訪問看護では、同一施設内への訪問を除いては、必ず移動があります。
この移動において、なるべく効率よくすることが訪問件数をより多く回ったり、スタッフの負担軽減につながります。
スタッフの口からよく聞く訪問ルートの不満として以下の例を挙げます。
- 朝一の訪問から遠いな。
- 最後の訪問が遠いと帰ってきてから、どっと疲れる。
- 午後の4件の訪問は行ったり来たりだ。
訪問スタッフの人数や利用者さんが少ない職場では、訪問ルートが悪くなることがあります。
それは、ある程度許容しなけらばならない部分もありますが、少しの工夫で楽に感じる方法があります。
今回のお話では、訪問看護において効率よくルートを組むコツ3選をお伝えします。
利用者さんの時間の調整がつけば、早速でも取り入れていただけたらと思います。
ぜひ最後まで目を通していただけると幸いです。
目次
訪問看護のルートを効率よく組むコツ3選!
訪問看護のルートを効率よく組むコツは以下の3点を意識することです。
- 近い・遠い・近い
- 円や四角を意識する
- 移動手段への考慮
これらを意識してルートを組むことで、事業所にとってもスタッフにとってもメリットがあります。
一つずつ詳しく解説していきます。
組み立て方の基本は近い・遠い・近い
基本的には、移動距離が短いに越したことはありません。
そのため、距離を短くするために題名にもある「近い・遠い・近い」を念頭に置きます。
具体的内容を以下に示します。
前提:事業所を基準として3件訪問がある
①1件目は事業所から近い人を選定
②2件目は事業所から遠い利用者さんの中で、1件目の方の延長線にある遠い方を選定
③3件目の方は、2件目の方から事業所に戻る道にある利用者さんを選定
上記のような方法は、訪問ルートを組み立てる上でスタッフの負担軽減には非常に重要です。
3件の訪問があると、6通りの訪問ルートができます。
その際に人によっては、以下のような考え方の方もいると思います。
- 遠い人から始めて残りの2件を近場にしよう
- 近場の2件を早めに終わらせて最後に遠い方を行こう
この2つのルートであると、気持ちの持ちようではありますが距離を考えるにあたって不利になります。
なぜならば、遠い方までの距離がまるまる移動距離となってしまい、その1件の訪問を苦に感じやすいです。
イメージは「ついで」を作れると気持ち的に楽になります。
- 遠い人のついでに事業所から近い人を行こう
- 事業所に戻るついでに事業所から近い人を行こう
という感じで組み立てるのがコツです。
そうすることで、始業からすぐに近い人に行けるメリットや1件1件の移動時間が均等になっていくので、移動時間をリフレッシュに充てる人には特におススメです。
以下の図は、上記の内容を示しています。
線で結ぶ際に円や四角を意識する
利用者さん宅を線で結ぶ際に行ったり来たりの訪問ルートであると、円や四角になりません。
円や四角にするためには、「行ったり来たり」を極力減らす必要があります。
なぜ、「行ったり来たり」を減らすべきかというと、同じことの繰り返しに苦痛を感じる人は多いからです。
移動においても同様に「先ほど通った道だ」と思うと気持ち的に効率が悪いと感じます。
それを防ぐためにもなるべく円や四角のルートを意識できることが重要です。
以下の左図は円や四角のルートで、右図は行ったり来たりのルートです。
1つ1つの訪問宅の距離を均一に近づけることができると、時間設定がしやすくなり、急遽違うスタッフが訪問に行く際も時間変更をしなくても良くなるメリットもあります。
移動手段への考慮
訪問看護における移動手段は、おおむね車・バイク・自転車だと思います。
天候や訪問範囲次第で用途は変わると思いますが、1度ルートを組んでしまうと移動手段は確立されます。
車ルートであれば、以下の道に注意します。
- 渋滞が多い道
- 信号が多い道
- 狭い道
- 一方通行の道
上記のようになるべく止まっている時間を短くすることや迂回して遠回りする道を避けることも効率的な訪問ルートを組むコツとなります。
バイクルートに関しては、車と似た感じですが、違う点としては、時間の目処が立ちやすいです。
スピードが出やすいことで交通違反のリスクは高まりますが、利用者さんとの信頼関係で重要な時間の約束を守りやすくなります。
自転車のルートに関しては、車だと通りにくい道でも走れることで、抜け道を見つけて最短距離を探していきます。
また、一方通行の道も通れるメリットもあり、自分の中で走りやすい最短ルートを模索します。
まとめ
今回は、効率的な訪問看護のルートを効率よく組むコツ3選をご紹介しました。
ルートを組むうえで、訪問看護ステーションの抱えている利用者さんの人数や利用者さんの希望曜日にもよりますが、以下の3項目を意識すると良いと思います。
- 近い・遠い・近い
- 円や四角を意識する
- 移動手段への考慮
上記を念頭に訪問ルートを組むことができると、訪問看護における負担が大きい移動が楽になり、訪問看護が苦に感じなくなってくると思います。
利用者さんとの対応を全力で、移動はリフレッシュ時間とすることで、効率の良い働き方となり、やりがいを感じていただけると考えています。
ぜひ実践してみていただいて、効果を感じていただけたらと思います。