PTが訪問看護(リハビリ)で驚かされたことを4つ紹介します!

訪問看護(リハビリ)は病院と違って、利用者さんのお宅に訪問し、ご本人の生活スペースでリハビリを行います。

環境も大きく違うため、全く違う場面に出会うことがあります。

 

「訪問看護ならでは」のこと

病院と比べて、基本的にリハビリをする内容は利用者さんや患者さんに合わせるために、大きく異なることはありません。

ただ訪問看護は在宅ということが大きな特徴です。

訪問看護についてもう少し詳しく知りたい方は下記を参照ください。

 

 

病院で患者さんの状況を知るには以下の方法があります。

 

  • 患者さん、家族からの情報
  • 家屋調査

 

要介護被保険者であれば在宅サービススタッフから情報を得られることもあります。

しかし、実際確認できないため、写真や言葉の情報で想像するしかありません。

訪問看護では生活をしている環境を実際に見ることができます。

また、セラピストは看護師さんとよく関わりますが、病院では部署が違うので病棟でのリハビリやカンファレンスがないと関わりが少ないこともあります。

訪問看護では看護師さんと共に同じ事業所内で働き、同じ利用者さんを担当するなど情報交換する機会も自然に多くなりますね。

そこで、PTが訪問看護(リハビリ)で驚かされたことを紹介します!

今回はこれらのエピソードを4つ詳しく解説していきます。

 

  1. リハビリ職も排泄ケアの実施をする
  2. リハビリ職としてのターミナルケアを実践する
  3. エンゼルケアに参加することもある
  4. 訪問先が遠い

 

PTが訪問看護(リハビリ)で驚かされたこと4つ

①リハビリ職も排泄ケアの実施をする

 

病院でオムツ対応患者さんが、リハビリ中にオムツ内で排便をしていたことがありませんか?

そうなったときは病棟へ戻り看護師さん、もしくは介護士さんを呼んで排泄介助をお願いし、一旦リハビリ介入を避けて他の方へ行ったりしますよね。

訪問では看護師さんもいない中で、リハビリをしているためにそうはいきません。

全介助レベルの寝たきりの方でも、サービスを使い日中独居になって生活している方もいます。

さぁリハビリをしようとこちらが意気込んでも、オムツ内から排泄の匂いがしたらそのままリハビリはできませんよね。

そのまま座位姿勢になんかなったら・・・ 想像できますよね。

そうなると、セラピストがオムツ交換をするしかありません。

ただ、数日便秘が続き、座薬を入れていると数日分の便が体に溜まっています。

とめどなく出る便を出し切るまで待ちながら、必死に排泄介助を行います。

看護師さんたちの苦労が分かると思います。

本人はすっきりした表情。

排泄ケアに不慣れであるとリハビリ前にこちらがバテてしまいますが、リハビリはリハビリで時間の許す限りしっかり行いましょう!

 

②リハビリ職としてのターミナルケアを実践する

訪問看護では終末期の利用者さんも沢山利用されています。

 

一部引用:厚生労働省医政局指導課 在宅医療推進室 P10

このように、自宅で最期を迎えたい方が多くいます。

最近では特にコロナ渦になってから、病院に入院すると家族との面会もできないこともあり、自宅での看取りが増えています。

今後は下記のように高齢者はまだ増えますが、現行病床数レベルの下で体制構築していくといわれています。

 

 

一部引用:厚生労働省医政局指導課 在宅医療推進室 P5,P28 

 

そのため、訪問看護のような在宅サービスが重要になってきます。

ついこないだまで会話出来ていた方が、次の日に急に亡くなってしまうこともあります。

長くないことはある程度分かってはいますが、あまりに急なので本当に驚かされます。

そのため、その人が何をしたいかなど確認していく必要があります。

うまくコミュニケーションが取れないことや具体的に浮かばない方もいらっしゃいます。

他職種としっかり情報共有しながら多角的に考えていくことが必要になります。

訪問看護でしっかりその人が何をしたいかを捉え、必要な外出援助のサービスを入れ、その日実現可能なものを考えていくよう支援を学ばせてもらいました。

自宅で最期を迎えられるように、在宅生活を支えている訪問看護の凄さに驚かされました。

私自身もまだしっかり分かりかねることもありますが、終末期のリハビリで利用者さんやご家族に少しでも満足してもらえるよう成長していきたいと思います。

 

③エンゼルケアに参加することもある

少し先ほどのターミナルケアにも関わってきますが、ここではエンゼルケアだけについて紹介したいと思います。

セラピストははエンゼルケアという言葉自体知らない方もいるのではないしょうか?

利用者さんが亡くなられた後に行う死後処置や死化粧を行う尊厳を重視したケアです。

利用者さんの最後にきれいな姿で送ってあげるようにし、ご家族の方にも喜ばれる大切なケアです。

エンゼルケアについてもう少し詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

 

 

病院の時では、もう数日で亡くなりそうな状態になると、リハビリ介入しなくなります。

夜間の内に亡くなっていることも多い為、日中になるとすでに病室からいなくなっていることがよくあります。

訪問看護で、そういったエンゼルケアの機会を見せていただくことがありました。

私もリハビリ担当していた方だったので体を拭かせてもらったり、更衣介助をしたりと看護師さんといっしょにケアをさせてもらいました(セラピストはボランティアです)。

亡くなられた後に利用者さんと関わることは初めてで、看護師さんの今まで知らなかったケアを知ることができました。

セラピストは中々関わることはないかもしれまんせが、死後もしっかりと援助する貴重な経験をさせていただきました。

 

④訪問距離が遠い

 

訪問看護の移動は車で行うところがほとんどだと思います。

ただ、私のように田舎のほうにある事業所は利用者さんの住んでいる地域に訪問看護が少ない為、移動距離がとても長くなります。

事業所から30㎞離れたお宅に行き、そこから次の訪問先まで40㎞近く離れてしまうこともあります。

そのため、2軒の訪問で午前中が終わってしまうこともあります。

会議や研修であれば最近はZoomも使えますが、訪問サービスではそういうわけにいきませんよね。

ドライブ好きの方にはいいかもしれませんが、運転時間が長いので腰痛には注意しましょう!

 

まとめ

病院では中々無いエピソードを紹介できたと思いますが、いかがだったでしょうか?

色んな在宅生活があるとは思いますが、改めて訪問看護のサービスの素晴らしさが分かりました。

どれも私の中で本当にいい経験になったと思います。

困難な症例でも在宅生活を支えることができる訪問看護に興味ある方は是非おすすめです。

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ABOUT US
稲葉 長彦理学療法士
石川県在住/PT/介護士として8年経験し、PTを目指し夜間学校に通い資格取得。千葉県の総合病院病棟で2年、診療所にて7年(整形外科外来)を経験。現在は訪問看護ステーションに勤務し、田舎での地域医療に貢献出来るよう 訪問でのリハビリを勉強中。