結論から言うと、きついです。
厳密には、「入職したばかりの頃はきつい」と言えます。
なぜきついと感じるかというと、訪問看護に対するイメージと現実のギャップがあるからです。
わたしも訪問看護を始めたばかりの頃は、病院で働いていた時とのギャップに戸惑いが多く、新しく知ることばかりでとても疲弊した経験があります。
今回は、訪問看護に入職して、きついと感じたポイントを記事にしてみました。
これから訪問看護の仕事に就こうと考えている看護師さんは、ぜひ参考になさってください。
また、訪問看護のきついと感じた3つのポイントとその対応策も記載しています。
現在訪問看護の仕事に携わっていて同じ悩みを抱える訪問看護師さんも、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
訪問看護はなぜ「きつい」と感じるのか?
訪問看護ステーションに入職して3ヶ月程度の看護師さんと話をすると、次のように話す方が多くいます。
わたし自身も、訪問看護は学生の実習で見たのみで、「在宅はのんびりしている」、「状態が安定した人の看護」というイメージがありました。
実際、在宅医療に足を踏み入れてみたら、イメージしていたものとは全く異なり衝撃的だったことを思い出します。
同じように病院とのギャップに驚きながらも、次々と初めての経験が訪れ、あっという間に時間が過ぎていたという方もいるのではないでしょうか。
入職して3ヶ月程度が経つと、先輩看護師から離れ一人のメンバーとして訪問に回っていることが多いです。
先輩看護師との同行では、いつでも頼れる存在がそばにいて安心して訪問していても、いざ一人で訪問することになると不安が襲ってきます。
このように、想像していたものとは異なる環境で、新しいことを次々と覚えていき、あっという間に一人で考えて動かなければいけない…。
そんなとき、私たちは「訪問看護ってきついなぁ。」と思うのではないでしょうか。
そして、それを解決しないまま業務を続けていれば、退職したいと思ってしまうのも無理ないと思います。
では、訪問看護をもっと楽しく続けるためには、どのような対策を取ればいいのか解説していきます。
訪問看護がきついと感じるポイント①
判断の責任が大きい
訪問看護では、現場で迅速かつ的確な判断をする必要があります。
一人での訪問がメインとなるため、「間違っていたらどうしよう。」と不安になることも多いでしょう。
特にオンコール対応など、急を要する場合には判断に迷うこともあると思います。
このような場面が連続してあると、精神的に疲弊してしまい、訪問看護に仕事がきついと感じます。
精神的な疲弊に対する対策
このように判断の責任の大きさに疲弊してしまう際の対策としては、多くの事例をみて対応のバリエーションを持つことです。
実際に自分が対応しなくても、管理者や先輩看護師がどのように対応したのか聞いておくと参考になります。
特に緊急時の対応については、管理者や先輩看護師の実際の動きを知っておくことが大切です。
繰り返しシミュレーションをしておくことで、いざ自分がその場に立ったときに慌てずに行動することができます。
また、訪問看護は現場には一人で行きますが、病院と同じくチームで動いています。
判断に迷うときには管理者や他の看護師さんに相談し、複数の視点を持つことも大切です。
一人で訪問には行きますが、一人で責任を抱え込まなくて大丈夫です。
みんなで考えて、みんなで成長していきましょう。
徐々に訪問看護師としての経験を積むことで、精神的にも楽になります。
訪問看護がきついと感じるポイント②
時間配分が難しい
訪問看護は、サービスの提供時間が決まっています。
そのため、訪問開始時間に間に合うようにタイムスケジュールを組み立てて看護を提供しなければいけません。
ケア内容によってはとても忙しく、移動も多いため体力を使います。
訪問看護は「のんびりしている」というイメージを抱いている方ほど、そのギャップは大きくきついと感じるでしょう。
体力的な疲弊に対する対策
訪問看護業務の忙しさがきついと感じる場合には、事前準備やタイムスケジュールの組み立てがうまくいっていないことがあります。
1日の訪問の流れを逆算しながら時間の配分ができるようになるまでは、ある程度の経験を要すると思います。
自分に余裕がないと、ケアをこなすだけの訪問看護になりがちです。
訪問看護ではケアをこなすだけでなく、利用者さんの状態観察により異常の早期発見や接遇に配慮した対応が必要です。
業務に慣れるまでは、自分の行動予定を一覧表にしてみる、効率的なケア手順をイメージトレーニングするなど準備を入念に行い、焦らずに適切な看護を提供できるよう工夫してみましょう。
また、先輩看護師がどのように時間配分をしているか注目して同行してみると、とても参考になると思いますよ。
訪問看護がきついと感じるポイント③
他職種連携が大変
訪問看護含め在宅医療・介護を支えるサービスは多数存在します。
訪問看護師は在宅チームの一員として他職種との連携が必須です。
病院ではあまり関わることのなかったケアマネジャーを始めとする介護保険サービスや、地域の病院・クリニックの顔を合わせたことのない医師とも連絡を取り合うことがあります。
こういった他職種連携に慣れず、とても大変できついと感じることがあります。
煩雑な連携業務に対する対策
他職種連携の煩雑さがきついと感じる際には、他職種の役割を理解し必要な情報を適切な相手に伝えることでスムーズに業務が進みます。
他職種の役割を十分に理解できていない場合には、情報共有がうまくいかず時間がかかってしまい、利用者さんへの対応が遅れてしまうこともあります。
まずは、利用者さんを取り巻くチームを支える各サービスについて、それぞれの業務内容を知ってみることから始めてみましょう。
また、医師への報告をする際には、病院のように医師の状況を把握することはできないため、病院ごとの窓口に簡潔にまとめてお伝えすることが大切です。
例えば、地域連携室の医療相談員に連絡する医療機関や、外来看護師に連絡する医療機関、直接医師に連絡する医療機関とさまざまです。
訪問看護指示書の交付を受ける際には、医師への連絡をどのように行うか確認しておくとその後がスムーズです。
訪問看護はきついけどやりがいがある仕事!
前項のように、正直にいうと訪問看護は「きつい」と感じる場面がある仕事です。
しかし、その反面利用者さんとの関わりや、地域の医療機関との連携によるやりがいが大きい仕事でもあります。
病院や施設での仕事とは異なり、利用者さんと1対1で向き合うからこそ親身になってケアを行うことができる点は、訪問看護の楽しみと言えます。
自分の提供した看護に対し効果や改善が見られたり、利用者さんやご家族から直接感謝の気持ちを伝えられたときには強くやりがいを感じられるでしょう。
この記事に記載した対処行動を知っておくことで、訪問看護の仕事がきついと感じる前に対策をとり長く訪問看護を続けていただければ幸いです。
まとめ
今回は訪問看護業務のきついと考えられる3点をまとめてみました。
- 判断の責任が大きい
- 時間配分が難しい
- 他職種連携が大変
訪問看護では、医療行為を提供する技術の根拠や手順は基本に則って行います。
その反面、業務を行う環境やスケジュール、他職種との連携など在宅特有のものも存在します。
もちろん訪問看護は、看護師という国家資格をもった専門職種が行う仕事ですから、簡単な仕事ではありません。
しかし、訪問看護の実際や対応策を知っておくことで、「きつい」と感じる原因となるギャップを軽減することができます。
大変な業務についてはコツをつかんで効率的に行い、訪問看護を楽しむことができれば幸いです。