潰れる訪問看護ステーションの特徴を3つ紹介します!

近年、開業する訪問看護ステーションは多いですが、潰れる訪問看護ステーションも多いとよく聞きませんか?

 

訪問看護ステーションの数は、1年間に1,800件以上開設している一方で、700件以上が廃止・休止となっています。

参考:令和4年度訪問看護ステーション数調査結果

実は、私が以前働いていた訪問看護ステーションは、開設して1年未満で休止となりました。

今回は、この経験をもとに、潰れる訪問看護ステーションの特徴と潰れないための予防策について紹介します。

訪問看護ステーションを立ち上げたばかりの方や、訪問看護ステーションの運営をされている方に、今後の運営と存続のために参考にしていただけたら幸いです。

 

潰れる訪問看護ステーションの特徴3つ

早速、潰れる訪問看護ステーションの特徴を3つ紹介します。

 

看護師が不足している

 

訪問看護ステーションの人員基準は、看護師が常勤換算で2.5人以上と定められています。

この人員基準が満たないと、訪問看護ステーションは潰れることに繋がります。

訪問看護の休止や廃止の原因の多くは、看護師の人数が不足していることによるものです。

さらに、訪問看護における看護師の離職率は高い傾向であり、採用してもすぐに退職してしまうと、コストがかかり、経営が圧迫されてしまいますね。

また、利用者さんや関係各所に対して印象が悪くなり、依頼も減ってしまうという悪循環に陥ります。

何とか人員基準で運営している、または人員基準未満の訪問看護ステーションは、潰れる可能性が高くなります。

令和6年度診療報酬改定において、看護師よりもリハビリ職員の人数が大幅に多い訪問看護ステーションは、今後経営が厳しくなることが予測されます。

 

利用者さんの数が少ない

 

訪問看護ステーションは、利用者さんがいなければ報酬は入りません

開業直後は、利用者さん獲得の人脈が少なく、なかなか利用者さんが増えませんよね。

また、病院での勤務経験を経て訪問看護を立ち上げると、営業経験がなく利用者さんの獲得には苦労します。

特指示や点滴指示によって一時的に訪問回数が増えても、安定した訪問ができないことも多く見受けられます。

ターミナルや一時的な介入では、すぐに終了となるケースも多く、安定した数にはなりにくいですね。

利用者さんが少ないと、人件費などの支出だけが増え、資金繰りが難しくなり、潰れる可能性が高くなります

 

経営理念と看護理念の差

 

訪問看護ステーションの運営には、経営の知識が必要です。

経営理念をしっかり持って、労務関係や組織運営、経営戦略などの知識を身につけなければいけません。

経営者は、訪問看護ステーションを存続させたいという思いで、売り上げばかりに目がいってしまいがちです。

しかし、現場の看護師やリハビリ専門職などの職員は「利用者さんが困っていたら助けてあげたい」という理念があると思います。

報酬にはなりませんが、時間を費やしてしまうことなどもあると思います。

こうした積み重ねから、経営的に売り上げを伸ばしたい経営者と、利用者さんを思う現場の職員との間に溝が生じますね。

そのような時に、職員が経営理念を理解できていないと、溝は深くなってしまいます

私が働いていたところでは、経営理念と看護の理念に溝が生じて、経営者と管理者が対立して管理者が退職し、程なくして休止となりました。

管理者がいないと、運営もできませんし、管理者交代は利用者さんや関係各所への不信感にも繋がります。

このような不信感は、利用者さんの減少、関係各所からの依頼減少、職場内での雰囲気が悪化して、潰れる可能性が高くなります。

 

潰れる訪問看護ステーションにならないための予防策

ここからは、潰れる訪問看護ステーションにならないための予防策を紹介します!

 

看護師の確保と定着

 

訪問看護ステーションには、看護師の確保と定着が重要です。

看護師の確保には、自社内の看護師が他の看護師を呼ぶリファラル採用やSNSを活用して採用活動できると、採用コストが抑えられます。

また、確保だけでなく定着して長く働ける環境が大事ですね。

看護師の定着には、経営理念の理解や自社の方針の理解を深める必要があります。

この訪問看護ステーションに貢献したい」と思える環境作りをして、看護師の離職を減らし、新たに看護師を確保していくと良いと思います。

 

利用者さんを増やすための人脈作り

 

利用者さんを増やすためには、人脈作りが重要です。

依頼元である在宅医や医療機関のソーシャルワーカー、居宅介護支援事業所のケアマネジャーと直接会って、どんな事業所なのかを知ってもらいましょう。

ただ会って話すだけでは印象に残らないので、営業のノウハウを身につけておくと良いですね。

 

経営について学ぶ

訪問看護を運営していくには、経営についての知識が必要です。

経営に関する研修会や、経営者同士でのコミュニケーションなど、さまざまな知識を取り入れるようにした方が良いでしょう。

さらに、職員にも経営状態の把握や状況を理解できるような場を設けて、経営に関心を持ってもらうと、より良いですね。

 

まとめ

 

潰れる訪問看護の特徴3つとその予防策について紹介しました。

訪問看護ステーションは、開業が増えていますが、休止や廃業も増えています。

熱意を持って立ち上げた訪問看護ステーションが、潰れることなく安定した経営を目指したいですね。

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ABOUT US
石川 成美理学療法士
理学療法士/愛知県在住/総合病院、地域活動を経て現在は訪問看護ステーション勤務/訪問看護でリハビリをしながら広報を担当/子育て中/職場の働きやすさ改革中/趣味は旅行