訪問看護ステーションの営業チラシ|作成のポイントを解説

「営業チラシを作ってはいるけれど、なかなか反応がない」「そもそも何を載せればケアマネジャーさんの目に留まるのかわからない」——訪問看護ステーションの営業活動において、チラシは今でも欠かせないツールですが、作り方次第で反応率は大きく変わります。

ただ事業所名と対応可能な疾患を並べるだけのチラシでは、数多くの事業所の中から選んでもらうことは難しいのが現実です。この記事では、チラシを2つのタイプに分けて、それぞれの作成ポイントと、配布先・表示上の注意点までを整理して解説します。

この記事でわかること
  • 営業チラシの2つのタイプ(紹介型・情報提供型)とその違い
  • 紹介型チラシで差別化と親近感を伝える工夫
  • 情報提供型チラシで反応を得るための3つのポイント
  • チラシの配布先と、表示内容で気をつけたいルール

訪問看護ステーションの営業チラシ、2つのタイプ

訪問看護ステーションが作る営業チラシは、大きく2つのテーマに分けて考えると作りやすくなります。

タイプ目的主な配布先
紹介型事業所そのものを知ってもらい、選ばれる理由をつくる居宅介護支援事業所・地域包括支援センター等
情報提供型医学的な情報を通じて専門性・信頼感を伝える病院の地域連携室・診療所・居宅介護支援事業所等

どちらか一方だけに絞る必要はなく、この2タイプを複数パターン用意しておき、訪問先や時期に応じて使い分けるのが効率的です。

紹介型チラシ|作成のポイント2つ

紹介型チラシは、事業所の存在と特徴を知ってもらうためのものです。単なる会社案内にせず、次の2点を意識すると反応が変わってきます。

①差別化するためのイメージをつける

「対応可能な疾患」「保険種別」だけでは、他の事業所との違いが伝わりません。在籍スタッフの資格構成を数字で示す(例:看護師◯名、リハビリ専門職◯名在籍)、対応可能な医療処置(人工呼吸器・褥瘡処置・ターミナルケア等)を具体的に挙げる、24時間対応の有無を明記するなど、「この事業所は何が強みか」が一目でわかる工夫を入れましょう。

②親近感を与えたり利用のしやすさを伝えたりする

制度や医療処置の話ばかりでは、利用を検討する家族にとって距離を感じさせてしまうことがあります。管理者やスタッフの人柄が伝わる一言、笑顔の写真(利用者さんの個人情報に配慮した上で)、「まずはお電話だけでも構いません」といった相談のしやすさを伝える一文を添えると、親近感につながります。

紹介型チラシは、開設時だけでなく、スタッフが増えた・対応エリアを広げた・新しい医療処置に対応できるようになったといったタイミングでも更新する価値があります。情報が古いままのチラシを使い続けていると、実際の対応力とのズレが生じ、せっかくの相談機会を逃してしまうこともあるため、半年〜1年に一度は内容を見直す習慣をつけておくとよいでしょう。

看護師 上妻
看護師 上妻

ケアマネジャーさんは日々たくさんの事業所のチラシを受け取っています。「他と何が違うのか」が3秒で伝わるかどうかが、記憶に残るかどうかの分かれ目だと感じますね。

情報提供型チラシ|作成のポイント3つ

情報提供型チラシは、医学的なテーマを通じて専門性を伝えるものです。次の3点を意識して作成しましょう。

①わかりやすいタイトルをつける

「褥瘡ケアについて」のような漠然としたタイトルより、「その傷、褥瘡かも?早期に気づくための3つのサイン」のように、読み手の疑問や不安に寄り添ったタイトルのほうが目に留まりやすくなります。

②内容を具体的に記載する

抽象的な説明ではなく、「こういう症状が見られたら」「こういうタイミングで相談を」といった具体的な事例やチェックポイントを入れることで、読み手が自分自身や担当している利用者さんに当てはめて考えやすくなります。

③「気軽にご相談ください」で締める

情報提供型チラシの最後は、必ず相談への呼びかけで締めましょう。「判断に迷ったら、まずはお電話ください」といった一言があるだけで、チラシを見た人が実際に行動を起こすきっかけになります。

情報提供型チラシのテーマは、次のような内容が扱いやすい傾向にあります。

  • 褥瘡の早期発見のポイント
  • 服薬管理の工夫(お薬カレンダー・一包化等)
  • 転倒予防のための住環境の見直し
  • 感染対策(手洗い・換気等)の基本
  • 季節ごとの体調管理(脱水・熱中症・インフルエンザ予防等)

これらのテーマは、ケアマネジャーや家族が日常的に気にかけているものが多く、専門職ならではの視点で具体的なアドバイスを添えることで、事業所の専門性が伝わりやすくなります。

POINT

紹介型・情報提供型それぞれ2〜3パターンのテンプレートを用意しておくと、訪問先や季節・テーマに応じて使い分けることができ、営業活動の効率が上がります。

チラシ作成で意識したいデザインと効果測定の工夫

内容が固まったら、デザインと運用面でも意識しておきたい工夫があります。

レイアウトは「1枚1メッセージ」を意識する

チラシは受け取る側がじっくり読み込んでくれるとは限りません。1枚のチラシに事業所紹介・対応疾患一覧・料金案内・スタッフ紹介をすべて詰め込むと、結局どれも印象に残らないという結果になりがちです。最も伝えたいメッセージを1つに絞り、それを大きく・目立つ位置に配置し、その他の情報は補足として整理するレイアウトのほうが、結果的に記憶に残りやすくなります。

