事業所が6.4%との結果でした。
わたしは2人待機体制の事業所では働いたことはありませんが、利用者さんが多くなると緊急対応も増えるため、2人体制をとっておくと安心ではありますね。
オンコール手当の金額に開きがあるのはなぜ?
オンコール手当が1回1000円の事業所もあれば、4000円以上の事業所もあります。
このような金額の開きは、なぜあるのでしょうか?
オンコール手当の金額は、事業所の収益にも関係します。
高額に設定されている事業所は、その金額をスタッフに支払えるだけの収益があると考えられますので、利用者さんが多い大規模な事業所であるか、訪問看護以外にも事業を展開していることもあります。
利用者さんが多い場合には緊急での対応も比例して増えるので、平均より夜間の出動回数が多い可能性があります。その反面、利用者さんが多いということは働くスタッフも多いため、オンコールの当番回数は少なく設定されていることもあります。
緊急訪問で夜間に出動する可能性があっても高額の手当の方が働きがいがある、という方もいらっしゃるでしょう。
自分に合った職場を選ぶための材料として、オンコールの待機料金や実際の緊急訪問の回数などを面接時に確認してみましょう。
1ヶ月のオンコール手当はどの程度になる?
では、実際に1ヶ月のオンコール手当がどの程度もらえるのでしょうか。
わたしの働く訪問看護ステーションでは、1人あたり平日6回、土日祝日2回の計8回のオンコール待機を行っています。
先述したとおり、平日2000円、土日祝日4000円の待機料金を設定しています。
そのため、1ヶ月で平日2000円×6回、土日祝日4000円×2回で合計20000円の待機料金を手当としてもらっています。
これに緊急訪問での別途料金が追加されます。
病院での夜勤との手当の差は?
訪問看護のオンコール手当と、病院での夜勤手当を比較してみましょう。
日本看護協会の調べ(2011年)によると、二交代夜勤の場合、平均的な夜勤手当は11276円となっています。
訪問看護のオンコールの場合、利用者さんの状態にもよりますが緊急訪問がない夜の方が多いです。
9割以上の事業所がオンコールの際は自宅待機としていますので、ほとんどの待機時間を通常通り自宅で過ごせます。
夜もいつも通り休めることがほとんどですので、病院の夜勤とは全くの別物と考えていただいて大丈夫です。
わたしは病院勤務の時の夜勤と比べると、身体的にとても楽になりました。
ライフワークバランスを重視した働き方を選択したい場合にも、訪問看護での仕事を視野に入れてみてくださいね。
まとめ
今回は、訪問看護のオンコール手当の相場についてお伝えしました。
- オンコール手当の相場は1000円〜3000円である。
- オンコールは2人待機の場合もある。
- オンコール手当の他に、緊急出動時の別途手当が支給される。
- オンコール手当の金額設定は、利用者さんの数によって高額になることもある。
- 病院での夜勤と比較すると安価であるが、普段の生活をしながら待機ができる。
訪問看護では、利用者さんの安全と安心を確保するためにオンコールは重要な仕事です。
しかし、その内容は事業所によってさまざまです。
ぜひ自分に合った働き方を見つけ、訪問看護をよりいっそう楽しんでくださいね!