- 理学療法士がオムツ交換をすることはあるの?
- 訪問看護ならではの貴重な経験が知りたい。
このような疑問を解決できる記事です。
訪問看護は利用者さんのお宅に訪問してリハビリを行う特性上、病院ではあまり得られないさまざまな経験ができます。
今回は訪問看護の現場で得た貴重な経験を4つ紹介します。
これから訪問看護の分野にチャレンジしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
理学療法士もオムツ交換をする!訪問看護での貴重な経験4つ
私が訪問看護で得た貴重な経験は以下の4つです。
- 理学療法士もオムツ交換をすることがある
- ターミナルケアに関わることがある
- エンゼルケアのお手伝いをさせていただいたことがある
- 長距離の移動を有効活用できる
順番に見ていきましょう。
①理学療法士もオムツ交換をすることがある
訪問看護では、理学療法士がオムツ交換をすることがあります。
その理由は以下のとおりです。
- 在宅の利用者さんには、ADLの介助量が多く、トイレでの排泄が難しい方もいるから
- 訪問リハビリの現場では、看護師や介護職員が近くにいないから
- 利用者さんのご家族が不在の場合もあるから
訪問時、オムツ内に排便があった場合は理学療法士が交換をします。
便秘が続いたあとの排泄介助では、多量の便が出ることもあり、時間と体力がいる場合もあります。
しかしオムツ交換を終えたあとの利用者さんは、とてもすっきりした表情を見せてくださるのです。
「ありがとう」と声をかけていただき、気持ちよくリハビリをしていただけるため、苦労した甲斐があると感じています。
病院でも理学療法士がオムツ交換をする場合があるかもしれませんが、病棟スタッフに対応してもらうことの方が、圧倒的に多いのではないでしょうか。
初めはオムツ交換に戸惑いましたが、排泄介助は訪問看護のサービスの一環と考え、適切に対応するようにしています。
この経験をとおして、看護師や介護職員、介護するご家族の苦労を深く理解できました。
また、利用者さんの尊厳についても考えるきっかけになったと思っています。
②ターミナルケアに関わることがある
訪問看護では、ターミナルケアに関わることがあります。
日本財団の「人生の最期の迎え方に関する全国意識調査報告書」によると、67歳~81歳の6割近くの方が、自宅で最期を迎えたいと考えていることがわかりました。
そのため、在宅療養を支援する訪問看護の重要性は高いと考えられます。
- 最近まで会話できていたのに、次の日に急に亡くなってしまう
- うまくコミュニケーションがとれず、具体的な希望をうかがえない
私が担当した利用者さんの中には、こういった方もいらっしゃいました。
ターミナルケアの実践にあたり、「住み慣れた自宅という場所で、どんなことが実現できるか」を日々考え、多職種で支援をしていくことの大切さを学ぶことができました。
自宅で満足できる最期を迎えられるために、在宅生活を支えている訪問看護の素晴らしさを経験できたと思います。
③エンゼルケアのお手伝いをさせていただいたことがある
訪問看護で担当していた方が自宅で亡くなられたあと、私もエンゼルケアに立ち会ったことがあります。
今までの感謝を込めて体を拭いたり、更衣介助したりと、訪問看護師といっしょにケアをさせていただきました。
亡くなられたあとの利用者さんと関わることは初めてだったため、大変貴重な経験となりました。
理学療法士がエンゼルケアに関わることはほとんどないため、ご家族の精神的ケアの重要性や、故人の尊厳について深く考えるきっかけとなったのを覚えています。
この経験は、命の尊さと医療従事者としての責任の重さを改めて実感させてくれる、かけがえのない学びとなりました。
エンゼルケアについてもう少し詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
④長距離の移動を有効活用できる
訪問看護では、訪問先までの移動距離がとても長くなることがあります。
特に私の事業所は田舎にあるため、30㎞近く離れたお宅に行き、そこから次の訪問先まで40㎞近く移動することもめずらしくありません。
もともと私は病院やクリニックで働いており、業務は基本的に院内で行っていたため、勤務中に遠出することがほとんどありませんでした。
訪問看護の仕事に就いて、ここまで移動距離が長いことに驚いていますが、貴重な経験だとも感じています。
というのも、移動時間が長い分、道中でリハビリのアイディアをじっくり考えたり、田舎ののどかな風景に癒されたりするからです。
長距離の移動時間をうまく活用することで、リハビリの質を高めたり、心身の安定にもつながったりしており、貴重な経験ができていると感じています。
まとめ
今回は、訪問看護ならではの貴重な経験を4つ紹介しました。
訪問看護で働くことで、病院ではなかなか得られない経験ができ、理学療法士として大きく成長できるきっかけとなりました。
本記事を読んで、訪問看護に興味をもっていただければ幸いです。