雪国で訪問看護をしていると、都市部や温暖な地域の看護師とはまったく違う大変さや工夫が必要になります。
冬になると道路は凍結し、吹雪の日は視界すら確保できず、訪問時間の調整にも影響が出ることは珍しくありません。
さらに、車の雪下ろしや駐車スペースの確保、靴の濡れ対策、利用者さん宅の屋外環境の安全確認など、雪国特有の負担が多くあります。
本記事では、雪国で訪問看護を行う看護師が感じる“あるある”を紹介しながら、冬場の訪問を安心・安全にするためのおすすめアイテムを5つ厳選して解説します。
雪国で働く訪問看護師の方はもちろん、これから雪国で働く予定の方にも役立つ内容です。
目次
雪国の訪問看護の特徴
雪国での訪問看護は「交通事情」「天候」「安全確保」「持ち物」の4つが他地域と大きく異なります。
特に冬場は気温が低く、雪によるトラブルが日常的に起こるため、季節ごとに業務のスタイルを変える必要があります。
1.移動時間が長くなり、スケジュール管理が難しくなる
積雪や凍結道路の影響で移動速度が極端に落ちるため、いつもより早めに出発しなければなりません。吹雪の日は視界が悪く、道路の車線が見えないこともあります。そのため、訪問スケジュールは柔軟に調整し、利用者さんや家族へ事前連絡する機会が増えます。
2.利用者さん宅の玄関・外階段の除雪が必要なことも
玄関前や外階段が雪に埋もれていることがあり、看護師が軽く雪かきをして安全な導線を確保することがあります。利用者さんが足元の雪で転倒するのを防ぐため、玄関・ポーチ周りの状況確認も大切です。
3.車の雪下ろしや暖機運転がルーティーンになる
朝は車の雪下ろし、出発前の暖機、ワイパー凍結の解消など、冬場ならではの手間が必要になります。訪問のたびに窓に積もった雪を払う必要があり、これも大きな業務負担です。
4.衣類・靴が濡れるストレスが多い
訪問先の駐車場から玄関までの雪道で靴やズボンの裾が濡れやすく、快適に働くためには防水対策が必須です。また、脱いだ靴底の雪が玄関に溶けて水浸しになることもあり、利用者さんの家を濡らさない配慮が必要です。
このように、雪国での訪問看護は天候に左右されることが多く、日々の業務の中で多くの工夫が求められます。
雪国での訪問看護あるあるとおすすめアイテム5選
雪国で働く訪問看護師が「これは本当に助かる!」と感じるアイテムを、あるあるエピソードとともに紹介します。
1.「滑らない靴は必須!」スパイク付き防滑シューズ
雪国あるある:普通の靴で訪問すると、玄関までの数メートルが命がけ。
凍結した道路や滑りやすい圧雪路では、防滑性能の高いシューズが必須です。特に、
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スパイク付き
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靴底がゴムで柔らかい
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防水加工
の靴を選ぶことで、滑りにくく長時間の訪問でも安心して移動できます。
冬場は走行中に靴底が凍りやすく、玄関先で滑りやすいことがあるため、雪を落としやすい構造も重要です。
2.「雪かきが必要なときも…」携帯用スコップ・折りたたみスコップ
雪国あるある:利用者さん宅の駐車場に入れない。
夜中に積もった雪で、訪問先の駐車場が埋もれていることは珍しくありません。そんなときに助かるのが折りたたみの携帯スコップです。
コンパクトですが、
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車の周りの雪を軽くどける
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タイヤ周りを掘る
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軽いスタックを脱出する
など、実用性は十分。
ステーションの車に1本入れておくと困ったときに役立ちます。
3.「靴を濡らさない!」防水ゲイター(スパッツ)
雪国あるある:駐車場→玄関までの数十歩で靴がびしょびしょ。
特に湿った雪や深い雪では、防水靴だけでは防ぎきれないことがあります。そんなときに便利なのが防水ゲイターです。
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ズボンの裾が濡れない
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靴へのあたりが優しい
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装着が簡単
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車に常備しやすい
雨雪問わず使えるため、冬の必須アイテムとして人気があります。
4.「窓が凍って出発できない…」解氷スプレー(解氷剤)
雪国あるある:朝の出発時、フロントガラスがガチガチに凍る。
氷点下の日は、ワイパーもガラスも凍りつき、訪問出発が大幅に遅れがちです。そんなときに使えるのが解氷スプレー。
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スプレーするだけで氷が素早く溶ける
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ガラス・ワイパー両方に使える
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再凍結しにくいタイプもある
暖機運転だけでは時間がかかるため、冬場は必ず積んでおきたいアイテムです。
5.「体が冷えて動けない…」携帯カイロ・電熱ベスト
雪国あるある:訪問中に体が冷え切って手が動かない。
冬の訪問は、外と室内を何度も行き来するため体が冷えやすく、特に手先がかじかむことで器具の操作に支障が出ることもあります。
おすすめは以下の2種類:
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携帯カイロ(貼るタイプ)
→ 腰・背中に貼ると全身が暖かい -
電熱ベスト
→ 電池式で長時間保温、厚着せず動きやすい
訪問看護は動きやすさが大切なため、「軽くて暖かい」アイテムを選ぶことがポイントです。
まとめ
雪国での訪問看護は、天候・道路状況・服装・安全対策など、業務のあらゆる場面で季節特有の工夫が求められます。
雪国で働く訪問看護師が感じる“あるある”には、日々の業務のリアルが詰まっており、冬を安全に乗り切るためには、便利アイテムを上手に使うことが欠かせません。
今回紹介したおすすめアイテムは以下の5つです。
1.スパイク付き防滑シューズ
2.携帯用スコップ
3.防水ゲイター
4.解氷スプレー
5.携帯カイロ・電熱ベスト
これらを活用することで、雪国の厳しい環境でも安全かつ快適に訪問ができます。
これから雪国で訪問看護を始める方、すでに働いている方の参考になれば嬉しいです。



















