独立行政法人福祉医療機構(WAM)の病院・福祉施設向け貸付の固定金利が、令和8年9月1日付で改定されました。
訪問看護ステーションの新築・増改築に関わる「指定訪問看護事業」資金の利率は、前回(8月3日改定)の3.100%から3.200%に上昇しています。新設・拠点整備や設備投資でWAM融資を検討している事業所は、最新の利率表を確認したうえで資金計画に反映してください。
- WAM貸付固定金利が9月1日付で改定されたこと
- 訪問看護ステーションに関係する主な資金の利率と、前回改定からの変化
- 金利上昇局面での資金計画・借入タイミングの考え方
- 融資を検討する際に確認すべき実務ポイント
目次
何が決まったのか(改定の概要)
WAMは、病院・診療所・介護施設・訪問看護ステーションなど福祉・医療分野の事業者向けに、設置・整備資金や運転資金の融資を行っています。この貸付の固定金利は市中金利の動向等に応じて随時見直されており、今回、令和8年9月1日付で改定が行われました。
WAM公式サイトの「金利情報」ページでは、改定後の利率をまとめた「医療貸付主要貸付利率表」「福祉貸付主要貸付利率表」「代理貸付利率表」がそれぞれ公表されています。訪問看護ステーションが利用する主な資金は医療貸付側の「指定訪問看護事業」区分に該当します。

WAMの利率は毎月のように見直されています。「前に確認した利率のまま」で資金計画を立てていると、実際の借入時に数字が変わっていることがあるので注意が必要です。
内容の詳細|訪問看護ステーションに関係する主な利率
訪問看護ステーションに関係する主な資金について、前回改定(8月3日)と今回改定(9月1日)の利率を比較すると、次のとおりです。
| 資金の種類 | 8月3日改定 | 9月1日改定 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 設置・整備資金(指定訪問看護事業、7年以内) | 3.100% | 3.200% | +0.1ポイント |
| 機械購入資金(通常、5年以内) | 2.800% | 3.000% | +0.2ポイント |
| 長期運転資金(通常、3年以内) | 2.800% | 3.000% | +0.2ポイント |
| 長期運転資金(感染症等対応資金、10年以内) | 2.600% | 2.700% | +0.1ポイント |
| 長期運転資金(物価高騰対応資金、10年以内) | 2.600% | 2.700% | +0.1ポイント |
いずれの資金も、前回改定からわずかに上昇しています。保証人不要制度を利用する場合は、これらの利率に一律で0.150%が上乗せされます。
上記はいずれも新築・増改築や設備投資に関わる「固定金利」区分の利率です。実際に適用される利率は、償還期間や優遇制度の有無、貸付金額等によって変わります。正式な利率は、必ず借入時点の最新の利率表またはWAM窓口で確認してください。
訪問看護ステーションへの影響
今回の改定で影響を受けるのは、次のようなケースです。
- 訪問看護ステーションの新設・拠点増設を計画している
- 老朽化した事業所の増改築や、車両・ICT機器等の設備投資を検討している
- 感染症対応資金や物価高騰対応資金などの運転資金の借入を検討している
- すでに借入を申し込んでいるが、実行時期が9月1日をまたぐ
特に新設・拠点整備は数千万円規模の借入になることも多く、0.1〜0.2ポイントの利率差でも、返済期間全体で見た総支払利息への影響は小さくありません。事業計画の資金繰り表を作成する際は、必ず最新の利率で試算し直すことをおすすめします。

「借りるなら早い方がいいのでは」と焦る必要はありませんが、金利が上昇傾向にあるうちは、事業計画が固まっている案件から優先的に手続きを進める方が資金繰りの見通しは立てやすくなります。
今からやるべき実務対応
- 最新の利率表を確認するWAM公式サイトの「金利情報」ページで、医療貸付・福祉貸付それぞれの最新の利率表(PDF)を確認します。
- 資金計画を再試算する新設・増改築・設備投資を計画している場合、改定後の利率で借入額・返済期間・月々の返済額を再計算します。
- 複数資金の組み合わせを検討する設置・整備資金と長期運転資金、感染症等対応資金など、目的に応じて利率の異なる複数の資金を組み合わせられないか窓口に相談します。
- 借入時期を金融機関・専門家と相談する借入実行のタイミングによって適用される利率表が変わるため、顧問税理士や金融機関の担当者と実行時期を調整します。
WAMの貸付利率はどのくらいの頻度で改定されますか?
市中金利の動向等に応じて随時見直されており、令和8年度は4月・7月・8月・9月と、短い間隔での改定が続いています。借入を検討する際は、その都度最新の利率表を確認する必要があります。
訪問看護ステーションの新築資金はどの区分に該当しますか?
WAMの医療貸付利率表における「指定訪問看護事業」の設置・整備資金(7年以内)が該当します。今回の改定で3.100%から3.200%になりました。
すでに借入を申し込んでいる場合、今回の改定利率が適用されますか?
適用される利率は貸付実行日時点の利率表を基準とするのが一般的です。申込み中の案件がどちらの利率表の対象になるかは、個別の手続き状況によって異なるため、WAMの担当窓口に直接確認することをおすすめします。
まとめ|最新の利率表で資金計画を確認する
WAM貸付固定金利は令和8年9月1日付で改定され、訪問看護ステーション関連の資金もわずかに上昇しました。融資を検討している場合は、必ず最新の利率表で資金計画を確認しましょう。
- WAM貸付固定金利が令和8年9月1日付で改定された
- 指定訪問看護事業(7年以内)の利率は3.100%→3.200%に上昇
- 長期運転資金・機械購入資金など他の資金もわずかに上昇している
- 新設・拠点整備・設備投資を計画している事業所は、最新利率での再試算をおすすめする
利率は今後も改定が続く可能性があるため、借入直前には必ず最新の情報を確認してください。























