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双極性障害=気分障害は過去のもの
以前までは気分が高揚したり、落ち込んだりすることで日常生活に支障をきたす病態である「うつ病」、「適応障害」、「双極性障害=躁うつ病」をまとめて「気分障害」と呼んでいました。
しかし、DSM5以降は別の病気として診断されるようになり、双極性障害は、統合失調症に近い病態があると考えられるようになりました。
現在は、日本だけでなく多くの国で使用されています。
DSM5の「5」は、第5版という意味で、現行している診断基準になります。
適応障害と大うつ性障害の違い
以前までは、「適応障害」と「うつ病」を気分障害としてひとまとまりにしていましたが、DSM5以降に「適応障害」と「大うつ性障害」に分類されました。
「適応障害」と「大うつ性障害」は、原因、発症、経過、症状で明確な違いがあります。
「適応障害」と「大うつ性障害」では、使用される薬剤の調整や変更を症状の変化を見ながら行います。
そのため、症状を身近で評価できる看護師がキーとなります。
双極性障害の病態
双極性障害の病態では、「躁」と「うつ」の状態を繰り返します。
上図に示すように双極性障害は、躁状態が数日から数週間、うつ状態が数か月で、躁状態が短いことが特徴です。
うつ状態から躁状態へ変わる時期は躁転と呼ばれ、1年間に4回以上になると急速交代型と呼ばれるようになります。
この躁転では、うつと躁がはっきりと切り替わることはなく、「気分」、「意欲・行動」、「思考」がうつ状態と躁状態で入り混じる混合状態が見られます。
例えば、「意欲・行動」と「思考」が躁状態で「気分」がうつ状態になっている躁転時には、興奮して行動が活発で喋り続けてはいるが、嫌な考えばかり浮かんで気分は死にたくなるほど憂鬱だったりします。
双極性障害には、躁状態とうつ状態を繰り返すI型と軽躁状態とうつ状態を繰り返すII型があります。
II型の躁状態はI型の躁状態に比べて症状が軽いですが、躁状態であるかどうかが分かりにくいためにコントロールがしにくく、うつ状態を再発しやすいです。
また、うつ状態の期間が長く、重症化しやすい傾向があります。
双極性障害のI型、II型ともにうつの占める割合が多くなっています。
最近ではうつ病と思われていた患者さんのうち、16%の患者さんが双極性障害と判明したというデータがあります。
そのため、うつ病と診断されて抗うつ薬での治療を行っている患者さんが躁転してしまうことも考えられます。
また、双極性障害の患者さんは混合状態の時に自殺をするケーズが多く、精神障がいの中でもトップクラスの自殺率になっています。
双極性障害の治療
双極性障害では、寛解期に特に症状がありません。
そのため、軽い躁状態であっても、双極性障害の患者さん自身が気づかないことがあります。
双極性障害の治療では躁状態を早期発見し、その症状を軽くすることでうつ状態の期間を短くしていき、病相の予防を図っていきます。
つまり、「躁・うつの波をコントロールし、再発させない」ことが目標になります。
寛解期から急に起きた躁状態に対して治療しないと2~3か月、軽躁・うつ状態に対して治療しないと6か月ほど症状が続いてしまいます。
また、症状を再発するたびに、発症間隔が短くなりやすいです。
それでは、双極性障害の治療方法とはどのようなものがあるでしょうか?
治療は、「薬物療法」と「心理社会的治療」の2本立てになります。
- 気分安定薬
- 抗精神病薬
- 睡眠導入剤
- 抗不安薬
- 心理教育
- 家族療法
- 認知行動療法
- 対人・社会リズム療法
双極性障害の治療では、看護師が患者さんをじっくりとアセスメントしたり、ケアしていくことが大事になると思います。

今回は、双極性障害の病態について紹介させていただきました。
双極性障害は、躁うつ病と呼ばれていた当時のような気分障害ではなく、気分、意欲・行動、思考に問題が生じ、社会生活を送ることが難しくなる統合失調症に似ている精神障害になります。
治療方法の1つである心理社会的治療は、看護師が介入できる治療になっています。
次回の講座では、双極性障害に対する看護師の役割について紹介させていただきます。
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今回の精神科訪問看護講座では、双極性障害について紹介します。
昔は躁鬱病、今は双極性障害と呼ばれるようになり、病態解釈が変わりました。
そんな双極性障害の病態について解説させていただきます。