訪問看護師が独立するための準備とは?実際に独立した訪問看護師が解説します。

訪問看護で働いていたり、病院から退院する患者さんの退院支援を行っていると、「自分で訪問看護ステーションを立ち上げたい!」と考える看護師さんやセラピストさんがいるのではないでしょうか。

今回は、実際に独立開業をした訪問看護師が、独立に向けた準備について解説します。

訪問看護ステーションの開業で独立を考えている看護師さん、セラピストさんはご参考にしてください。

 

訪問看護とは?

訪問看護とは、主治医の指示の下で看護師やセラピストが利用者さんの居宅へ出向き、看護やリハビリを提供する在宅サービスです。

利用者さんの居宅とは、自宅だけでなく施設等も含みます。

訪問看護は在宅医療が推進される現代でニーズの高い職業であり、全国の事業所数は年々増加傾向にあります。

公益社団法人日本看護協会他による「訪問看護アクションプラン2025–2025年を目指した訪問看護」によると、2025年までに約15万人の訪問看護師が必要であると述べています。

訪問看護ステーションは、今後ますます増加していくことが予測されます。

 

訪問看護の経営者は看護師が多い?

訪問看護の設置基準は、医療法人のみではありません。

規定では、「法人格(医療法人、営利法人、社団・財団法人、社会福祉法人、地方公共団体、協同組合、NPO法人など)を有すること」となっており、さまざまな法人が訪問看護ステーションを運営しています。

そのため訪問看護ステーションを運営している経営者は、看護師だけではありません。

訪問看護ステーションは管理者として看護師または保健師を配置する必要があります。

しかし、経営者は看護師に限らず、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士である場合や、その他の業種の方が立ち上げていることもあります。

 

訪問看護師が独立するための準備とは?

 

では、訪問看護ステーションを開業して独立するための準備はどのようなものが必要になるでしょうか。

私は以下のような手順で準備を進めています。

 

 

  1. 開業地域を調査・選定する
  2. 開業までの流れを理解する
  3. 開業時期を決定する
  4. 自己資金を準備する
  5. 開業に必要な人員を揃える

 

 

ここからは、上記の各項目について詳しく解説していきます。

 

1. 開業地域を調査・選定する

訪問看護は、訪問診療のように訪問できる範囲が決まっているわけではありません。

しかし、ほとんどの場合、事業所から近隣の地域に訪問を行うことが多いです。

そのため、訪問看護事業所を設置したい地域の調査や選定は重要になります。

私は自身の住まいや地域の高齢者や障害者など訪問看護を必要とする人口、地域の訪問看護や訪問診療などの分布を踏まえて地域の選定を行いました。

 

2. 開業までの流れを理解する

訪問看護で独立するためには、法人をもつ必要があります。

また、事業所を設置する地区の管轄によって訪問看護を始めるための手続き(指定申請)の方法が異なります。

まずは訪問看護事業所開設までの流れを把握しておくと、その後の動きに無駄がなくスムーズです。

 

記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。

 

3. 開業時期を決定する

次に、開業の時期を検討します。

法人登記や指定申請の手続きには時間がかかるものです。

法人登記から行う場合には、最低でも6ヶ月程度の期間を持ってスケジュールを設定していくとよいとされています。

実際に私が開業までの手続きは、開設9ヶ月前から動き出しました。

常勤として働きながら手続きをしていたため、空き時間が少なく余裕を持って動き出したのですが想像以上に時間がかかった印象です。

 

4. 自己資金を準備する

訪問看護事業では、1,000万円から2,000万円程度の資金が必要となることが多いです。

訪問看護を開業する方のほとんどが日本政策金融公庫や信用金庫などの金融機関からの借入を利用していますが、その際に必要になるのが自身で貯めた自己資金です。

私は貯金が得意なタイプではなく、自己資金を2年間かけて0から準備したも同然です。

自己資金を準備するためには、色々な方法があります。

一番オーソドックスなのは、働いた給与からコツコツを貯金することです。

そのほかにも家族や出資者から協力を得る方法もあります。

いずれにしろ自身が自由に使えるお金である必要があり、融資に関する知識も必要となります。

 

5. 開業に必要な人員を揃える

訪問看護を開設するためには、なんといっても人員基準を満たす看護師数が必要です。

開業準備の際に、最も難関といっても過言ではありません。

法人が設立されれば求人広告を出すことができますが、費用もかかるため慎重に進めていく必要があります。

特に開業初期のメンバーが訪問看護を運営していく上で軸となるとても大事な人員ですから、自身の掲げる信念に共感してくれる人が望ましいです。

私は元々の知人が開設時の初期メンバーとなったため、今後の相談もしやすく助かりました。

人員確保の方法も求人のみではないので、ぜひ様々な場所で出会う人間関係を大切にして自分と一緒に事業所を大切にしてくれるメンバーを揃えてくださいね。

 

まとめ

 

今回は、訪問看護師が独立するための準備について解説しました。

ビジケア有料会員に登録すると、訪問看護事業の開設に向けたより詳しい情報発信を行っています。

私も開業に向けて、たくさんのサポートを受けた1人です。

開業までの支援だけでなく開設後の経営相談、訪問看護の実務相談に至るまで、実際に開業経験のある訪問看護師や医療従事者からの支援を受けることができます。

これから訪問看護を開設しようとお考えの看護師さん、セラピストの方はぜひお気軽にお問い合わせくださいね。

ビジケア公式LINEに登録すると、訪問看護に関する最新情報(診療報酬や介護報酬改定を中心とした内容)が月に2回無料で配信されます。

最新セミナー情報やお得なご案内も配信していますので、よろしければ登録をお願いします。

友だち追加

 

ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