医療用手袋の国備蓄放出|訪問看護も対象、G-MIS要請方法を解説

厚生労働省は2026年6月30日、中東情勢の影響による医療用手袋の供給不安を受けて実施している国の備蓄放出について、G-MIS(医療機関等情報支援システム)の操作マニュアルを更新し、あわせて要請手続きをまとめたガイドブックとQ&Aを公表しました。

今回の放出は訪問看護事業所も要請の対象です。在宅療養者へのケアで日常的に手袋を使用する訪問看護ステーションにとっても関係のある内容のため、対象条件や要請の流れを整理してお伝えします。

この記事でわかること
  • 今回の通知(2026年6月30日付事務連絡)の概要と背景
  • 訪問看護事業所が備蓄手袋の配布要請をできる条件
  • G-MISでの要請からアスクルでの購入までの手続きの流れ
  • 訪問看護ステーションが今からやるべき実務対応

何が決まったのか(通知の概要)

今回の通知は、厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課が2026年6月30日付の事務連絡として、全国訪問看護事業協会をはじめとする関係団体に周知したものです。中東情勢による医療用物資への供給影響を踏まえ、2026年5月14日付の通知「中東情勢を踏まえた医療用手袋の備蓄放出について」に基づき、国が備蓄している医療用手袋の放出がすでに行われていますが、G-MISの操作方法や要請の流れについて医療機関等からの問い合わせが多かったことを受け、マニュアル類が整備し直された形です。

項目内容
発出日2026年6月30日(事務連絡)
発出元厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課
背景となる通知2026年5月14日付「中東情勢を踏まえた医療用手袋の備蓄放出について」(医政産情企発0514第3号)
今回更新・公表された資料G-MIS緊急配布要請マニュアル、医療用手袋要請ガイドブック、Q&A(2026年6月25日時点版)
放出対象品ニトリル手袋(米国ASTM規格・欧州EN規格適合品)
看護師 上妻
看護師 上妻

手袋は毎日のケアで欠かせない物品なので、「入荷が読めない」という声を聞くたびに気になっていました。国の備蓄が使える仕組みがあるのは心強いですね。

内容の詳細|対象・要請条件・購入の流れ

まず押さえておきたいのは要請できる施設の範囲です。

施設種別取り扱い
病院・診療所・訪問看護事業所・薬局・助産所すべて要請可能
介護施設原則対象外
介護施設内の医務室等G-MIS上で「診療所」として登録されている場合は対象
POINT|要請できる条件

G-MISの週次調査で回答する「①在庫量」「②1週間の想定消費量」「③1週間の購入見込み量」をもとに、次の計算式を満たす場合に配布「要」となります。

①在庫量 <(②1週間の想定消費量-③1週間の購入見込み量)×4

例:在庫2,000枚、想定消費量1,000枚/週、購入見込み400枚/週の場合、(1,000-400)×4=2,400枚となり、在庫2,000枚はこれを下回るため要請可能(約1か月以内に在庫が尽きる見込みという考え方です)。なお在庫量にはSPD管理分も含みます。要請が不要であれば、週次調査への回答自体が不要です。

要請から手袋到着までは、次のような流れになります。

  1. G-MIS週次調査への回答・緊急配布要請毎週水曜17時締切。在庫量等を回答し、要件を満たせば要請を行う。
  2. アスクル購入サイトでの必要情報登録要請後は速やかに登録。医療機関コード(G-MIS上の10桁のコード)の入力が必要で、既にアスクル会員でも登録は必要。
  3. アスクルからの案内メール受領原則として要請締切の翌週半ばに、購入手続き用のURLが記載されたメールが届く。
  4. メール記載のURLから購入手続き購入期限はメール到着から4週後の金曜日まで。期限を過ぎた場合は再度G-MISでの要請が必要。

購入できる枚数は、G-MISの週次調査で入力した「1週間の想定消費量」の2週間分をもとに、1,000枚単位で切り上げて決まります。1セット1,000枚(10箱)が最小の購入単位で、サイズごとにセット数を指定することも可能です。

注意

購入した手袋の転売は禁止されていますが、近隣の医療機関等への無償譲渡は問題ないとされています。誤って要請してしまった場合、G-MIS上での取り消しはできないため、取り下げたいときは要請締切の翌日(毎週木曜12時)までに、事業所所在地の都道府県に連絡する必要があります。

訪問看護ステーションへの影響

訪問看護は、清潔ケア・排泄ケア・創傷処置・カテーテル管理など、利用者宅を訪問するたびに手袋を使用する場面が多い業務です。市中での通常の仕入れルートに供給不安が生じた場合、在庫の見通しが立てにくくなることは経営上のリスクになります。今回の仕組みは、そうした状況で国の備蓄という代替チャネルを利用できる点が実務上のポイントです。

一方で、対象になるのはあくまで医療機関等としての訪問看護事業所であり、G-MISへの登録状況や医療機関コードが正しく把握できていなければ要請そのものができません。自事業所がG-MIS上でどのように登録されているかを、この機会に確認しておくとよいでしょう。

看護師 上妻
看護師 上妻

普段から「あと何週間分の在庫があるか」を把握しておくと、いざというときにすぐ試算して要請できます。BCP(業務継続計画)の物資管理の一環として意識しておきたいですね。

今からやるべき実務対応

  • 自事業所のG-MIS登録状況と医療機関コード(10桁)を確認する
  • 手袋の在庫量(SPD管理分含む)と1週間の想定消費量・購入見込み量を把握する
  • 上記の計算式に当てはめ、配布要請の条件を満たすか試算しておく
  • 要請が必要な場合は、毎週水曜17時までにG-MIS週次調査への回答と緊急配布要請を行う
  • 要請後はアスクル購入サイトへの必要情報登録を速やかに済ませる
  • 操作方法等が分からない場合は、G-MIS窓口や都道府県、厚生労働省の窓口に早めに相談する

よくある質問

訪問看護事業所も医療用手袋の配布要請はできますか?

できます。全ての病院、診療所、訪問看護事業所、薬局、助産所が要請の対象です。ただし介護施設は原則対象外です(G-MIS上で診療所として登録されている介護施設内の医務室等は対象になります)。

どのくらい在庫が減っていれば要請できますか?

在庫量が「(1週間の想定消費量-1週間の購入見込み量)×4」を下回る場合に要請可能です。おおむね1か月以内に在庫が尽きる見込みかどうかが判断の目安になります。

要請してから手袋が届くまでどれくらいかかりますか?

毎週水曜17時締切で要請すると、原則として翌週半ばにアスクルから購入案内メールが届きます。メール記載のURLから購入手続きを行った後、数日以内に配送される予定です。

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まとめ|訪問看護も対象、まずは自事業所の在庫状況の把握から

中東情勢による供給不安を背景に、国の備蓄手袋放出に関するG-MIS操作マニュアル等が更新されました。訪問看護事業所も要請の対象であり、条件を満たせばG-MISから配布を要請できます。

この記事のまとめ
  • 2026年6月30日付の事務連絡で、G-MIS操作マニュアル・ガイドブック・Q&Aが更新された
  • 訪問看護事業所も配布要請の対象。介護施設は原則対象外
  • 要請条件は「在庫量<(1週間想定消費量-1週間購入見込み量)×4」
  • 要請(毎週水曜17時締切)→アスクル購入サイト登録→案内メール→購入、という流れ
  • 転売は禁止だが近隣事業所への無償譲渡は可能。不明点は各窓口へ相談を

供給状況は今後も変化する可能性があるため、日頃から在庫量と消費量を把握しておくことが、いざというときの迅速な対応につながります。

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