このような悩みを解決する記事です。
訪問看護師として利用者さんのお宅で仕事をしていると、クレームを受けることがあります。
- 訪問の予定時間に遅れる
- 訪問日や時間を急に変更する
- 声かけや言葉づかい、立ち振る舞いなどが不適切である
クレームは、上記のような対応によって受けることがほとんどです。
これらのクレームは、改善対応によって大きな問題につながることは、あまりありません。
しかし、対応次第では利用者さんや家族との関係が悪化してしまうこともあります。
そこで本記事では、訪問看護師が知っておきたいクレーム対応の手順やポイントについて解説します。
クレーム対応で疲弊し、落ち込んでしまっている訪問看護師はぜひ参考にしてください。
目次
クレームに落ち込む必要はない|3つの理由
前提として、クレームは落ち込まなくてもよいことを知っておきましょう。
主な理由は以下のとおりです。
- 完璧な人はいないから
- クレームは改善のきっかけになるから
- ただ文句を言いたい場合もあるから
心を落ち着けて大きく構えていれば大丈夫ですよ。
では、クレームに落ち込まなくてもよい理由を見ていきましょう。
完璧な人はいないから
完璧な人は世の中にいません。
人は誰でもミスをする可能性があります。
偉大な発明家や大企業の社長なども、多くのミスや失敗を重ねて成長しているのです。
ミスをすることは人間である証拠とも言えるでしょう。
したがって、ミスをしてクレームを受けたとしても、自分を過度に責めたり落ち込んだりしないようにしましょう。
クレームは改善のきっかけになるから
クレームは改善のきっかけになります。
遅刻に対するクレームを例にあげると、利用者さんはこれから時間どおりに訪問してほしいからクレームを言っているのです。
そのため遅刻に対するクレームをとおして、あなたは遅刻しないスケジュールの組み立てや移動方法などが身に付きます。
クレームはただの苦情ではなく、「改善してほしい」という願いが込められていることを理解しましょう。
ただ文句を言いたい場合もあるから
あなたが今できる100%の対応をしていて、周りの同僚から見てもなんら不備がないにもかかわらず、クレームを受けることはあります。
この場合、利用者さんはただ理不尽に文句を言いたいだけかもしれないため、誰が対応していてもクレームになる可能性があります。
自分には何の落ち度もないため、落ち込むこと自体が無駄なのです。
こういったケースは、先輩や上司に相談し、対応してもらうのもひとつですよ。
落ち込む前に!訪問看護師がすべきクレーム対応の手順とポイント
落ち込む必要がないことを知ったところで、実際にクレームを受けたときの対応のポイントを見ていきましょう。
クレーム対応の目的は、不満や怒りを感じている利用者さんや家族をなだめることではありません。
生じた問題と今後の希望を聴取し、解決に向けて取り組む姿勢を示すことが目的です。
クレーム対応の手順とポイントは、以下の4つです。
- 謝罪の言葉を述べる
- クレームにつながった事実の内容を確認する
- 解決策を提示する
- お詫びと感謝の気持ちを伝える
それぞれ見ていきましょう。
①謝罪の言葉を述べる
まずは謝罪の言葉を述べましょう。
謝罪の際のポイントは以下の2点です。
相手の聞き取りやすい声の大きさや高さ・スピードで話す
謝罪は何よりも先に行う大事な行動であるため、ぼそぼそと小声で話さないようにしましょう。
相手が怒っていたり自分が動揺していたりすると、萎縮してしまうのはわかります。
しかし、はっきり話さないと、相手に対して謝罪の気持ちが伝わりにくくなってしまいます。
声の大きさや高さ・スピードを意識し、誠意を示しましょう。
素直に非を認める
素直に非を認めましょう。
怒っているときの人間は、自分自身が正しいと強く考えています。
言い訳すると火に油を注ぐことになりかねません。
もしかしたら理不尽なことを言ってくるかもしれませんが、それでも言い訳はしないように注意しましょう。
②クレームにつながった事実の内容を確認する
続いて、クレームにつながった事実の内容を確認しましょう。
ポイントは2つです。
話の腰を折らずに最後まで聞く
話の腰を折らずに最後まで聞きましょう。
相手が話している最中にこちらが話してしまうと、より怒らせてしまう危険性があるからです。
言い分を洗いざらい話してもらい、落ちついてもらうことが重要です。
問題が複数あると想定して質問する
利用者さんが感じている問題は一つではない可能性もあります。
そのため、相手の言い分を聞く際には「他にも不快にさせてしまったことはありませんか?」のような聞き方をして、傾聴の姿勢を示しましょう。
複数の問題があった場合、耳にすることはつらいかもしれません。
しかし、一度のクレームでできるだけ多くの問題に対応しておいた方が、後々蒸し返される心配が減ります。
複数の問題を聞き出すことで相手も寛容になりやすいため、できるだけ多く聞き取るようにしましょう。
③解決策を提示する
解決策の提示には2つのポイントがあります。
それぞれ見ていきましょう。
具体的な対応策を提示する
具体的な対応策を伝えましょう。
「今後は〇〇しません」のような伝え方では、利用者さんは何をしてもらえるのかがわからず不安になってしまうからです。
これから行う具体的な行動を、相手に伝えることが重要です。
たとえば、急な日程変更に立腹されているときは、以下のように伝えてみましょう。
日程の変更をお願いする場合は、3日前までに連絡いたします。
万が一直前に都合が悪くなってしまった場合は、代わりの看護師が訪問させていただく形でもよろしいでしょうか?
このような伝え方から、具体的な行動を示すことが重要です。
相手の希望を伺う
今回のクレームにより、利用者さんから訪問看護に対する具体的な希望を聞き出せる可能性があります。
謙虚な姿勢で希望を伺ってみてください。
謙虚さは、親しみやすさや伸びしろがあると相手に感じさせる効果があります。
④お詫びと感謝の気持ちを伝える
最後に、お詫びと感謝の気持ちを伝えましょう。
ポイントは2つです。
相手の感情に対してお詫びする
精神的苦痛を与えたことに対してお詫びの言葉を伝えましょう。
たとえば、遅刻のクレームに対するお詫びは以下のとおりです。
大変申し訳ありませんでした。
ここでも、相手の言い分を理解している旨を伝えてください。
対話の機会をいただいたことに感謝する
感謝を伝えることは、解決に向けて取り組む姿勢を見せるためにも重要です。
クレームを入れてくれたこと、考え方や思いを共有してくれたこと、アドバイスをくれたことなどに対して、感謝の言葉を伝えてください。
まとめ
訪問看護師は、名指しでクレームを受けることもあります。
クレームを受けると落ち込んでしまうこともあるでしょう。
しかし、誰にでもミスはあるのです。
クレームをとおして、自身や事業所がより良いサービスを提供できるようになる可能性があります。
クレームはチャンスととらえ、前向きに対応していきましょう!
対応の手順やポイントを教えてください。