厚生労働省保険局医療課は令和8年9月25日付で「疑義解釈資料の送付について(その13)」を出しました。特別の関係にある医療機関が往診料や在宅患者訪問診療料などを算定した日は、包括型訪問看護療養費も算定できないという見解が示されています。
包括型訪問看護療養費は令和8年度診療報酬改定で新設された1日単位の報酬です。算定できない日が出ると、その日の報酬にまとめて影響します。高齢者向け住まい等に併設・隣接するステーションで、連携先の医療機関と特別の関係にある場合は確認が必要です。
- 疑義解釈(その13)で示された包括型訪問看護療養費の取扱い
- 算定できなくなる「医療機関側の算定項目」の一覧
- 包括型訪問看護療養費の基本的な算定要件
- 該当しうるステーションが今すぐ確認すべきこと
目次
何が決まったのか(ニュースの概要)
令和8年9月25日、厚生労働省保険局医療課は地方厚生(支)局医療課などにあてて、事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その13)」を出しました。別添1が医科診療報酬点数表関係、別添2が訪問看護療養費関係で、別添2に包括型訪問看護療養費の問1が収載されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発出元 | 厚生労働省保険局医療課 |
| 日付・形式 | 令和8年9月25日付 事務連絡 |
| 名称 | 疑義解釈資料の送付について(その13) |
| 訪問看護関係 | 別添2「訪問看護療養費関係」【包括型訪問看護療養費】問1 |
| 結論 | 特別の関係にある医療機関が往診料等を算定した日は、包括型訪問看護療養費は算定不可 |

新しいルールが増えたというより、もともとある「特別の関係」の同日算定ルールが包括型にも当てはまることがはっきりした、という内容です。包括型だから例外、とはならないので注意しましょう。
内容の詳細
もともとのルール(留意事項通知)
「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保発0305第19号)では、次の条件にあてはまる医療機関が下表の項目を算定した日は、そのステーションは訪問看護療養費を算定できないとされています。
- 訪問看護ステーションと特別の関係にある
- かつ、そのステーションに訪問看護指示書を交付した医師が所属する保険医療機関等である
| 医療機関側で算定された項目 | この日のステーション側 |
|---|---|
| 往診料 | 訪問看護療養費は算定できない (今回、包括型訪問看護療養費も算定不可と明確化) |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅰ) | |
| 在宅患者訪問診療料(Ⅱ) | |
| 在宅がん医療総合診療料 | |
| 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料 | |
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料 | |
| 在宅患者訪問栄養食事指導料 |
疑義解釈では、通知の該当部分の一部が「(略)」とされています。例外的な取扱いの有無など、詳細は留意事項通知の原文で確認してください。
今回の疑義解釈の問と答え
問:上記のルールがあるなかで、医療機関と特別の関係にある訪問看護ステーションが、包括型訪問看護療養費を算定することは可能か。
答:算定不可。
包括型訪問看護療養費の基本(おさらい)
包括型訪問看護療養費の告示(訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法)の主な規定は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 算定単位 | 1日につき(1日に行った複数回の訪問看護の実際の看護時間を合算) |
| 対象 | 届出を行った訪問看護ステーションが、届出をした建物に住む「別に厚生労働大臣が定める者」(別表第7該当者等とされています)に、24時間の対応体制で計画的または随時の頻回の訪問看護を行った場合 |
| 訪問回数 | 日中と夜間帯(午後6時〜午前8時)に少なくともそれぞれ1回ずつ。1日の実施時間が60分以上の場合は1日3回以上 |
