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がんにおける日本の現状
みなさん、「がん」と聞いてどんなことをイメージしますか?
様々なイメージがあると思います。
私たち看護師は、考え方や捉え方が多様な方々と接するということを、まずは理解していく必要があります。
がんの統計データ
では、がんの統計データを見てみましょう。
がんになる人は2人に1人、がんで亡くなる人は3人に1人であり、がんによる死亡者数は増えている現状です。
なぜ、がんになるのか?どんな人が、がんになりやすいのか?
細胞分裂や情報伝達のエラーで癌細胞ができ、悪性化したものが癌になると言われています。
このエラーは、高齢になるほど生じやすいため、平均寿命が伸びているということからも、がん患者が増えていることが分かります。
タバコや飲酒などの生活習慣を持つ男性の方ががん患者は多く、肺癌や胃がんが主です。
女性は20〜50代前半で乳がんや子宮頸癌が多いです。
症状コントロールの概要
症状とは一体なんでしょうか?
症状とは、本人だけが感じている不快あるいは苦痛の感覚
そのため客観的なものだけでなく、主観的な評価がとても重要です。
がんの患者が訴える症状
がん患者の症状の要因は、さまざまなところにあります。
- 腫瘍部位から生じる症状
- 浸潤・転移による症状
- がん治療の副作用による症状
- 副作用を軽減するための緩和・支持療法による副作用等
がん治療のために使用していた薬剤の副作用により症状が生じることは、多々あります。
病態を整理し、何による症状なのか、必要な薬剤は何か、量はどの程度必要なのかを考えていく必要があります。
がんに伴う症状
症状としては、疼痛、嘔気、倦怠感、せん妄、呼吸困難などが出てくることが多いかと思います。身体的な症状があると、精神面にも影響を与えるため、まずは身体的な苦痛の緩和を優先しましょう。
身体的、心理的、社会的、スピリチュアルの4つの側面で観察していくことが重要です。
症状マネジメント
症状マネジメントの目標は、「その患者さんの体験している症状を緩和し、患者さんにとっての良いQOLの状態を保つようにする」ことです。
患者さん自身が症状をどう捉えているかを踏まえて症状アセスメントをし、患者さんにどういう役割を与えるかを意識することで、スピリチュアルペインにアプローチすることができます。
- フィジカルアセスメント
- 患者・家族のニーズの把握
- 薬剤による症状マネジメント、非薬理学的介入(非薬理学的介入においては、エビデンスカードというものを検索して検討する)
- 患者・家族へのケア
- トータルペインへのアセスメントとケア
- チームケア
- 症状緩和のシステム
まとめ
では、今回の講義のまとめです。
- 高齢化や生活習慣によりがん患者は増えており、2人に1人が、が、3人に1人ががんで亡くなる
- 症状とは、本人だけが感じている不快あるいは苦痛の感覚である
- 身体的、心理的、社会的、スピリチュアルの4側面で評価し、身体的な苦痛の緩和を優先する
- 症状マネジメントの目標は、「その患者さんの体験している症状を緩和し、患者さんにとっての良いQOLの状態を保つようにする」ことである
- 症状マネジメントにおける看護師の役割は多岐にわたる
動画で勉強する
今回の講義は、いかがだったでしょうか?
次回以降は、より詳しく疼痛コントロールについてお話していきたいと思います。お楽しみに!
こんにちは。がん看護専門看護師の具志堅です。
これから緩和ケアについて、みなさんと学んでいきたいと思います。
今回は、症状マネジメント概要編です!がんの社会的背景も交えながらお話ししていきます。