次世代訪問看護師紹介vol.56|鈴木諒平さん

ビジケア広報・町田
「次世代訪問看護師」は、訪問看護の現場で実際に働いている人たちの働き方や想いを紹介するコーナーです。

今回は、訪問看護師経験を経てご自身のステーション開設をした鈴木さんをご紹介します!

 

お名前

鈴木さん
鈴木諒平です。

よろしくお願いします!

 

働いている地域はどちらですか?

鈴木さん
東京都大田区です。

 

働いている職場(事業所)を教えてください

鈴木さん
よぞら訪問看護ステーションです。

2021年9月に開設して、代表取締役・管理者をしています。

 

現在の仕事以前の職歴や経歴を教えてください

鈴木さん
大学病院で6年、小児科病棟で働いていました。

その後、訪問看護ステーションのオープニングスタッフとして1年働き、同じ事業所のサテライト長になって2年。その後別のステーションに移って管理者を1年半やっていました。

 

現職(訪問看護師)歴は?

鈴木さん
現職とこれまでを合わせて、約5年になりますね。

 

訪問看護に興味を持ったきっかけは?

鈴木さん
きっかけは何個かあって・・・。

学生の頃から、「やるなら小児科か終末期」と思っていて、子供が好きなことと、人生の終わりに関わりたいという気持ちを持っていました

そこから就職して4~5年小児科で働いてみて、キャリアに明るい未来が浮かばなくなってきて、次の働き方を考えたときに、学生時代に考えていたことを想いだしたんですよね。

その後、病院で働き続けながら、有志で集まって地域の保健師活動を始めたんです。町内会館などを借りて、地域で暮らす高齢者に予防の視点で講義をしたりしました。だんだんと人も集まるようになって、病院ではなく「町・地域」で活動をすることで視野が広がりました

そこから、病院の外で働く道や、病気になる手前の人にも関わりながら働く道を考えるようになりました。そして、地域で活動するなら、個人でただやるのではなく信用も大切だと思い、「訪問看護なら、看護師として病気の人へのケアもできるし、病気の手前の人たちにも“ここで働いています”と伝えられる肩書にもできる」と考えました

「訪問看護がやりたい」という信念とはちょっと違うところがきっかけでしたが、病院の外に出て活動していくうちに、家で暮らす人たちにも看護が届けられることの楽しさや素敵さをどんどん知っていきました。

元々「人の最期に関わりたい」という想いもあったので、自分の中にあった想いや経験がつながり、訪問看護へとつながっていきました

 

町田
なるほど・・・鈴木さんの中にあったいくつもの点と点がつながり重なった働き方が「訪問看護」だったんですね。

今でこそ、新卒や若手のうちから訪問看護を選択する看護師は増えましたが、5~6年前当時でそれを選択する人はすごく少なかったはず。

情報や選択肢に限りがある中で、たくさん考えながら行動していったからこそ、見つけられた道ですね・・・。

 

鈴木さん
模索して見つけた道でしたね。

他にも、小児科で亡くなる子供やその家族の姿をずっと看てきたので、後悔のない最期を迎えられるケアを在宅でもできたら・・・という想いも持っていました。

また、病院で働く中で、同期や後輩がさまざまな理由で辞めていくのも見てきました。せっかく学校に行って資格を取って就職したのに、人間関係で疲弊したり、看護師そのものが嫌になって辞める人もいて・・・もったいないという気持ちや、そういう人に何もできない悔しさを感じました。

そういう想いも重なって、自分が訪問看護や新しいキャリアを開拓していく中で、辞めていく人たちに別のキャリアの選択肢や、”看護師”を嫌いにならない道筋をつくりたいとも思うようになりました!

 

町田
アツい・・・!

本当にたくさんの想いが折り重なって、鈴木さんは地域で働くこと・訪問看護をすることを選択したんですね。

 

訪問看護を始める前に感じていた、訪問看護のイメージは?

鈴木さん
学生時代の実習の記憶しかなくて・・・「呼吸器の人だらけかな」「重そう(重症患者が多そう)」と思っていました。

とはいえ、自分の場合は小児科経験しかなくて成人未経験だったので、どうせ未経験だし、もう飛び込んじゃえ!って感じでしたね。フットワークでいっちゃいました(笑)

 

実際に始めてみて変わった・感じる訪問看護の世界

鈴木さん
最初は「一人で何でもやらなきゃいけないのではないか」と身構えていましたが、いい意味でそうじゃないことが分かりました。

訪問自体は一人で行きますが、相談や連絡をし合いながら仕事ができること、チームで動いているということを、働いてみて知りましたね。

 

訪問看護でやりがいや喜びを感じること・嬉しかったエピソードはありますか?

