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ありがた迷惑ルーチン指示:血圧低下時
事例で血圧低下時の指示の対応をみてみましょう。
sBP80mmHg以下:昇圧剤投与開始の指示
尿路感染症による敗血症ショックで入院中。入院当日。BP78/50(59)mmHg、HR 98回/min、BT37.0℃。ノルアドレナリン投与とODA(ドパミン)投与が開始された。
60分後、BP82/54(63)mmHg、HR122回/min。末梢冷感あり。RR24回/min、37.0℃。
事例では、昇圧剤投与60分後、血圧は少し上がりますが、頻脈になり、末梢冷感もでています。
この対応は、昇圧剤投与で良かったのでしょうか。
体液量
体内の水分量
体内の水分は約60%です。
細胞外液は20%、細胞内液は40%です。
さらに、細胞外液は、組織液が15%、血漿が5%です。
つまり血漿の割合は約8%、全体の約12分の1になります。
侵襲時の体液量
侵襲時は、細胞外液の割合が変化します。
侵襲が生じると血管透過性亢進によりサードスペース(非機能的細胞外液)ができるため、循環血漿量が減少します。
そのため、脱水状態になり、体が浮腫んできます。
体液量を評価する
侵襲時は、体液量をきちんと評価することが重要になります。
皮膚・粘膜
皮膚や粘膜から評価するには、口渇の訴えがないか、口腔内・腋窩の乾燥、皮膚ツルゴール、末梢冷感、CRTをみていきます。
ツルゴールは、皮膚をつまみ2秒以上皮膚が元の状態に戻らない場合、体液量が減少している可能性があります。
高齢者の場合は前額部だと評価しやすいです。
個人差もあるので、普段の状態と比べることが大切です。
CRTは、爪を5秒押して、血色が2秒以内で戻るか観察します。
計測値
心拍数、尿量・尿比重、インアウトバランス、下大静脈径から体液量を評価します。
脱水なると、心拍数を上げて心拍出量を補おうとするので、頻脈になります。
インアウトバランスをみるときは、不感蒸泄が15ml/kg/日なので、体重60kgの人の場合平熱で900ml/日になることも考慮してください。
色
体液量が減少すると、尿の色は濃くなります。
波形の変動
SpO2、動脈圧の波形から体液量を評価することもできます。
上の画像のように、脱水状態の時は、波形が波打っているようになります。
テスト
下肢挙上テストという評価方法があります。
下肢を挙上すると、約300mlの補液と同等の効果が得られます。
下肢を挙上して、脈圧が12%以上増加した場合、輸液と同等の効果があると判断できるため脱水状態であると推測できます。
輸液の種類による血管内容量の違い
敗血症ガイドライン2016では、『敗血症性ショックにおいて血管内容量減少のある患者の初期輸液は、細胞外液補充を30ml/kg以上投与することを推奨する』としています。
上の画像のように、輸液の種類により血管内容量の増加する量も違います。
輸液をする時は、血管内にどれくらい入っているのかということも考えることが大切です。
























今回は、集中治療室での視点を、在宅ケアに活かしてもらえるようお話します。