【訪問看護師も知っておきたい】初回訪問診療導入までの流れ

 

悩む看護師

新しい訪問診療医を検討しているけど、スムーズに進めるにはどんな手順がいるかな?

連携の流れとか難しそうだけど、気をつけることとかあるのかな…。

 

訪問看護師さんで、このような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。

訪問看護において、訪問診療医との連携は重要な役割を果たします。

特に、初回訪問診療の導入をスムーズに進めることで、利用者さんの安心感や適切なケアの提供につながります。

当記事では、訪問看護師も知っておきたい初回訪問診療導入までの流れについてご紹介します。

訪問診療導入について自信を持って対応したい看護師さん、詳しく知りたい管理者さんは、ぜひ参考にしてみてください!

 

 

1.  利用者さん・家族からの相談対応

 

1. 訪問診療の必要性の確認

訪問診療が必要となるケースには、以下のような状況が考えられます。

  • 通院が困難な状態(寝たきり、歩行困難、認知症など)
  • 慢性疾患の管理(糖尿病、心不全、COPD など)
  • 末期がんや神経難病などで医療的管理が必要
  • 在宅医療を希望しているが、医療機関との連携がない

☝ 利用者さんや家族の希望をしっかり確認し、訪問診療が必要かどうか判断します。ケアマネジャーとも状況についてこまめに情報共有します。

 

2. 訪問診療に対する理解の促進

☝ 訪問診療に対する不安や疑問を解消するために、以下の点を説明します。

  • 訪問診療と訪問看護の違い
  • 医師がどのようなサポートをするのか
  • 診療頻度や費用負担の目安
  • 緊急時の対応(24時間対応の有無など)

 

2.  訪問診療医の選定と連携

 

1. 地域の訪問診療医のリストアップ

☝ 地域の訪問診療を提供している医療機関をリストアップし、利用者さんの状態や希望に合った医師を選定します。

  • かかりつけ医が訪問診療を実施しているかを確認
  • 地域の在宅療養支援診療所の紹介
  • 訪問診療ネットワークやケアマネジャーからの情報収集

※ 日頃から地域の訪問診療クリニックのパンフレットを貰っておき、クリニックと相談できるような環境を作っておくと良いですね。

※現在の主治医にも訪問診療への移行について必ず相談・確認をしましょう。

 

2. 医療機関への連絡

☝ 選定した医療機関に連絡し、訪問診療が可能かどうかの相談を行います。

  • 診療可能な対象疾患や訪問エリアの確認(難病や精神は特に慎重に確認が必要です
  • 初回診療までのスケジュール調整
  • 必要な書類の確認(診療情報提供書、同意書など)

※ 訪問診療医も何人もの利用者さんを抱えて回っています。

急に慌てて必要書類をFaxするようなことがないよう、段階を踏んで進めていきましょう

 

3.初回訪問診療の準備

 

1. 必要書類の準備

☝ 訪問診療開始に必要な書類を揃えます。

ぜひ必要書類チェックリストなどを作成しておくことをお勧めします。

  • 診療情報提供書(かかりつけ医から取得)
  • 保険証・介護保険証の確認(介護度や認定期間の確認、難病指定や障害手帳・マル福などは重要ですね
  • 訪問診療の同意書(訪問診療医から取得)

また、訪問看護ステーション側でも、利用者さんの状態や家族の意向を整理し、訪問診療医と共有できるようにします。

 

2.利用者・家族との調整

☝ 初回訪問のスケジュールを調整し、当日の流れについて説明します。

  • 診療の日時と、場所、所要時間など
  • 医師への質問事項の整理 (特指示の有無や訪問看護指示書の内容も含める)
  • 診療当日に準備しておくべきもの

※ 必要書類は、薬局、ケアマネなどの関係者も必要ですから、Faxやチャットなどで率先して共有できると親切ですね!

※在宅の場合は、利用者さんと訪問診療で直接やり取りをすることが多いですが、施設内訪問看護の場合は看護も介入することが多いです。

 

4.  初回訪問診療当日の流れ

 

1. 医師の訪問前の準備

☝ 訪問診療当日は、利用者さんの状態を整理し、以下の情報を医師に共有できるように準備します。

  • 直近の健康状態やバイタルサイン・感染症やアレルギーの有無
  • 服薬状況 (内服薬の残数含む)や副作用の有無
  • 生活状況や家族の介護状況・希望するケアや医療処置

 

2. 診療の立ち会いと情報共有

☝ 訪問看護師が立ち会うことで、利用者さんの状況を適切に伝え、診療後のケアに反映できます。

  • 医師の診察内容の確認
  • 服薬指導や処方内容の確認(軟膏や屯用薬を含む)

※ 訪問診療時に薬局も付き添いしてくださる場合があるので、薬局ともスケジュールは共有しておきましょう!

  • 必要な医療処置やケアの指示受け

 

3. 診療後のフォローアップ

☝ 診療後、利用者さんや家族に診療内容を再確認し、今後のケアについて説明します。

  • 診療の結果と今後の治療方針
  • 訪問看護の対応内容の調整
  • 次回の訪問診療のスケジュール確認
  • 他科受診の有無とスケジュール確認

 

5.  訪問診療導入後の継続的な連携

 

1. 定期的な情報共有 

☝ 訪問看護師は訪問診療医と定期的に情報を共有し、利用者さんの状態に応じたケアを行います。

  • 訪問看護記録の共有(診療時の変化、バイタルサインなど)
  • 緊急時の対応方法の確認(夜間や土日祝日の対応もしっかりと確認しておきましょう)
  • 訪問診療と訪問看護の役割分担の明確化

 

2. 必要時の臨時対応 

☝ 急な体調変化や緊急時には、迅速に訪問診療医と連携を取ります。

  • 緊急往診の依頼方法の確認
  • 症状悪化時の看護ケアの調整
  • 入院が必要な場合の対応

 

訪問診療に関する基本的なQ&A

 

 

Q

訪問診療の費用はどのくらいかかりますか?

A

費用は診察内容や保険適用により異なりますが、一般的に1回あたり1,000~3,000円程度(1割負担の場合)です。

 

Q

訪問診療の費用は健康保険が適用されますか?

A

はい、健康保険が適用されます。

負担割合は1~3割ですが、自己負担限度額を超えた場合、高額療養費制度が利用できます。

 

Q

訪問診療と往診の料金は違いますか?

A

はい、異なります。

定期的な訪問診療は月2回の包括料金制、往診は都度請求されるため、費用体系が異なります。

 

まとめ

訪問診療の導入は、利用者さんが自宅で安心して療養を続けるための重要なステップです。

訪問看護師として、利用者さんやご家族の不安を解消し、スムーズな導入をサポートすることで、より良い在宅医療の実現につながります。

初回訪問診療を円滑に進めるために、医療機関との連携を密にし、適切な準備を行いましょう。

 

先輩訪問看護師
ムーズに連携を図り、訪問診療が開始できると、家族にも安心していただけ良好な信頼関係が築けますね。 

 

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