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訪問看護は屋外歩行訓練はグレーゾーン!?
平成29年9月6日の介護給付費分科会資料に公益社団法人日本理学療法士協会・一般社団法人日本作業療法士協会・一般社団法人日本言語聴覚士協会が提出した資料をまずは見てみましょう!
そこには下記のようなことが書かれています。
訪問リハビリテーションの実施は居宅内外で認められているが、訪問看護は実施場所が居宅内に限定されている。
*介護保険法 第八条…「訪問看護」居宅要介護者について、その者の居宅において看護師その他により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助
しかし、本人の自立と社会参加のためには、買いものや交通手段の利用といった 居宅外での実施は必須である。
そこで、必要に即し、理学療法士等による訪問看護でも買い物や交通手段の利用 といった居宅外における課題を設定している現状がある。
これは、平成29年9月6日の介護給付費分科会資料に公益社団法人日本理学療法士協会・一般社団法人日本作業療法士協会・一般社団法人日本言語聴覚士協会が提出した資料です。
屋外のリハビリテーション【東京都福祉保健局】
令和2年度の東京都福祉保健局の訪問看護の集団指導の資料ではこのようなことが記載されております。
訪問系サービスは要介護者の居宅において行われるもので、居宅以外で行われるものは原則として算定できない。
ただし、下記の要件を満たす場合のみ、例外的に算定が可能。
- 自立支援として生活機能の維持向上を図ることを目的とすること
- 主治医の具体的指示等、医学的判断に基づくものであること
- 適切なケアマネジメントのもとで作成された訪問看護計画に位置づけられている
引用)令和2年度の東京都福祉保健局の訪問看護の集団指導の資料(P121)
根拠法令
平成12年老企第36号通知
第二の1 通則
(6)訪問サービスの行われる利用者の居宅について
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーションは、介護保険法(平成9年法律第123号)第8条の定義上、要介護者の居宅において行われるものとされており、要介護者の居宅以外で行われるものは算定できない。
例えば、訪問介護の通院・外出介助については、利用者の居宅から乗降場までの移動、バス等の公共交通機関への乗降、移送中の気分の確認、(場合により)院内の移動等の介助などは要介護者の居宅以外で行われるが、これは居宅において行われる目的地(病院等)に行くための準備を含む一連のサービス行為とみなし得るためである。
居宅以外において行われるバス等の公共交通機関への乗降、 院内の移動等の介助などのサービス行為だけをもってして訪問介護として算定することはできない。
都発行 「かいてき便り 第28号 Q&A」
(問) 屋外でのリハビリは、訪問看護のサービスとなりますか。
(回答) 訪問系サービスは要介護者の居宅において行われるものであり、要介護者の居宅以外で行われるものは算定できません。
よって、訪問看護のサービスとして、屋外での歩行訓練などのリハビリテーションを行った場合、すべての場合について報酬算定できるものではありません。
利用者の居宅から屋外にかけて実施するリハビリテーションが下記の要件を満たす場合のみ、例外的に訪問看護サービスとしての算定が可能となります。
- 自立支援として利用者の生活機能の維持向上を図ることを目的として実施するものであること。
- 医師の具体的指示等、医学的判断に基づくものであること。
- 適切なケアマネジメントのもとで作成された訪問看護計画に位置づけられていること。
訪問看護ステーションからのリハビリ|屋外でのリハビリ【東京都世田谷区】
訪問看護ステーションから理学療養士・作業療養士が訪問しリハビリを行っている。
- 社会復帰にむけてのエスカレーターや電車の乗り降りの訓練を自宅から出発し、デパー トや駅で訓練した場合、算定できるか?
- また、その際、1回のリハビリに一週間で利用できる単位すべてを使用して 120 分で算定できるか?
- 自立支援として生活機能の維持向上を図ることを目的としていて、主治医の具体的指示等、医学的判断に基づくものであって、適切なケアマネジメントのもとで作成された訪問看護計画に位置づけられていれば算定できる。ただし、訪問看護も居宅サービスのひ とつなのであくまでも居宅を起点としなければならない。
- また、理学療法士等による訪問看護は、1 回あたり20分以上、一人の利用者について週に 6 回の限度はあるが、一日あたりの回数の制限はないので、この質問のような算定(一 週間に 1 回、120 分)は可能である。
参照)平成27年度東京都集団指導資料P.111 12.3.1老企第36号第2の4(4「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の訪問について」)
引用)介護保険給付に関するQ&A 令和2年3月現在 世田谷区介護保険課
訪問看護で屋外歩行を行うときの注意点
さまざまな情報を整理すると、まとめると下記の通りとなります。
訪問看護でも屋外歩行を実施しても良いが、下記の点を注意する。
- 自立支援として利用者の生活機能の維持向上を図ることを目的として実施するものであること。
- 医師の具体的指示等、医学的判断に基づくものであること。
- 適切なケアマネジメントのもとで作成された訪問看護計画に位置づけられていること。
もう少し簡単に説明をすると下記のようになります。
- 目的を明確化
- 訪問看護指示書への記載
- ケアプラン及び訪問看護計画に記載
今回は東京都の解釈を中心に記載しております。
これらの解釈は各自治体によって異なる場合がありますので、各自治体へ確認することをお勧めします。
今回の記事のような悩みに関しても日頃から相談し合うことができます。
もしよろしければ、ご登録の程、よろしくお願いいたします。
訪問看護における屋外歩行訓練が禁止?グレーゾーン?って聞いたことありますか?
今回は、訪問看護における屋外歩行訓練の制度上の注意点を紹介します!