- 訪問看護で1日に8件訪問することってあるの?
- 1日8件訪問するスケジュールってどんな感じ?
- デメリットはないの?あれば教えてほしい!
訪問看護は、病気や障害を抱えながらもご自宅で生活する方のもとに伺い、必要な看護を提供する仕事です。
1日の訪問件数は、各訪問看護ステーションによって違いはありますが、5〜6件というところが多いのではないでしょうか。
とは言え、中には1日に7、8件訪問する訪問看護ステーションもあります。
8件ともなると、どのような訪問スケジュールが組まれているのか、気になる方もいらっしゃるのではないかと思います。
当記事では、訪問看護で1日に8件訪問した場合の1日のスケジュールについて解説します。
- 実際にあった1日8件の訪問スケジュール
- 訪問看護で1日8件訪問することでのデメリット
結論から言うと、訪問看護で1日8件の訪問スケジュールは、可能ではありますがかなりきついです。
その理由やデメリットなどを解説していきますので、気になるあなたはぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
訪問看護で1日8件訪問した場合のスケジュール
訪問看護で1日8件訪問した場合のスケジュールは、以下のような感じになりました。
始業時間は8時30分、終業時間は17時30分です。
明らかに残業になりました。
加えて、勤務中もかなりの過密スケジュール。
実際に、スタッフからは以下のような意見が聞かれました。
- 余裕がない
- 疲れた
- 利用者さんのケアに集中しにくかった など
訪問看護で1日8件訪問することは、簡単ではないと言えると思います。
訪問看護で1日8件訪問するデメリット5選
訪問看護で、実際に1日8件訪問してみて感じたことは、メリットよりデメリットのほうが多いということです。
実際に感じた主なデメリットは以下です。
- 時間内にやるべきことが終わらない
- 事業所内外との連携がしっかり取れない
- 労働基準法違反になる可能性がある
- 仕事のパフォーマンスが低下する
- スタッフが疲弊する
順番に解説します。
時間内にやるべきことが終わらない
1つ目のデメリットは、時間内にやるべきことが終わらないことです。
シンプルに、時間内にできる範疇を超える可能性があるからです。
訪問看護で1日の中でやるべき業務は、決して訪問だけではありません。
- 看護記録
- スタッフとの情報交換
- ケアマネジャーなど他連携機関への連絡
- 書類作成 など
1日の訪問件数が多すぎると、時間に余裕がありません。
時間に余裕がないと上記の業務を行うことは難しく、時間外に仕事がずれ込む可能性が大いにあります。
時間内にやるべき仕事が終わらないのは大きなデメリットです。
事業所内外との連携がしっかり取れない
2つ目のデメリットは、事業所内外との連携がしっかり取れないことです。
1日8件の訪問スケジュールだと、時間の余裕がほとんどないため、事業所内外としっかり連携を取る時間がありません。
なんとか時間が取れたとしても、限られた時間の中での連携では、焦ったり、丁寧さに欠けてしまう可能性があります。
また、具体的に以下のような懸念もあります。
- 看護師が訪問したあとセラピストが訪問する場合、必要な申し送りをする時間がない
- 忙しすぎてスタッフ同士が顔を合わせる時間がない
- その日のうちにケアマネジャーへの連絡ができず、タイムリーに情報共有できない
報告・連絡・相談は、利用者さんのケアに直結する欠かせないものです。
スタッフ間のコミュニケーションも、円滑に、より良く仕事をしていく上で非常に重要です。
時間がなく、それが疎かになってしまうことは、大きなデメリットと言えます。
労働基準法違反になる可能性がある
3つ目のデメリットは、労働基準法違反になる可能性があることです。
1日8件の訪問スケジュールは、労働基準法違反になる可能性があります。
労働基準法では、労働時間について以下のように定められています。
引用)e-Gov 法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
労働基準法では、1日ごと、1週間ごとの労働時間が定められており、これを法定労働時間と言います。
それとは別に、各事業所ごとに定めている労働時間があり、それを所定労働時間と言います。
- 8時30分〜17時30分まで
- 9時〜18時まで など
時間外労働になる基準は、所定労働時間を超えた場合ではなく、法定労働時間を超えた場合になります。
つまり、法定労働時間である「1日8時間」「1週間40時間」を超えてしまうと、労働基準法違反となる可能性があります。
上記労働時間を超えて時間外労働をする場合、もしくは休日に労働する場合には、以下のような特定の手続きが必要になります。
第三十六条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
36(サブロク)協定がないまま時間外労働をすると、事業所側に罰則が科せられます。
1日8件の訪問スケジュールは残業になる可能性が高く、時間外労働が増えてしまうと、労働基準法違反になる可能性もあります。
仕事のパフォーマンスが低下する
4つ目のデメリットは、仕事のパフォーマンスが低下することです。
1日の訪問件数が多くなると、時間の余裕がなくなります。
そうなると心にも余裕がなくなり、ミスもしやすくなります。
- スタッフやケアマネジャーなどへの連絡漏れが起きやすい
- 次の訪問先に間に合うか気になり、目の前の利用者さんに集中できない
- 焦るがあまりやるべきことや確認すべきことが抜ける
- 全体的なケアの質の低下が起こりやすい
また、移動の際の運転にも支障をきたす可能性があります。
次の訪問の時間が迫っていると気持ちが焦るため、運転が雑になることがあります。
最悪の場合、事故を起こすことにもなりかねません。
スタッフが最大限良いパフォーマンスを発揮できる環境のほうが、利用者さんやケアマネジャーなどの他職種の信頼にもつながります。
心にゆとりが持てるスケジュール調整は大切です。
スタッフが疲弊してしまう
5つ目のデメリットは、スタッフが疲弊してしまうことです。
訪問件数が多く、時間に追われるような状態が続いてしまうと、仕事のパフォーマンスが低下するだけでなく、スタッフの疲弊も起こります。
1日8件訪問したスタッフの話を聞くと、このスケジュールが続くとさすがに疲れてしまうと話していました。
スタッフが疲弊すると、本人はもちろん、利用者さんや他のスタッフにも悪影響を与えかねません。
最悪の場合、離職につながる可能性もあります。
各スタッフによってキャパシティはそれぞれですが、スタッフが疲弊せず、訪問看護が楽しいと思えるようなスケジュール調整や環境作りが大切だと思います。
訪問看護で1日8件はデメリットが大きい
結論、訪問看護で1日8件訪問はおすすめできません。
解説しましたように、デメリットのほうが大きいからです。
訪問件数を増やせば売り上げは上がります。
しかし、長期的に見ると、スタッフが疲弊しパフォーマンスが下がった状態が続くことは、訪問看護ステーションにとって不利益になる可能性があります。
スタッフが良い状態で訪問に回れるからこそ、利用者さんにも満足していただけると思うので、スタッフが最大限良いパフォーマンスを発揮できる環境作りが大切だと思います。
もし、働きやすい訪問看護ステーションをお探しであれば、ビジケアが運営する「訪看みっけ」を合わせてのぞいてみてください。
訪看みっけは『訪問看護見学予約サイト』です。
素敵な思いを持ち、スタッフが働きやすい職場環境を整えている訪問看護ステーションがたくさんありますので、ぜひご覧になってみてくださいね。