訪問看護では、利用者さんの心身の健康を守るため、さまざまな力が必要です。
では、どのような能力が必要とされるのでしょうか。
今回は、訪問看護の現場に置いて求められる能力7つを一挙にご紹介します。
訪問看護に興味のある看護師さん、または訪問看護に従事したばかりの看護師さんはぜひ参考にしてください。
目次
訪問看護師に求められる7の能力とは?
訪問看護では、1人で訪問先に向かいます。
利用者さんの居宅では、限られた時間で必要な情報収集を行い、的確なケアを行います。
そのためには以下の能力が必要といえます。
あなたは当てはまるものがあるでしょうか?
1.観察力
利用者さんの疾患に合わせた状態観察は訪問看護のみならず看護の提供には必須です。
利用者さんの普段の状態を把握し、バイタルサインやフィジカルアセスメントを行い異常の早期発見に努めます。
訪問看護では週に1〜3回程度の訪問がほとんどです。
そのため、普段の状態と異なる症状や所見を見落とすことで利用者さんの状態悪化を招くことになります。
訪問看護師にとって観察力はとても大切な能力といえます。
2.行動力
訪問看護では、利用者さんを支援するチームの一員として主治医やケアマネジャーと連携を図ることが重要です。
訪問の現場で得た利用者さんの病状の変化や、生活していく上で困難となっている事柄をそのままにせず支援チームで共有することで解決に導くことができます。
積極的に外部の支援者と連携を図る行動力は、訪問看護では存分に発揮して頂きたい能力です。
3.考察力
看護師のアセスメントは、在宅生活を支える上でとても貴重な視点になります。
利用者さんの現状から考えられるリスクや問題点を見出すことは、他の職種にはない大切な視点です。
考察力のある訪問看護師は、現場で大変重宝される存在です。
4.創作力
在宅での介護は、限りある資源の中で行われます。
- 点滴架台の代わりに帽子かけやカーテンレールにハンガーをかけて使用する。
- 蓄尿袋カバーの代わりに不要になった子供服を被せる。
- 不要になった肌着をおしり拭きとして使用する。
「貧乏くさい」と感じるかもしれません。
しかしお金は有限です。
そして介護は長く続きます。
訪問看護師はさまざまな創意工夫で、利用者さんが在宅での生活を継続できるよう支援していく役割があります。
5.コミュニケーション能力
訪問看護と病院の大きな違いは、看護を行う場所が利用者さんのテリトリーであるということです。
利用者さんの生活スペースに上がるわけですから、失礼のない丁寧な関わりと、適度な距離感が必要になります。
訪問看護師は、ただ喋ることができればいいだけではありません。
相手の思いや表情、動作を読み取る傾聴のスキルも含めた、コミュニケーション能力を要します。
6.協調性
訪問看護ステーションは、病棟と比較すると少ない人数で運営されています。
また、それぞれ働いてきた病院や経験年数が異なるため、時には意見が合わないことも出てきます。
協調性とは、利害や立場の異なる人と譲り合って、協力することができる能力のことを言います。
共に働く仲間と意見を出し合いながら、事業所を高めあうことができる能力は訪問看護師として働く上でとても重要です。
7.持久力
それぞれの事業所の体制によりますが、ほとんどの事業所に忙しい時期は訪れます。
その忙しい時期を、サービスの質を維持して乗り越えることができる訪問看護師はとても貴重な存在です。
訪問看護は体力がいる仕事です。
「体力しか自信がないです。」という方がいますが、訪問看護師にはとても大切な能力と言えます。
全てを持ち備える必要はなし!
ここまで、訪問看護師に求められる7つの能力についてお伝えしてきました。
いいえ、ひとつでも当てはまるものがあれば大丈夫です。
上記に挙げた7つの能力全てを持ち備える訪問看護師は滅多にいません。
在宅でも、看護はチームで行うものです。
足りないものは補うことで完成に近づきます。
自身のできることをそれぞれ持ち寄れば、素晴らしい訪問看護ステーションになります。
必要なのは、訪問看護師それぞれの能力や良さを認め合うことです。
訪問看護師一人ひとりの個性を理解し、能力を最大限に発揮することができれば、訪問看護ステーションの質は格段に上がります。
まとめ
今回は、訪問看護師に求められる能力についてお伝えしました。
訪問看護ステーションに就職すると、テキパキ働く先輩看護師を見て自信を無くしてしまう方も少なくありません。
しかし、それは在宅での経験値を積むことで埋められることがほとんどです。
大切なのは、続けることです。
そして、自身と他者の能力や良さを見つけ、認めることです。
ぜひ現状で諦めず、自分ができることに自信を持っていただければと思います。