利用者さんの様子を利用者さんが通院している病院に詳しく伝えたい、利用者さんの状態や今後について先生はどう考えているか聞いてみたい、そんな風に考えることも多いのではないでしょうか。
訪問看護師として、外来通院をしている利用者さんを継続的にケアしていくために、外来との連携は欠かせません。
そして、外来と訪問看護が効果的に連携するためには、看護師として同じ視点で利用者さんを捉えることができる訪問看護師と外来看護師が協力し連携する必要があります。
今回は、訪問看護師と外来看護師の連携方法をお伝えします。
・訪問看護師と外来看護師の連携方法
・外来看護師と連携しやすくなるためのコツ
「外来看護師との連携方法が分からない」
「他の訪問看護師がどんな風に外来と連携を取っているのかを知りたい」
「スムーズな連携のコツを知りたい」
そんな方はぜひ、最後まで記事を読んでみて下さい。
目次
訪問看護師と外来看護師の連携方法を紹介します
私が考える、訪問看護師と外来看護師の連携方法は以下の5つです。
・電話・FAXを用いる
・オンラインコミュニケーションツールを用いる
・訪問看護計画書・報告書を用いる
・外来受診に同行する
・医療連携室を利用する
以下で1つずつ説明していきます。
電話・FAX
電話やFAXを利用することは、外来看護師との連携方法のうちの1つです。
とても基本的な方法ですが、医療の世界では、電話や紙で連絡・報告をする機会が今も多くあります。
電話は文字だけでは伝わらないことを伝えるために有効な手段です。
一方で、先方の作業を中断してしまうため、電話をかける時間を選ぶことや内容を簡潔に伝えられるように工夫することが大切です。
また、外来には連日多くの患者さんが受診するため、報告した内容が埋もれてしまわないように急を要する場合を除き、利用者さんの外来受診日の直前に連絡をすることを心がけましょう。
今後も頻回に電話をする可能性がある際には、電話をかけるのに都合がよい時間帯や誰宛に連絡をすればよいのかなどを確認出来ると継続して連携が取りやすくなります。
FAXの場合は、送り先を間違いによる個人情報の流出がないように注意が必要です。
送信の前後で先方に、FAX番号の確認や到着確認の連絡をすること、伏字を使用することなどで安全に連携をとることができます。
オンラインコミュニケーションツール
連携方法の2つ目は、オンラインコミュニケーションツールの使用です。
近年、オンライン上でコミュニケーションを取ることができる医療用のツールも増えてきています。
訪問時の状況や関係者への連絡事項、医師の診察の状況など、報告・共有したいことを投稿することで、利用者さんに関わる多職種全員に一斉に報告することができます。
ツールによっては、写真や動画なども投稿することができるため、創傷処置の経過や採血データなども共有することができます。
相手のタイミングで内容を確認することができるため、時間帯や報告先の都合を気にせずに使用することができるというメリットがあります。
訪問看護計画書・報告書
訪問看護を提供する際に、毎月作成する文書に訪問看護計画書と訪問看護報告書があります。
訪問看護計画書は利用者さんの意向や、主治医の指示に基づいて訪問看護を提供するための看護計画を記載した文書です。
訪問看護報告書は看護を提供した結果や、1か月の利用者さんの状況を、主治医に報告するために作成し送付する文書です。
どちらも主治医あてに作成するものですが、訪問看護の方針と取り組みを外来へ伝えるための文書として有効です。
訪問看護計画書・報告書は郵送することが多いですが、訪問が可能な病院やクリニックであれば直接外来に渡しに行くことができます。
そこで、外来の看護師に情報伝達・情報交換をすることができれば、訪問看護計画書・報告書をきっかけに直接の連携にも繋がります。
外来受診に同行する
外来看護師との連携方法として、利用者さんの外来受診に同行するという方法もあります。
外来受診に同行することで、主治医、外来看護師と直接情報交換をすることができ、診察時の様子を知ることもできます。
しかし、外来受診へ訪問看護師が同行することは保険の対象外となります。
私が勤務している訪問看護ステーションでは、自費の訪問看護も行っています。
利用者さんから外来受診への同行希望があり、受診のために誰かの付き添いが必要な状況であったため、受診に同行させて頂いたことがありました。
訪問看護師が同行することで、利用者さんの状況を正確に伝え、診察内容をその場で共有し、利用者さんの考えも確認することができる貴重な機会となりました。
一方で、外来受診は時間の予測がつかず長時間になることも多いため、訪問の合間で外来受診に同行することはあまり現実的な方法ではないかもしれません。
医療連携室を利用する
入院施設がある病院には、病院同士の連携を支援する医療連携室が設置されていることが多くあります。
医療連携室がある場合は、外来との連携に関する問い合わせも医療連携室を経由することができます。
訪問看護師と外来看護師の間に、院内のシステムに精通している医療連携室の看護師が入ることで、よりスムーズな連携が期待できます。
私自身、病院勤務の際に連携室でも勤務をしていました。
病院外の地域の医療機関や訪問看護ステーションから連絡を受け、外来受診に立ち会ったり、外来で行われるカンファレンスで訪問看護師からの情報を共有することなども行っていました。
制度に関することや、金銭面の支援に関する相談など内容によっては、外来看護師よりも連携室の看護師やソーシャルワーカの方が対応しやすいこともあります。
外来と連携を取るための窓口として、医療連携室は有効に活用できる場所と言えます。
まとめ~外来看護師とより連携を取りやすくするためには
訪問看護師と連携室の看護師の連携方法について以下の5つを説明しました。
・電話・FAXを用いる
・オンラインコミュニケーションツールを用いる
・訪問看護計画書・報告書を用いる
・外来受診に同行する
・医療連携室を利用する
どの方法もメリット・デメリットがあります。
訪問看護師と外来看護師は1日の業務の流れや内容が全く異なります。
そのため、効果的に連携をとるためには、いつどのようなタイミングでどんな方法で連絡を取ることが良いのかを考える必要があります。
その時々によって、連携方法を使い分けることもできるでしょう。
情報伝達の際には、こちらが伝えたいこと一方的に伝えるだけでなく、外来看護師が知りたいことや外来看護を提供する上で重要だと思えることもを伝えることも大切です。
訪問看護師と外来看護師の良い連携は、利用者さんに継続したケアを提供することに繋がります。
「これからもこの訪問看護師・訪問看護ステーションと連携していきたい」と思われるような訪問看護師になれたら良いですよね。
この記事の内容が少しでもきっかけになれば嬉しいです。
利用者さんの最近の様子で気になることがあって、病院に相談したいです。
外来の看護師さんに報告しようと思うのですが、どんな風に連携を取れば良いのでしょうか。