鈴木さん
利用者それぞれに暮らしや人生があって、「家で暮らしたい」と願う人たちがどうしたら家で過ごせるのかを考えたり、そういう人たちが希望通りの選択をできることに関われることがやりがいになっています。

入院している時よりも”暮らしに寄り添えている”と思えるときも嬉しいですね。また、元々小児科で働いていたので、やはり小児看護は特にやりがいや関わる楽しさを感じます!

子供との関わりは純粋に楽しいですし、親御さんのお子さんのケアへの工夫とか想いを知りながら深く関われるのも楽しいですね。親御さんからお子さんへの愛情を感じると、なんだか嬉しくなります。

 

町田
鈴木さん、本当に子供や小児看護が好きなんですね・・・!

楽しんでいるのが伝わってきます!

 

鈴木さん
あとは、ケアマネージャーや病院から新しく利用の相談をもらう際に、個人ではなく「僕らのステーションにお願いしたい」と言ってもらえるのは嬉しいです。相談をもらえるだけでもありがたいのですが・・・ステーションに対してって、個人ではなく一緒に働くスタッフ全員に対して言ってもらえている気がして、とても嬉しいですね。

自分やスタッフの対応・ケアによって次の依頼につながっていくと思うので、そうやって評価や次の相談(=信頼の証)として跳ね返ってくるときはやりがいを感じますし、もっと頑張ろうって思います!

 

働く中で、大変だった・苦労した場面やエピソードを教えてください

鈴木さん
色んな病院でステーションで経験してきた人が集まるからこそ、訪問看護で「個々の力を発揮しつつ、チームとしても一丸となってやっていく」ということの難しさを感じます。

個々の個性や得意なところを発揮してもらいたい反面、個人プレイばかりに偏っても良くない。ひとつのステーションとして足並みを揃えるにはどうすればいいか、と悩むことがあります。

 

町田
訪問看護は、対象の年齢や疾患もバラバラだし、そこに携わるスタッフの経験値もバラバラですよね。

特化した領域を持っている人の力を発揮してもらいたい反面、”その人だけ”みたいになると負担が偏ってしまう。鈴木さんは管理者・経営者を経験されているので、それをまとめる難しさと向き合ってきていますよね・・・。

 

鈴木さん
難しいですね・・・。

あと、スタッフ間のこともですが、外部との連携の難しさも常々感じますね。

在宅では、病院より圧倒的に関わる職種が多いうえ、それぞれが別の組織にいるので毎日顔を合わせるわけでもない。報告の適切なタイミングを逃したことで認識のずれが生じたり、逆に急ぎでないことなのに時間外に連絡してしまうなど、伝え方やタイミングひとつで関係性をかけ違えてしまうリスクがある・・・。

だからこそ、限られた時間の中で情報収集をしたり、適切なタイミングできちんと伝わるような報告・連携をして、いいサービスにつなげていく必要があります。日々考えながら、試行錯誤しています。

 

これから先、どんな訪問看護師になっていきたいですか?

鈴木さん
町で困ってる人がいたら力になれるようなステーションをつくっていきたいですね。

よぞら訪問看護ステーションでは「Delight Care , Pride Care .(ケアに喜びを、ケアで喜びを。ケアに誇りを、ケアで誇りを。)」という理念を掲げています。

医療の専門職としての質の高いケアの提供していくことは前提に、そういう関わりの中で精一杯の喜びを届けたい、日々の笑顔や喜びのための愛情を、ケアと一緒に届けていきたいです。

喜びを乗せたケアを通して、自分たちも喜びを感じ、誇らしく働いていける。そんな看護を届けていきたいです!

 

町田
さまざまな想い・経験・行動を重ねて訪問看護にたどり着き、自分も周りも喜ぶケアを追求している鈴木さん。これからのさらなる飛躍が楽しみです!

鈴木さん、ありがとうございました!

 

よぞら訪問看護ステーション・鈴木さん活動紹介

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町田
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ABOUT US
町田 舞広報
ビジケア広報・ウェブ担当。 看護師/フリーランス。看護メディア(マイナビ看護師、ナース専科、月刊ナーシング等)で執筆・編集経験多数。在宅医療研究会レポート担当。システムエンジニアだった経験を活かしウェブ・SNS・ITの力でヒト・モノ・コトの橋渡しを軸に活動。ITとリアルの融合で人がつながり支え合う地域包括社会を目指す。訪問看護師・ウェブライター・看護師オンラインサロン運営・看護師のメンタル・キャリアカウンセリングなど、複業を並行しながら働くパラレルキャリア。