訪問看護を要領よく仕事を進めるための秘訣を教えます

先輩から目の前のことだけでなく、先を予測して動いてと言われることが多いですが、正直なにをどうしたらいいのかわからなくて、落ち込んでしまいます。
訪問看護で要領よく仕事を進めるための秘訣ってありますか?

 

上記のように悩んでいる訪問看護師に、要領よく仕事を進めるための秘訣について解説します。

訪問看護の現場では、今の状態を理解しておくことだけではなくこれから起こることを予測して急変を未然に防いだり、処置やケアのなかで常に先を読みながら行動することが求められます。

これを「先読み力」といいます。

この「先読み力」が足りない人は、具体的に指示されてから動くことになり、問題やトラブルが発生してから焦ったり、決められた訪問時間が足りなくなって急いだりしてしまいます。

常に後手後手の行動をとることになるので、余裕のなさがミスやトラブルを引き起こし、さらに困った状況に至ってしまうことになります。

ベテランの訪問看護師は、ほぼ無意識レベルにこの「先読み力」を身につけています。

結果、訪問看護を要領よく仕事を進めるには「先読み力」を身につけることが一番と言えます。

 

先読み力とは

先読み力とは
現在明らかになっている情報をもとに、これから起こるであろう出来事や問題を予測・発見し先手をうつ能力

たとえば、天気予報の午後3時頃に大雨が降るでしょうという情報があるとします。

午後の訪問は、「傘や雨具を持って訪問しないとずぶ濡れになり次の訪問に差し支えるかもしれない。」という問題の発生を予測し、それを防ぐために傘や雨具を持って出発するということです。

これにより雨が降るという情報から傘や雨具を持っていることにより、ずぶ濡れになるというトラブルを回避できます。

一方、先読み力の足りない人は同じ雨の状況に合い「あんなにいい天気だったのに聞いていないよ!」と思いながら、雨の中全力で訪問をしたり、コンビニで傘を購入したり、やさしい利用者さんに傘を貸してもらうことになってしまいます。

これらを現場に置き換えると訪問先での処置やケアを行う場合に、これも必要かもと前もって物品を準備して持参することができるなど、先手を打つことでイレギュラーやトラブル、ミスや事故を未然に防げることになります。

また、限られた時間のなかで優先順位を考えて仕事を行うことは要領よく仕事をおこなうことにつながります。

この「先読み力」を身につけることにより訪問看護の現場で要領よく仕事ができ、さまざまな効果を発揮できるといえます。

 

訪問看護で使える「先読み力」のすすめかた

1 現在得られる情報を可能な限り集めること

先読み力とは、現在明らかになっている情報をもとに、先手をうつ能力なので、できるかぎり情報収集につとめることです。

しかし、ここで注意したいことはどうしても医療的な情報にしぼりがちですが、まったく関係ないかもと思われるような情報にこそ、いろいろなヒントにつながることもあります。

あらゆることにアンテナをはって情報収集することをおすすめします。

このあらゆる情報が「先読み力」を身に着ける材料になります。

 

2 集めた情報をもとに少し先の未来を予測する

新人でもベテランでも情報をもとに、日々いろいろ予測をたてていると思います。

しかしこの予測は正直、当たってもはずれてもどちらでもいいというものだということです。

あくまでも今持っている情報をもとに予測していることに過ぎないので、思い通り予測が運ぶことの確証はどこにもないからです。

たとえその予測がはずれても新たな情報・データーがとれたと思い、ポジティブにとらえ先読み能力を鍛える材料にしてしまいましょう。

 

3 想像しうる範囲で最適な行動をとる

「今日の利用者さんは、機嫌が悪かったら入浴を拒否しがちだけどどうしよう。怒鳴られたらどうしよう」とか「どうか訪問のときは機嫌がよいように」と祈ることやネガティブなことを思うことはありません。

「今日は野球の話題で盛り上げてさりげなく、入浴をすすめよう」とどんな対策でもいいので、自分が思いつく限りの最適な行動をしてみます。

そうすることをくりかえしていくことで、かならず先読み力が身についてきます。

また仕事中だけではなく、これをご自身の日常の一場面のなかで、最適な行動をとることで先読み力を磨くことができます。

 

まとめ

  • 先読み力とは情報収集×予測×最適な行動のことである
  • 先読み力を駆使できれば、要領よく仕事を進めることができる
  • 毎日のなにげない日常の一場面を利用し、最適な行動をとることで先読み力を磨くことができる

 

しかし先読み力には、先のことを考え過ぎて慎重になることもあります。

もしこんなことが起こったらどうしようと先読み力の間違った使い方をしてしまうとスムーズにものごとをすすめることができなくなってしまいます。

あくまでも先読み力はものごとをスムーズに進めるためのものであることを肝に銘じておきましょう。

今回は要領よく仕事を進めるための「先読み力」について解説しました。

最近、研修で臨床推論というものを知りました。

まさしく「先読み力」は臨床推論をすすめるためのトレーニングではないかと思いました。

興味のある方は臨床推論を併せて学んでみてください。

訪問看護をおこなう中で誰もが不安や疑問に思ったりすることを解決できるような記事の作成を心がけています。

この記事がみなさんの日々の業務に役立ってもらえると幸いです。

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