令和8年度改定で新たに処遇改善加算の対象となった訪問看護について、初回算定分(令和8年6月サービス提供分)の算定率が67.6%にとどまったことが、厚生労働省の調査で明らかになりました。同時に対象となった居宅介護支援(76.0%)・介護予防支援(76.9%)と比べても低い水準です。
この記事では、調査の内容と、訪問看護ステーションが今すぐ確認すべきポイントを整理します。
- 令和8年度改定で処遇改善加算の対象に訪問看護が加わった経緯
- サービス種別ごとの算定率(令和8年6月分)の実数
- 訪問看護の算定率が伸び悩んでいる背景として考えられる点
- 未届の事業所が確認すべき算定要件
目次
何が決まったのか
令和8年8月28日に開催された第263回社会保障審議会介護給付費分科会で、厚生労働省老健局老人保健課が資料「介護人材確保に向けた処遇改善等」を提示し、令和8年度改定で新設された処遇改善加算の算定状況を報告しました。
訪問看護は、従来「介護職員等処遇改善加算」の対象外でした。令和8年度改定(期中改定・令和8年6月施行)により、訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援・介護予防支援が新たに対象に加わっています。
算定率の詳細
報告された令和8年6月サービス提供分の算定率は、次のとおりです(老健局老人保健課が事業所台帳情報を基に作成)。
| サービス種別 | 算定率(令和8年6月分) |
|---|---|
| 訪問看護 | 67.6% |
| 訪問リハビリテーション | 59.8% |
| 居宅介護支援 | 76.0% |
| 介護予防支援 | 76.9% |
| 合計(予防を含む) | 71.6% |
訪問看護の加算率は、常勤換算職員数に基づき算定される総報酬単位数に対して1.8%(訪問リハビリテーションは1.5%、居宅介護支援・介護予防支援は2.1%)です。算定要件は、加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件)、または令和8年度特例要件(ケアプランデータ連携システムへの加入・実績報告等)のいずれかを満たすことで、いずれも申請時点では令和8年度中の対応を誓約すれば算定可能という、事務負担に配慮した経過的な扱いになっています。

誓約でも算定できる経過措置があるのに、訪問看護だけ算定率が低いのは気になりますね。「制度自体を知らない」「対象になったこと自体に気づいていない」事業所が、まだ一定数いる可能性がありそうです。
訪問看護ステーションへの影響
訪問看護は令和8年度改定で初めて処遇改善加算の対象となったため、居宅介護支援等と比べて事業所側の情報のキャッチアップが遅れやすい状況にあったと考えられます。算定できていない事業所は、その分だけ職員の賃金改善に充てられる財源を取りこぼしていることになります。
加算Ⅳに準ずる要件は「令和8年度中の対応の誓約」で算定可能なため、体制が完全に整っていなくても申請自体は可能です。「要件を満たしてから申請しよう」と先送りしていると、その間の加算を取りこぼすことになります。
今からやるべき実務対応
- 自事業所の届出状況を確認処遇改善加算(訪問看護分)を届出済みかどうかをまず確認する。
- 未届なら要件を確認加算Ⅳに準ずる要件、または令和8年度特例要件(ケアプランデータ連携システム加入等)のいずれを満たせるか検討する。
- 誓約での申請を検討体制整備が完了していなくても、令和8年度中の対応を誓約すれば申請可能なケースがあるため、地方厚生(支)局・都道府県の窓口に確認する。
- 職場環境等要件の取組内容を整理既存の取組(研修受講支援、有給取得促進等)が要件に該当していないか棚卸しする。
よくある質問
訪問看護はいつから処遇改善加算の対象になりましたか?
令和8年度改定(期中改定)により、令和8年6月施行で新たに対象となりました。それまで訪問看護は介護職員等処遇改善加算の対象外でした。
要件を満たしていなくても申請できますか?
加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ及び職場環境等要件)は、申請時点では令和8年度中の対応の誓約により算定可能とされています。令和8年度特例要件についても、加入・取得の誓約で算定可能な事務負担への配慮措置があります。
この算定率のデータはどこで確認できますか?
令和8年8月28日開催の第263回社会保障審議会介護給付費分科会資料「介護人材確保に向けた処遇改善等」で公表されています。厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
まとめ|訪問看護の処遇改善加算、算定率67.6%は取りこぼしの余地あり
- 令和8年度改定で訪問看護も処遇改善加算の対象に新設された
- 初回(令和8年6月分)の算定率は訪問看護67.6%、居宅介護支援76.0%、介護予防支援76.9%
- 令和8年度中の対応の誓約で算定可能な経過的な扱いがあるため、未届の事業所は早めの確認・申請がおすすめ
自事業所の届出状況を、まずは確認してみましょう。








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