2040年には、65歳以上の高齢者が3,929万人となり、全人口の34.8% を占めると予測されており、在宅医療・介護の需要はさらに高まっていきます。さらに、少子化も進行していくため働き手が減少し、深刻な労働力不足に陥ることも懸念されています。
厚生労働省によると、2040年に医療・福祉への就業が必要と見込まれる人口は1,070万人(総就業者数の18〜20%)であるのに対し、実際に確保できる人数は974万人(総就業者数の16%)にとどまるといわれています。つまり、約100万人の人材不足が生じると予測されています。
このように、今後さらに在宅医療・介護業界の需給ギャップが広がる中で、働き方改革による業務の効率化は急務といえるのではないでしょうか?
今回はそもそも働き方改革とは何なのか、働き方改革を実現するためのポイントをご紹介します。
目次
働き方改革とは?
「働き方改革の目指すもの」として、厚生労働省より下記のように示されています。
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
働き方改革は、労働時間の短縮だけではなく、生活環境や労働の多様化に対応するための取り組みです。多様なバックグラウンドを持つ人々が増えることで、働く場に求める条件も多様化が求められています。
その職場で働くスタッフがどうしたら「今よりも働きやすくなるか」を考えることが働き方改革の第一歩と言えます。
訪問看護ステーションの働き方改革とは?
スタッフが継続して働き続ける為には、今よりも働きやすい職場を目指し、「魅力的な職場」と感じてもらうことが重要です。そこで、訪問看護ステーションで働くスタッフが働き続けられる魅力的な職場に関する研究の結果をご紹介します。
研究結果によると、仕事継続に関連した職場環境の上位には以下の3点が挙げられます。
- 療養者のケアについて話し合う機会と時間のあるステーションである
- 家庭の事情により生じる事態に対して柔軟な勤務対応をしている
- ステーション管理者は相談しやすい存在である
訪問看護では病棟と違い、基本的に1人で訪問を行い、様々な病状の方のケアを行います。幅広い病気への知識が必要な上に、緊急時の判断も1人で行わなければならず、責任の重さを感じやすいため、ケアについて話し合う機会や時間が確保できたり、管理者が相談しやすい存在であることが働きやすさに繋がると考えられます。
また、訪問看護業界においては若い世代も増えてきており、そのため、結婚や出産、子育てなどのライフステージの変化があっても続けやすい環境であることがも重要であることが分かります。
働き方改革を実現する3つのポイント
魅力的な職場と感じてもらうために、どのような状態にできたら良いかは分かりましたが、実際に行動に移していくために具体的に何から行なえばよいのか、行動するための時間がないという方も多いかと思います。
そこで働き方改革を実施していくためのポイントを3つご紹介します。
労働環境の見直し
まずは、自ステーションの現状の課題点を洗い出しましょう。スタッフの男女比や年齢層によって求めることも異なるため、どのような改善を行うとよいかを考えたり、直接ヒアリングすることで、本当に必要な改善策が見えてきます。
例えば、前段でもお伝えした通り若い方や子育て世代の多いステーションでは、直行直帰や中抜けを導入したり、残業は0にしたり、短時間勤務の実現することで子育てをしながら働くイメージができ、ライフステージの変化による離職を防ぐことが可能になります。
必要な改善策を優先順位を決めて実践に移していきましょう。
デジタル化で業務の効率化
対策を考えたくてもそんな時間がないという方も多いのではないでしょうか。訪問看護の記録やスケジュール管理など様々な業務でデジタル化が進んでいます。
電子カルテで記録業務を簡素化したり、チャットツールを導入したり、訪問スケジュール作成のシステムで作成時間や訪問ルートの効率化を行うことで、管理者の業務負担を軽減し、管理者の余裕を生み出します。そうすることで、管理者に話しかけやすい環境を作り出すことができます。
また、スタッフの業務も効率化することで時間が生み出され、定期的なカンファレンスの実施や研修の実施が可能になります。
カンファレンスや研修会の定期実施
先ほども述べたように基本的に1人で訪問を行う訪問看護では、自分の様々な病状の利用者さんのケアを行うため、幅広い知識が必要になります。
定期的に事業所内でカンファレンスや研修を実施することで、スタッフの不安感を軽減し、自信をもってケアを行うことができます。組織全体での話し合いができることで、様々な視点でケアを行うことができ、事業所全体の知識や技術の向上が期待できます。
また、会議などを実施できることで、利用者さんのために行動できているというスタッフの満足度やモチベーションが向上できるため、離職の防止に繋がります。
訪問スケジュールのデジタル化で働き方改革を推進
訪問看護の業務を効率化するためには、専用のツールを活用することもお勧めです。その中で訪問スケジュール自動作成クラウド『ZEST』をご紹介します。
『ZEST』では、AIがスケジュール作成者の代わりに、あらゆる条件を考慮して、最短1秒(※)で訪問スケジュールを作成します。さらにGoogleマップとも連携しているため、効率の良い訪問ルートを導き出し、移動時間も自動計算し空き時間も最小限にすることができます。
また、スマートフォンから、自分の1日の予定を確認できる『ZEST HUB』では、訪問予定に加え、訪問以外の予定、移動時間と空き時間も確認ができます。「この空き時間に記録をしよう」という先を見据えたスケジュール管理が可能になり、空き時間を有効活用し、生産性の高い働き方が可能になります。
さらに、『ZEST HUB』上で利用者さん情報、申し送りのメモが確認でき、カルテやレセプト、チャットツールなどにも簡単に遷移できるため、時間がない中でもスムーズに記録・参照ができ、業務を効率的に進めることができ、スタッフの働き方改革に貢献します。
※データ量、ネット環境、条件の複雑さによって時間は変動します。
終わりに
ここまで訪問看護ステーションの働き方改革についてご紹介しました。
働き方改革の中で実施することは、ステーションの課題によって様々ですが、まずは、自ステーションのスタッフが求めていることを確認し、どのような改善が必要か考えてみましょう。
今回の記事をもとに皆さんのステーションにおいて最適な方法を見つけていただけますと幸いです。
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何卒よろしくお願いいたします。
出典:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-(本文)|厚生労働省