訪問看護の指導監査、医療・介護保険が情報連携へ

厚生労働省は2026年7月15日開催の「令和8年度全国介護保険担当課長会議」で、医療保険と介護保険の指導監査に関する情報を双方向で連携する仕組みを自治体・地方厚生(支)局に改めて周知しました。実は令和8年4月1日付ですでに事務連絡が発出済みで、今回の会議はその再確認・徹底を求めるものです。

訪問看護ステーションは医療保険・介護保険の双方の指定を受けている事業者が多い代表的なサービスのため、片方の制度で受けた指導・監査の情報が、もう片方の制度の指導監督にもつながりやすくなります。実地指導・個別指導への備えを、この機会に確認しておきましょう。

この記事でわかること
  • 今回周知された情報連携の仕組みの中身(いつから・誰が・何を連携するか)
  • 医療保険↔介護保険、それぞれの情報提供ルートの具体的な流れ
  • 訪問看護ステーションの実地指導・個別指導への影響
  • 今から確認しておきたい実務対応

何が公表されたのか(ニュースの概要)

2026年7月15日、厚生労働省は「全国介護保険担当課長会議」を開催し、総務課介護保険指導室の資料として「指定訪問看護事業者等の指導及び監査に係る情報連携について」を示しました。この資料で明らかにされたのは、令和8(2026)年4月1日付ですでに発出されている2本の事務連絡の内容と、その徹底を自治体に求める呼びかけです。

項目内容
会議名令和8年度全国介護保険担当課長会議(2026年7月15日)
公表元厚生労働省 老健局総務課介護保険指導室
関連事務連絡の発出日2026年(令和8年)4月1日付
発出元厚労省保険局医療課医療指導監査室/老健局総務課介護保険指導室
宛先地方厚生(支)局医療課長/都道府県・指定都市・中核市の介護保険担当部局
内容指定訪問看護事業者等の指導・監査結果について、医療保険側⇔介護保険側で双方向の情報提供を行う仕組みの明文化
看護師 上妻
看護師 上妻

「新しい制度が始まった」というより、「もともとあった連携を、4月1日付でルール化・明文化して、7月の会議で改めて周知した」というのが正確なところですね。

内容の詳細|双方向の情報連携の中身

指定訪問看護事業は、医療保険と介護保険の双方の指定を受けている事業者が多い一方、指導監督の実施主体は制度ごとに異なります(医療保険=地方厚生(支)局、介護保険=都道府県・指定都市・中核市)。今回明文化された流れは次の2方向です。

方向提供される情報ルート
医療保険→介護保険地方厚生(支)局が実施した個別指導・共同指導の結果通知、監査後の措置の通知(指摘事項・返還項目等を含む)の写し都道府県国民健康保険担当部局または後期高齢者医療担当部局を経由し、都道府県介護保険担当部局へ随時提供
介護保険→医療保険介護保険側の運営指導等で把握した、医療保険側の指導に資する情報都道府県介護保険担当部局から都道府県国保・後期高齢者医療担当部局を経由し、各地方厚生(支)局へ提供

情報提供を受けた側は、その内容を確認したうえで、必要に応じて自らの制度側でも指導監督(運営指導等)を実施するか迅速に検討することが求められています。なお、特定の事業者について指導・監査を実施した事実自体は公にしていない情報であるため、取扱いには留意するよう厚労省は付記しています。

POINT|あわせて示された関連事項

同じ会議資料では、自治体の指導監督担当職員向け研修(令和8年度は動画研修を9月頃〜1月末、演習研修を1月に実施予定)や、運営指導の実施体制整備(事務受託法人の活用等)についても言及されています。自治体側で指導監督の質・実施率を高めようとする動きが続いている点は、あわせて押さえておきたいところです。

訪問看護ステーションへの影響

訪問看護ステーションは医療保険・介護保険の両方の指定を受けているケースが多く、まさに今回の情報連携の対象になりやすいサービスです。具体的には次のような影響が考えられます。

  • 医療保険側(訪問看護療養費)の個別指導・監査で指摘・返還等があった場合、その情報が介護保険担当部局にも共有され、介護保険側の運営指導のきっかけになり得る
  • 逆に、介護保険側の運営指導で把握した内容が、地方厚生(支)局側の医療保険指導に活用される可能性がある
  • これまでも自治体レベルの情報共有は行われてきたが、今回「確実な実施」が改めて求められたことで、連携の抜け漏れが減り、指摘事項がもう一方の制度側にも伝わりやすくなる
看護師 上妻
看護師 上妻

「医療保険側で指摘を受けたから介護保険側は大丈夫」という切り分けが、これまで以上に通用しにくくなるイメージです。書類・記録の整備は保険種別を問わず一体で見直しておくと安心ですね。

今からやるべき実務対応

  1. 自事業所の指定状況を確認する医療保険(訪問看護療養費)と介護保険(指定訪問看護事業者)の両方の指定を受けているか、まず確認しましょう。両方受けている場合は今回の情報連携の対象になります。
  2. 両保険制度で記録・書類の整合性を点検する訪問看護指示書、看護記録、契約書類、重要事項説明書など、医療保険・介護保険の双方で求められる書類に不備がないか、保険種別を横断して確認しておきましょう。
  3. 過去の指導・監査結果を振り返る過去に医療保険側・介護保険側いずれかで指摘を受けたことがあれば、その是正状況を今一度確認し、もう一方の制度でも同様の観点でチェックしておくと安心です。
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まとめ|連携強化で「片方だけ整備」は通用しにくくなる

今回のニュースは、新しい指導基準が追加されたものではなく、医療保険と介護保険の指導監査情報を双方向で連携する仕組みを明文化し、令和8年7月15日の全国会議で改めて周知したという内容です。実務上は「医療保険側・介護保険側どちらか一方の対策で終わらせない」意識が重要になります。

この記事のまとめ
  • 令和8年4月1日付の事務連絡で、医療保険↔介護保険の指導監査情報の双方向連携が明文化され、7月15日の全国会議で周知された
  • 医療保険側の指導結果は都道府県介護保険担当部局へ、介護保険側の情報は地方厚生(支)局へ、それぞれ随時提供される
  • 訪問看護は両保険の指定を受ける事業者が多く、連携の対象になりやすい代表的サービス
  • 片方の制度での指摘がもう片方の指導につながる可能性を踏まえ、保険種別を横断した書類・記録の点検が重要

次回の実地指導・個別指導に備え、まずは自事業所の書類整備状況を保険種別を問わず棚卸ししておきましょう。

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この情報連携の仕組みはいつから始まっていますか?

令和8(2026)年4月1日付の事務連絡ですでに開始されています。2026年7月15日の全国介護保険担当課長会議は、その内容を自治体・地方厚生(支)局に改めて周知し、確実な実施を求めるためのものです。

医療保険と介護保険、両方の指定を受けていない場合も対象になりますか?

今回の情報連携は、医療保険(訪問看護療養費)と介護保険(指定訪問看護事業者)の双方の指定を受けている事業者を主な対象としています。いずれか一方のみの指定の場合、直接の対象にはなりにくいと考えられますが、詳細は所轄の都道府県・地方厚生(支)局への確認をおすすめします。

今回の周知によって、実地指導の頻度は増えますか?

会議資料には「情報連携の徹底」に加え、自治体の運営指導実施体制の整備(事務受託法人の活用等)についても言及があり、指導監督の実施率向上に向けた取り組みが進んでいる状況がうかがえます。ただし、頻度が具体的にどう変わるかは自治体ごとの運用によるため、断定はできません。

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