このような疑問にお答えする記事です。
訪問看護の業務のひとつである「オンコール」。
オンコールとは、訪問看護ステーションの営業時間外にかかってきた利用者さんやご家族からの電話に対応する業務のことですが、オンコールは訪問看護の業務において非常に重要なもののひとつです。
オンコール業務を行う看護師が、その役割をきちんと理解しておくことはとても大切です。
当記事では、「訪問看護のオンコールの役割とは?」について解説します。
- 訪問看護でこれからオンコール当番を行う方
- すでにオンコール当番を担っているが、改めてその役割を確認したい方
気になるあなたはぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
訪問看護のオンコールの役割とは?
訪問看護のオンコールは、訪問看護ステーションの営業時間外にかかってきた利用者さんやご家族からの相談の電話に対応する業務です。
- 電話対応で終わる場合
- 臨時訪問する場合
- すぐに救急要請する場合
それぞれの状況に応じて、上記のような対応を行います。
そのオンコールですが、役割を言語化すると以下と言えると思います。
利用者さんやご家族からのSOSに対応し、そのあとも続く生活(人生)においても最善の手立てをつなげていく役割
利用者さんやご家族からの緊急連絡は突発的にやってきます。
- 苦しい
- 痛い
- なんかおかしい
- 熱がある
- 転んでしまった
- 尿が出ない
- 便が出ない など
状況はさまざまありますが、まずはその状況に対して適切に対応することが求められます。
そのため、オンコールを担当する訪問看護師は、さまざまな状況を的確にアセスメントし、適切な対応を行える力が必要です。
そしてオンコールの役割は、その場の対応のみで終わるわけではありません。
オンコール対応のそのあとも、できる限り利用者さんの生活が希望に沿ってその方らしく、安全安楽に続いていくよう、最善の手立てを考えて対応していくことが大切です。
- まずは利用者さんのSOSに的確に対応し、安心・安全・安楽を届ける
- その後も続く生活のことまで考えながら対応する
訪問看護のオンコールには、このような役割があると考えられます。
オンコール対応をする利用者さんと結ぶ契約
訪問看護のオンコール対応を希望される利用者さんは、以下の契約を訪問看護ステーション側と結びます。
- 介護保険の場合…「緊急時訪問看護加算」
- 医療保険の場合…「24時間対応体制・連絡体制加算」
上記の契約を結んだ上で、オンコール対応は行われます。
この契約は、電話の有無にかかわらず、加算として月単位で保険請求することができます。
詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。
訪問看護ステーションにおけるオンコールの実際
厚生労働省の資料に、以下のようなデータが示されていました。
引用:厚生労働省 社保審-介護給付費分科会 訪問看護 参考資料
上のグラフのように、80〜90%もの訪問看護ステーションが24時間オンコール体制を整えています。
そして、加算に同意している者(いざというときのオンコール対応を希望されている利用者さん)は、全利用者さんの約半数いらっしゃいます。
引用:厚生労働省 社保審-介護給付費分科会 訪問看護 参考資料
また、上のグラフからわかるように、利用者さんが訪問看護に求めることとしても、オンコールを頼りにされている方は多いです。
病院の在院日数短縮もあり、在宅には医療依存度の高い利用者さんが増えています。
病気や障害を持ちながらご自宅で生活される方はたくさんいらっしゃいます。
訪問看護のオンコールが担う役割は大きいと言えます。
訪問看護のオンコールの役割を果たすために大切なこと
利用者さんからも頼りにされている訪問看護のオンコールですが、その役割をしっかり果たすためには、以下のことを心に留めて活動に当たることが大切です。
- 利用者さんの「安心・安全・安楽」を考える
- オンコール対応のあともしっかり「つなぐ」
- 自分のコンディションも整える
順番に解説します。
利用者さんの「安心・安全・安楽」を考える
利用者さんからの連絡は、「突発的に生じたSOS」であることが多いです。
訪問看護のオンコールの役割として、そのSOSに的確に対応し、いち早く安心・安全・安楽を提供することはとても大切です。
時間外に突発的に起こった困りごとは、利用者さんやご家族にとって大きな苦痛であり不安です。
訪問看護のオンコールは、苦痛や不安を抱えた利用者さんやご家族がまず頼る大きな存在と言えます。
オンコールの役割を果たすべく、「安心・安全・安楽」をしっかり届けることを心に留めておきましょう。
オンコール対応のあともしっかり「つなぐ」
繰り返しになりますが、オンコールの役割はその場の対応のみに留まりません。
そのあとも続く利用者さんやご家族の生活を、より良く継続させるという視点も大切です。
- 同じトラブルを繰り返さないための対策を担当看護師と相談する
- 苦痛緩和の方法について主治医と再度相談する
- ケアの見直しをケアマネジャーに相談する
- 必要なケアが増えた場合には、サービス介入している他職種とも情報共有する など
オンコール対応を行ったあとは、担当看護師や他職種とも報告・連絡・相談を行い、利用者さんにとってより良い継続看護を意識していきましょう。
自分のコンディションも整える
オンコールの役割を担う者として、自分のコンディションを整えることもとても大切です。
オンコール当番は、夜間や早朝に活動することもあります。
夜間や早朝に活動することは、睡眠不足や休息不足になりやすいため、コンディションを崩してしまう可能性があります。
- 栄養のある食事
- 適度な運動
- 当番以外の日の早めの就寝
- 休日のリフレッシュ など
自身のコンディションを整えるための行動を、日頃からぜひ意識していきましょう。
訪問看護のオンコールの役割をしっかり踏まえて活動しよう!
訪問看護において、オンコールの役割を担うことは「醍醐味」とも言えるのではないかと感じます。
訪問看護師としての力も試されますし、何より今まさに困っている利用者さんの力になれることは大きなやりがいとなります。
訪問看護のオンコールの役割を自分の中に落とし込み、ぜひやりがいを感じながら生き生きと活躍される方が増えると嬉しいです!
訪問看護のオンコールの役割ってなんだろう?と改めて考えています。先輩が考える訪問看護のオンコールの役割を教えていただけませんか?