訪問看護のリハビリは臨床経験が少なくても可能?

訪問看護に従事するリハビリ職の割合は年々増えています。

以下に示すグラフは、平成13年から平成29年における訪問看護従事者の推移となります。

出典:第182回社会保障審議会介護給付費分科会

グラフからも分かるように理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のリハビリ職種の増加率が年々大きくなっています。

しかし、訪問看護でのリハビリは病院と違い、緊急時に医師や看護師が周りにいません。

そのため、臨床経験が少ないリハビリ職の方は、訪問でのリハビリを敬遠しがちです。

そこで今回は、訪問看護のリハビリは、臨床経験が少なくても可能かどうかについて、考えてみたいと思います。

この記事を読むことで、臨床経験が少ないリハビリ職の方は、訪問看護を志すキッカケになると思います。

最後まで、目を通していただけると幸いです。

 

訪問看護でのリハビリは臨床経験が少なくても可能!

結論からお話しすると、訪問看護でのリハビリは臨床経験が少なくても可能です。

その理由として、以下の3点があります。

  1. 周囲のメンバーがサポートしてくれる
  2. 外部研修が充実している
  3. 在宅では、状態が落ち着いて、安定している方が多い

 

上記を一つずつ解説していきます。

 

①周囲のメンバーがサポートしてくれる

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「訪問看護は、1人で訪問に行く」という点で、抵抗のある若手は多いと思います。

しかし、入職したてのスタッフに1人で訪問に行ってもらうということは、ほとんどありません。

はじめの数ヶ月間は試用期間という形で同行訪問を経てから、独り立ちするという流れが一般的です。

そのため、始めのうちは、訪問看護でのリハビリがどのようなものか、先輩に学びを乞うことができます。

まずは、先輩がどのように利用者さんに接して、どのような介入をしているのかをしっかり学ぶ必要があります

そうすることで、慣れた利用者さんから、訪問に行かせてもらえるようになり、訪問においての経験を積んでいけます。

独り立ちしてからにおいても、以下の2点で、緊急事態や介入がうまくいかない時でも安心して訪問ができます。

・緊急時の対応では、電話で指示を仰ぐことができる

・介入においては、先輩セラピストに相談できる

緊急時は、電話で、管理者や看護師に状況を説明して、指示を仰げます。

リスク管理においては、管理者などの看護師がバックについていると思うと、利用者さんに何かあった時でも安心できます。

緊急事態だけでなく、一般的なリハビリ中止基準に当てはまる方なども、その日に介入を進めて良いか、不安な時は電話で確認します。

また、訪問時にうまく進められなかった時などは、事務所に戻ってから、先輩セラピストに相談ができます。

先輩セラピストが忙しくしている場合もあるかもしれません。

しかし、訪問経験が少ない人を採用する時点で、相談事が増えることは織り込み済みですので、配慮はしつつ、気にせず相談しましょう。

②外部研修が充実している

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訪問でのリハビリの研修においては、以下の団体が教育に力を入れています。

初任者研修から管理者研修まで、定期的に開催しており、訪問でのリハビリを進めていく上で、とても勉強になります。

この他にも、各自治体で、訪問看護ステーション協会があります。

訪問看護ステーション協会では、協会主催の勉強会も定期的に開催されます。

外部研修を活用して、知識や技術を深めることが可能です。

参考:一般社団法人東京都訪問看護ステーション協会

 

③在宅では、疾患が落ち着いて、安定している方が多い

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在宅の現場では、病院と違い状態が安定した方が多いです

病院は治療をする場であり、入院している方においては、何かしらの疾患が付きものです。

在宅の現場では、介護保険での訪問看護を利用されている方が多く、何かご病気を患っている方はいますが、状態は落ち着いていることが多いです。

難病の方や重症度の高い方などもいますが、始めのうちは、担当になることは少なく、先輩セラピストが担当になることが多いです。

訪問看護で働いていく上で、少し慣れてきたら、先輩セラピストはどんな利用者さんに訪問していて、どんな介入をしているのか確認してみることも重要です。

そのため、リスク管理で大事になることとして、訪問した状態と前回の訪問した状態での違いに意識します。

少しでも変化があった際は、管理者や看護師に確認して、必要であれば病院受診を促したり、ご家族へ連絡します。

訪問看護でのリハビリにおいて、利用者さんを改善させるに越したことはありません。

しかし、1番重要なのは、日常生活動作を安全・安楽に過ごせるようにサポートすることです。

このように、重症度の高くない利用者さんを担当することから始め、徐々に学びを深めていくことで臨床経験が少ない方でも訪問看護でのリハビリスタッフとして問題なく働くことができます

 

まとめ

今回は、訪問看護でのリハビリは臨床経験が少なくても可能かについて、お話ししました。

以下の3点から、訪問看護でのリハビリは、経験年数が少なくても可能です。

 

  • 周囲のメンバーがサポートしてくれる
  • 外部研修が充実している
  • 在宅では、状態が落ち着いて、安定している方が多い

誰でも、行ったことがないことを始めるには抵抗があります。

訪問看護のリハビリ従事者が増えているというのは、需要がある・求められている結果だと思います。

この記事を読んでいただき、臨床経験が少ない方でも、在宅で暮らす方々の支援をしていこうと思っていただければ幸いです。

 

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ABOUT US
H.F理学療法士/ライター
埼玉県で訪問看護ステーションの所長をやっております。 規模拡大できるよう尽力しています。 ライターとしても、駆け出しですが、 知識を深めるためにも頑張っていきます。