QRコードで次の行動につなげる

チラシの下部に、事業所のホームページやLINE公式アカウント、電話番号を大きく記載したQRコードを添えておくと、その場で連絡を取らなかった相手が後から検索・アクセスしやすくなります。特に情報提供型チラシは「気になったときにすぐ調べられる」導線を用意しておくことで、相談への呼びかけがより行動につながりやすくなります。

反響を測る工夫を取り入れる

配布したチラシがどの程度反響につながったかを把握するために、チラシごとに異なるQRコードのURLを設定する、電話を受けた際に「どちらでご覧になりましたか」と一言尋ねる、といった工夫を取り入れると、次のチラシ作成に活かせる情報が蓄積されます。反響が薄いテーマのチラシは内容を見直し、反響が多いテーマは他のバリエーションに展開するといった改善のサイクルを作ることが、営業活動全体の効率を高めることにつながります。

看護師 上妻
看護師 上妻

「配って終わり」にせず、どのチラシが反応がよかったかを振り返る時間を作ることが大切だと感じます。忙しい中でも、月1回でも振り返る機会を設けると、次のチラシの完成度が確実に上がっていきますね。

チラシの配布先と活用シーン

作成したチラシは、主に次のような先に配布・活用されます。

  • 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー向け)
  • 病院の地域医療連携室・退院支援部門
  • 診療所・クリニック
  • 地域包括支援センター
  • 新規開設時のポスティング・自治会への回覧(地域や自治体のルールに従う)

開設直後の営業活動から、事業所が安定してからの関係維持まで、継続的に使えるツールとして活用されています。

チラシの表示内容で気をつけたいルール

チラシは訪問看護ステーションを知ってもらうための重要なツールですが、表示内容には一定の注意が必要です。訪問看護ステーションは医療法上の「病院・診療所」には該当しませんが、誘引性(利用を誘う意図があること)と特定性(事業所名が特定できること)を満たす表示は、広告として扱われる可能性があるという考え方が示されています。

実際の対応としては、事実に基づかない表現や、他事業所との比較を誇張した表現、「必ず良くなります」といった効果を保証するような表現は避け、景品表示法の観点からも、一般消費者に誤解を与えない具体的で正確な表示を心がけることが大切です。判断に迷う表現があれば、所属する法人の運営規程やコンプライアンス担当と事前に確認しておくと安心です。

注意

「業界No.1」「絶対に対応可能」など、根拠のない優位性・確実性を示す表現は避けましょう。在籍資格者数や対応実績など、事実として提示できる情報を具体的に記載することが、信頼される表示につながります。

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よくある質問

チラシは紹介型・情報提供型のどちらを先に作るべきですか?

開設直後や新規エリアへの営業では、まず事業所の存在と特徴を知ってもらう紹介型チラシを優先するのが基本です。関係ができてきた先には、情報提供型チラシで専門性を伝えていくと、継続的な関係構築につながりやすくなります。

チラシに利用者さんの写真を使ってもよいですか?

利用者さんの写真を使う場合は、必ず本人・家族から明確な同意を得る必要があります。個人が特定される情報(氏名・住所・詳細な病状等)は原則掲載を避け、同意の範囲を超えた使用にならないよう十分に配慮しましょう。

チラシのデザインは外部に依頼したほうがよいですか?

内容の骨子(誰に何を伝えたいか)は事業所内で固め、デザインの仕上げは外部のデザイナーに依頼するという分担も一般的です。予算に応じて、テンプレートを活用して内製する方法もあります。

チラシに載せてはいけない表現はありますか?

効果を保証するような表現や、根拠のない「業界No.1」といった優位性を示す表現は避けるべきです。事実として提示できる在籍資格者数や対応実績などを具体的に記載し、一般消費者に誤解を与えない表示を心がけましょう。

チラシは何パターン用意しておくとよいですか?

紹介型・情報提供型それぞれ2〜3パターン程度を用意しておくと、訪問先や時期、伝えたいテーマに応じて使い分けやすくなり、営業活動の効率が上がります。

出典・参考

誘引性・特定性のある表示は広告として扱われる可能性があるという考え方を踏まえ、チラシの表示内容は事実に基づいた具体的な記載を心がけ、判断に迷う表現は所属法人内で事前に確認することをおすすめします。

まとめ|チラシは「タイプ」を意識して使い分けよう

訪問看護ステーションの営業チラシは、事業所を知ってもらう紹介型と、専門性を伝える情報提供型の2タイプに分けて考えることで、目的に合った内容を作りやすくなります。

この記事のまとめ
  • 紹介型チラシは「差別化」と「親近感」の2点を意識する
  • 情報提供型チラシは「タイトル」「具体性」「相談への呼びかけ」の3点を意識する
  • 配布先や時期に応じて複数パターンを使い分けると効率的
  • 表示内容は事実に基づいた具体的な記載を心がけ、誇張表現は避ける

目的を明確にしたチラシ作りが、地域からの信頼につながる第一歩になります。

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