2月といえば国家試験のシーズンですね!
試験に向けて毎日朝から晩まで必死に勉強していたことを思い出しました。
朝から晩まで勉強したのは人生を振り返ってみてもあの時だけです…
さて、今回は新卒から訪問看護ステーションで働くリハビリスタッフのリアルということで実際に新卒から訪問看護ステーションで働くスタッフにインタビューしてみました!
私が働いている訪問看護ステーションでは3年前ぐらいから新卒採用をしていて、現在3名(理学療法士2名、作業療法士1名)のスタッフが新卒から働いています。
訪問看護ステーションで新卒採用をされているステーションは多くないイメージですが、実際に新卒から働いてみて感じたことや新卒スタッフを教育する立場から感じたことなどを書いてみました。
目次
訪問看護で働くリハビリスタッフは少ない
そもそもリハビリ業界で訪問看護ステーションで働いているリハビリスタッフはどれぐらいいるのでしょうか?
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の割合を調べてみました!
協会会員数 62294人
訪問看護ステーション勤務 2147人 全体の約3.4%
※一般病院 27429人 全体の44%
言語聴覚士は統計データがなく詳細がわかりませんでした。
協会に入会していない方々もいるのでざっくりの数字になってしまいますが…
訪問看護で働くリハビリスタッフは増えてきてはいるもののまだまだ少ないのが現状です。
そんな中で新卒から訪問看護へ
数少ない訪問看護ステーション勤務のリハビリスタッフの中で新卒から訪問看護ステーションで働く人はもっと少ないと思われます。
私が新卒だった頃(約9年前になりますが)は一般病院で働くことがスタンダードで同じ学科の同級生や先輩たちも総合病院へ就職した人たちがほとんどでした。
学校へきていた求人も病院関連のものがほとんどで訪問看護ステーションのものはなかったと記憶しています。
そんな中で新卒から訪問看護に就職を決めて、現在も訪問看護の現場で働き続けていて感じることは何なのかを実際に聞いてみました!
新卒から訪問看護ステーションに就職しようと思った理由は?
学生時代の実習で訪問看護の現場を経験させていただきました。
病院にも実習に行かせていただきましたが、病院を退院されてからの在宅生活をサポートすることに魅力を感じ、訪問の道にすすもうと決めました。
就職先を探していて訪問で新卒募集をしていたところが今の職場(訪問看護ステーション)だけでした。
新卒から訪問の道にすすもうと決意したことは勇気があってすごいと思います。
やっぱり訪問分野で新卒募集しているところは少ないみたいですね。
新卒から訪問看護で働いてみてよかったことは?
経験がない状態で訪問リハビリの経験ができたことです。
大変なことも多いですが経験がないからこそいろいろなことを吸収することができ、訪問の魅力を感じながら利用者さんとリハビリをさせていただくことができました。
新卒から訪問看護で働いてみて大変だったことは?
同じ疾患の利用者さんでもリハビリの目的が全く違うことです。
訪問看護は利用者さんの自宅に訪問してリハビリを行わせていただくので、利用者さんごとに生活スタイルが全く異なります(当たり前ですがw)
その人らしさを大切にしながらリハビリを通してサポートしていくことは楽しくもありますが大変なことが多いと感じます。
訪問でのリハビリとなると利用者さんの生活環境の中に入っていくことになるので、柔軟な対応が求められるので大変なことが多いかと思います。
入職前の不安は?
1人で利用者さんのところに訪問することが不安でした。
1人なので利用者さんに満足してもらえるのか、自分はどこまでできるのかということに不安がありました。
病院などであれば先輩がリハビリ室にいてくれたり、医師や看護師など多職種のスタッフがいるため緊急時など何かあれば頼りやすい環境ですよね。
しかし、訪問の現場は基本的に1人なので不安になる気持ちはわかります。
訪問看護で働いていま思うこと
入職して3年目になりますが、利用者さんのところへ訪問するときは緊張というか、身の引き締まる思いです。
それは利用者さんの生活をサポートしていくということには責任があります。
そのためいい緊張感をもって毎回利用者さんのところへ訪問させていただいています。
その気持ちは私もわかります。
病院とは違い訪問の現場は1人で対応するため、万が一のことが起こった時の対応など、緊張感をもっておく必要があります。
新人に向けて緊急時の対応やフィジカルアセスメントについて勉強会を行い、知識や技術の共有をしています。
新卒スタッフを教育するうえで大変だったこと
新卒スタッフ側からの視点だけでなく、新卒スタッフを受け入れて教育していく立場の視点からも経験談をお伝えさせていただきます。
独り立ちしてもらうタイミング
繰り返しになりますが訪問現場は1人になるため、いつから1人で訪問してもらうかの判断が難しかったです。
最初は同行し見学してもらう→同行しながら実際に利用者さんに触れたり、簡単なリハビリをしてもらったり段階を踏んで経験を積んでいってもらいました。
リハビリ内容だけでなく接遇やマナーなども指導しながら、まずは利用者さんと信頼関係を築いてもらえるように努めました。
そこからいつ1人で訪問してもらうかの判断ですが
①利用者さんとの関係性(新卒スタッフが同行していないタイミングで利用者さんへ聞き取り、客観的にみて円滑にコミュニケーションがとれているか)
②リスク管理ができているか
③接遇マナーができているか
④リハビリプログラムやゴール設定がたてられるか
細かくすればもっとありますが大まかには以上を踏まえながら判断し、入職から約3ヶ月ほどで1人で訪問してもらいました。
完全に1人ということはなく、先輩スタッフと2人担当制で適宜フィードバックをしながら指導して行きました。
教育環境の整備
何よりも大変と感じたことは教育環境を整えてあげることでした。
訪問は基本的には1人で、新人スタッフに毎回同行してあげられるわけではありません。
そのため、独り立ちをしてもらったあとで同行する回数が少なく、リハビリ内容など実際に訪問現場で指導する必要があることを十分に教えてあげられなかったです。
その反省を踏まえて現在では新卒スタッフ用に教育マニュアルを作成し、それに沿って教育担当スタッフが指導できるようにしています。
それに加えて、定期的に勉強会を開催しています。
看護師にも協力していただき、リハビリの知識や技術だけでなく、看護の知識や技術も学んでもらえるようにしています。
こういった看護師とリハビリの距離が近いということは訪問看護のいいところだと思います!
最後に
今回はリハビリ職の新卒スタッフのリアルを書かせていただきました。
新卒採用されている訪問看護ステーションはまだ多くないかもしれませんが、何かの参考になれば幸いです。
協会会員数 129875人
訪問看護ステーション勤務 3506人 全体の約2.7%
※一般病院勤務 44447人 全体の約34%