| 職種 | 1日に1回以上、看護職員(准看護師を除く)による訪問を含む |
| 金額の例 | 単一建物居住利用者20人未満・30分以上60分未満で7,010円(人数3区分×時間4区分で、最大15,510円) |
| 同一日の併算定 | 訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、訪問看護管理療養費は別に算定できない |
訪問看護ステーションへの影響
影響を受けやすいのは、包括型訪問看護療養費を届け出ている(または届出を予定している)ステーションのうち、指示書を出す医師の医療機関と特別の関係にあるケースです。たとえば、同じ法人グループの診療所が住まいの入居者に訪問診療を行い、併設のステーションが包括型で訪問看護を行っている形が考えられます。
- 包括型は1日単位の報酬なので、該当日はその日の訪問看護の報酬がまとめて算定できなくなる
- 訪問診療の日は訪問看護を手厚くする、といった運用をしていると、算定できない日が想定より多くなる可能性がある
- 医療機関側の訪問薬剤管理指導料や訪問栄養食事指導料なども対象のため、医師の訪問日だけを見ていると漏れが出やすい

訪問看護の現場では、医療機関側がその日に何を算定したかが見えにくいことがあります。算定項目の情報を事前に共有してもらう仕組みがないと、後で返戻になりかねません。
疑義解釈は、既に請求したレセプトの扱いについては触れていません。令和8年6月以降、該当日に包括型を算定していた場合の対応は、管轄の地方厚生(支)局に確認することをおすすめします。
今からやるべき実務対応
- 特別の関係にあたる医療機関を洗い出す指示書を交付している医師の所属医療機関のうち、自ステーションと特別の関係にあるところを一覧にします。
- 医療機関側の算定日を把握する仕組みをつくる往診・訪問診療・訪問リハ指導管理・訪問薬剤管理指導・訪問栄養食事指導などの実施日(算定日)を、事前または月次で共有してもらう運用を決めます。
- 6月以降の請求実績を点検する包括型を算定した日と、医療機関側の該当項目の算定日が重なっていないかを照合します。
- 訪問スケジュールの組み方を見直す医療機関側の訪問日と包括型の算定日の関係を踏まえ、利用者への提供体制と収支の両面から運用を検討します。
特別の関係にある医療機関が訪問診療をした日は、包括型訪問看護療養費を算定できますか?
算定できません。令和8年9月25日付の疑義解釈資料(その13)で、特別の関係にあり、かつ訪問看護指示書を交付した医師が所属する医療機関が往診料や在宅患者訪問診療料などを算定した日は、包括型訪問看護療養費も算定不可と示されました。
対象になる医療機関側の算定項目は何ですか?
往診料、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、在宅がん医療総合診療料、在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者訪問栄養食事指導料です。詳細は留意事項通知(令和8年3月5日保発0305第19号)の原文で確認してください。
特別の関係がない医療機関の場合も算定できなくなりますか?
今回の疑義解釈は、特別の関係にあり、かつ訪問看護指示書を交付した医師が所属する医療機関等を対象としたものです。それ以外の医療機関については今回の問では扱われていないため、個別のケースは管轄の地方厚生(支)局に確認してください。
まとめ|包括型も「特別の関係」の同日算定ルールの対象
疑義解釈資料(その13)で、特別の関係にある医療機関が往診料などを算定した日は、包括型訪問看護療養費も算定できないことが明確になりました。1日単位の報酬であるため、該当日の影響は大きくなります。
- 厚生労働省保険局医療課が令和8年9月25日付で疑義解釈資料(その13)を出した
- 特別の関係にあり、指示書を交付した医師が所属する医療機関が往診料等を算定した日は、包括型訪問看護療養費は算定不可
- 対象は往診料・訪問診療料(Ⅰ)(Ⅱ)・在宅がん医療総合診療料・訪問リハ指導管理料・訪問薬剤管理指導料・訪問栄養食事指導料
- 包括型は1日単位の報酬のため、該当日はその日の報酬がまとめて算定できなくなる
- 連携先医療機関の算定日を把握する仕組みと、6月以降の請求の点検が必要
まずは特別の関係にあたる医療機関の洗い出しと、算定日の情報共有の方法を決めるところから始めましょう。






















