このような悩みをおもちの経営者・責任者の方も多いのではないでしょうか?
突然ですが、一般社団法人全国訪問看護事業協会の「令和6年度訪問看護ステーション数調査結果」から、令和5年度に開業した訪問看護ステーション数と、廃止・休止状態になった事業所数を見てみましょう。
- 新規開業数:2437件
- 廃止・休止数:991件
開業したステーションのうち、廃止・休止となった事業所は約40%にのぼります。
つまり訪問看護は廃業率が高い業種といえます。
ではこのようにシビアな状況下で運営を継続できている訪問看護ステーションには、どのような特徴があるのでしょうか?
今回は、成功している訪問看護ステーションの特徴5つをお伝えします。
また、うまくいかない原因についても解説しますので、運営に悩んでいる経営者・責任者はぜひ参考にしてください。
目次
成功している訪問看護ステーションの5つの特徴
成功している訪問看護ステーションには、主に以下5つの特徴があります。
- ステーション独自の強みをもっている
- 積極的な営業活動をしている
- 働きやすい環境を整えている
- 達成したい目的や理念がある
- 一人ひとりに誠実に関わっている
それぞれ見ていきましょう。
ステーション独自の強みをもっている
1つ目の特徴は、ステーション独自の強みをもっていることです。
強みがあると、地域の中で差別化ができるからですね。
競合のステーションがあっても他の強みを活かし、特化した領域を武器に新規の利用者さんを獲得するチャンスが生まれます。
特化する分野の例は、以下のとおりです。
- 精神科
- 小児看護
- ターミナルケア
- 機能強化・リハビリ
ただし注意点として、あまりにもニーズの少ない領域への参入は避けることです。
そもそも顧客がいないため、利用者さんが増えない問題に直面してしまうからですね。
そのため、主に以下については事前にチェックし、どういった地域なのかを把握しておくとよいでしょう。
- どの年代の方が多く住んでいるか
- 他のサービスとの関係性はどうか
特化した領域により地域の中で認知度が上がれば、他の領域にも少しずつ挑戦しやすくなります。
まずはステーション独自の強みをもち、認知度を上げたのちに広い分野に展開していくとよいでしょう。
積極的な営業活動をしている
成功している訪問看護ステーションは愚直に営業しています。
とはいえ訪問看護ステーションの営業は、「新規の利用者さんを紹介してください!」といったゴリゴリしたものとは少し手法が異なるのです。
「自分たちがどのようなステーション」で、「どんなことができるのか」を認知してもらい、地域と信頼関係を構築する目的で行っています。
この信頼関係の延長で、利用者さんを紹介していただくイメージですね。
また、営業により利用者さんの依頼が増えはじめたら、以下のようなことも行っています。
- 書類を手渡しに直接出向く
- 担当する利用者さんの話題を出す
- 新入職員が入職したことや最近始めた取り組みなどを伝える
このように、常に利用者さんや事業所の情報を共有する関係をもっておくことが大切だと感じています。
地域のケアマネジャーさんの第一想起になるようなステーションを目指しましょう。
働きやすい環境を整えている
成功している訪問看護ステーションは、職員が働きやすい環境を整えています。
事業所の運営は、人件費をいかに抑えるかが大切です。
離職率を下げ、人件費を無駄にかけないためにも、主に以下の点に注意して環境を整えていきましょう。
- 風通しがよく、コミュニケーションをとれているか?
- 悩みを相談しやすいか?
- 1日の訪問件数が7〜8件のように多くなりすぎていないか?
- 移動にかかる時間は適正で、十分に休憩をとれているか?
- 事務作業ばかりではなく、専門業務に専念できているか?
- 業務改善のためのICTツールを使っているか?
また福利厚生の面でも、以下の制度をとっているステーションもあります。
- 各種社会保険
- 出産育児制度
- 特別休暇
- 退職金制度
- 住宅・通勤手当の支給
- スキルアップにかかる費用の支給
達成したい目標や理念がある
成功している企業には達成したい目標や明確な理念があります。
これらは社員が働くための行動規範となり、会社で求められる行動や判断に迷ったときの道標になります。
そのため訪問看護ステーションにおいても、「利用者さんファーストの仕事をする」や「地域のために尽力する」といった目標や理念を掲げ、スタッフの行動規範にしましょう。
規範に従った行動を続けることで、地域からの信頼も厚くなるはずです。
そして信頼から少しずつ認知度が拡大することで、理念に共鳴する優秀な人材が集まりやすくなり、より強固なステーションになっていきます。
達成したい目標や明確な理念を掲げたうえで、職員全員が日々の業務に専念できる組織を目指しましょう。
一人ひとりに誠実に関わっている
一人ひとりの利用者さんやご家族、サービス担当者に対して誠実に関わることが大切です。
誠実に関われば、利用者さんを介して自然と地域内によい口コミが広がり、ケアマネジャーの間でも「あのステーションに依頼してみよう」と思ってもらいやすくなります。
具体的には、以下の点を心がけましょう。
- 笑顔で明るい挨拶をする
- 利用者さんやご家族の話をよく聞く
- 隠れたニーズに気づいて行動する
- 迅速に行動する
- 小さなことでも約束を守る
- 誤りがあれば素直に認めて謝る
- 周囲の担当者と情報を密に共有する
こういった一人ひとりへの誠実な関わりの積み重ねによって、地域から信頼される訪問看護ステーションに成長していくことでしょう。
一回一回の誠実な関わりそのものが、何よりも重要な営業といえますね。
訪問看護ステーションの運営がうまくいかない原因
成功している訪問看護ステーションの特徴がわかったところで、運営がうまくいかない事業所の特徴についても見ていきましょう。
原因は「人件費コスト」と「集客不足」の2つが考えられます。
まず訪問看護ステーションの運営がうまくいかない原因について見ていきましょう。
神奈川県のデータによると、看護師の離職率は以下のように報告されています。
- 訪問看護の離職率:16.7%(常勤及び非常勤)
- 病院の離職率:13.9%(常勤のみ)
参考)令和5(2023)年度 看護職員就業実態調査結果(訪問看護ステーション)速報
また訪問看護は人件費が高く、離職者が増えるとさまざまな媒体へ求人情報を載せる必要があるため、採用コストが膨らんでしまいます。
さらに、新規の利用者さんを増やさないと事業所の収益が上がらなくなるため、コストが増えて収益が減り、資金繰りが大変になります。
そして結果的に廃業してしまうのです。
成功している訪問看護ステーションの特徴を知り実践しよう
本記事では、成功している訪問看護ステーションの特徴を5つ解説しました。
- ステーション独自の強みをもっている
- 積極的な営業活動をしている
- 働きやすい環境を整えている
- 達成したい目的や理念がある
- 一人ひとりに誠実に関わっている
本記事を参考に、訪問看護の運営を成功できるように取り組んでみてください!