訪問看護のオンコール当番は眠れない?現役訪問看護師の工夫とは

訪問看護師のオンコールって「眠れないのかな?」

こんな不安はありませんか?

在宅で療養する方を支援する訪問看護師。

医療機関と違い交代制で勤務する訪問看護事業所は少なく、多くの事業所がオンコールで対応しています。

訪問看護師の業務は、訪問先で患者さんの状態を評価し必要に応じて医師や薬剤師などの専門家と連携しながら適切な医療を提供することです。

また、患者さんや家族の不安や疑問にも対応し心理的なサポートも行います。

つまり、訪問看護師の役割は「患者さんが自宅で安心して過ごせるようにすること」と言えます。

中でもオンコールという制度は、利用者さんやご家族にとって「看護師にいつでも相談できる」とても心強いものです。

ただ、訪問看護師にとってオンコール当番は「夜間眠れない」という不安材料のひとつではないでしょうか。

そこで今回は、現役の訪問看護師が夜間のオンコール当番時に行っている工夫をお伝えします。

「オンコール当番の時に寝れないことが心配…」という看護師さんは、ぜひ参考にしてください。

 

訪問看護のオンコール|眠れない夜には対策が必要

多くの訪問看護事業所では、患者さんの状態が急変した際に24時間365日対応する「オンコール体制」をとっています。

オンコール対応は、患者さんの命を守るために非常に重要な役割を果たしていますが、訪問看護師にとっては大きな負担となることも事実です。

オンコール対応による最大の負担が「睡眠不足」と言っても良いでしょう。

というのも、オンコール当番の訪問看護師は、常に携帯電話を持ち歩いています。

これは、患者さんからの電話や急な訪問などに深夜や早朝にも対応するためです。

特に、急変の可能性がある利用者さんがいるときは、常に緊張感を持っている状態が続きます。

そのため、精神的な負担が大きくなり、睡眠不足だけでなくストレスによる不調が出ることもあります。

しかも事業所の状況によっては、深夜のオンコール対応の翌日も通常業務に対応することも…。

睡眠不足のまま業務を行うことで、移動や患者さんに対するサービスの質が低下する可能性があります。

また、十分な観察やケアを行えないことで、緊急対応の必要性が高まってしまう状態になれば、時間外の対応が増えるなどの悪循環にも繋がりかねません。

訪問看護師が十分な睡眠をとり、ストレスを感じないようにすることは、看護の質や利用者さんの安全を守るためにはどうしても必要なことです。

 

訪問看護のオンコール|看護師に与える様々な影響とは

訪問看護のオンコール対応が訪問看護師に与える影響には、睡眠、精神的ストレス、仕事効率の低下などがあります。

 

睡眠の量と質が低下する

訪問看護師は、オンコール契約のある利用者さんには「24時間365日」対応する必要があります。

そのため、オンコール当番の訪問看護師はいつでも携帯電話を持ち歩き、深夜や早朝など時間に関係なく対応することが求められています。

特に寝る前には、利用者さんの電話を聞き逃さないようにしなければ、という緊張感を感じる看護師も少なくありません。

常に緊張感を持っているオンコール当番の訪問看護師は、十分な睡眠がとれず睡眠の質が低下してしまうこともやむを得ないことかも知れません。

 

精神的ストレスが増加する

オンコール当番の看護師は、いつでも対応できる状態を維持することが求められるため、常に緊張感を持っています。

特に緊張感が続くことは精神的に大きなストレスを感じるでしょう。

また、睡眠不足によってストレスに対する耐性が低下することもあり、さらなるストレスにつながることがあります。

 

仕事効率の低下

訪問看護師はオンコール対応によって、睡眠不足やストレスを抱えています。

特に深夜に対応した翌日は睡眠不足や疲労感により仕事効率が低下し、移動や看護ケアに影響が及ぶこともあります。

常に的確な判断が求められるケアの質が低下することは利用者さんにとっても望ましいことではありません。

 

このように、訪問看護のオンコール対応は訪問看護師にとって大きな負担となることがあります。

そのために、訪問看護師自身による自己管理でできるだけ負担を小さくしておく工夫が必要なのです。

 

訪問看護のオンコール|現役看護師が実践する「眠れない」対策

訪問看護のオンコール当番の際は十分な睡眠をとれないことがある、ということを踏まえつつ対策を考えておくと良いでしょう。

実際に訪問看護師が行っている、眠りに対する工夫について説明します。

 

睡眠環境を整える

訪問看護師が自宅でオンコール待機をする場合は「眠れる環境作り」を優先しましょう。

静かで暗い空間を確保したり、家事は早めに済ませたり、オンコール当番日はできるだけ用事を入れないように調整するなど「眠れる時に眠っておく」ことが大切です。

また、子育て中の看護師の場合には家族の協力が得られる日に当番が担当できるよう、オンコール当番日を調整しておくと安心です。

 

睡眠前のリラックスタイムを設ける

訪問看護師は、仕事の疲れやストレスが残った状態で寝ることがあります。

睡眠前に深呼吸やストレッチ、瞑想など自分にあったリラックス方法を取り入れることで、より良い睡眠をとることができます。

身体の緊張だけでなく、心の緊張感もほぐしておくことが睡眠の質を向上します。

 

睡眠補助グッズを活用する

睡眠補助グッズを活用することもあります。

例えば、アイマスクやアイピローの利用、ヒーリング音楽を聴くことで眠りやすくなります。

他にも、眠りの質を向上させるラベンダーのアロマオイルを使用することも効果があります。

 

適度な運動をする

訪問看護師は、運動不足になりがちです。

「業務中に身体を動かしているよ?」と感じるかも知れませんが、一定の動作を取っていることが多く、運動量としては不足していることも多いのです。

適度な運動は睡眠の質を向上させるので、ヨガやジムに通うのもおすすめです。

忙しい場合は、普段使わない筋肉を伸ばすストレッチや軽い運動を行うだけでも、運動不足を解消することができます。

 

オンコールの「寝れない」は工夫で対応!自分のケアを大切に

訪問看護のオンコール対応は、患者さんの命を守るために欠かせない役割を果たしていますが、オンコール対応によって「眠れない」というのも事実です。

オンコール体制を見直したり、オンコール対応の看護師を増やすなど、事業所でも改善していくことが望ましいですが、看護師自身でもできることがあります。

訪問看護のオンコールの際は「寝れる時に寝ておくこと」「短くても良質の睡眠を取れるように準備すること」など、できるだけ疲労を残さずに負担感を感じないような工夫をしておきましょう。

利用者さんの安心のために重要な役割を果たす、24時間のオンコール体制。

「寝れない」状況は変えられないとしても、看護師自身ができる工夫を行い利用者さんにとってより良いサポートができる状況を整えておくと良いですね。

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